沖縄の深い歴史に出会える離島・伊是名島おすすめ観光スポット10選

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沖縄の深い歴史に出会える離島・伊是名島おすすめ観光スポット10選

沖縄本島の北西部に浮かぶ伊是名(いぜな)島へは、本部(もとぶ)半島の運天港からフェリー「ニューいぜな」で約1時間の船旅です。いわゆる「離島」と呼ばれる周囲約17km、人口1500人程の小さな島です。伊是名島は琉球王朝の国王、尚円王金丸の出身地でもあります。約400年という世界でも稀にみる長期間の統一王朝時代の礎を築いた人物です。そんな琉球王国の始まりの地、伊是名島のおすすめ観光スポットをご紹介します。

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沖縄の深い歴史に出会える離島・伊是名島おすすめ観光スポット10選

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1.尚円王御庭公園 

尚円王縁の地として島興しに積極的に取り組む伊是名島では、尚円王の生誕580年を記念して「尚円王御庭公園」と名付けた公園を整備しました。敷地内の、「みほそ所」と呼ばれる場所の大石の下には、尚円王のへその緒が埋められていると言われていて、島の聖地となっています。また、尚円王が生まれたときに産湯をつかったといわれる「潮平井」も修復され整備されています。

さらに公園の中心あたりには、沖縄本島方向を指さす尚円王(若き日の金丸)の銅像(島出身の版画家 名嘉睦稔氏作)が建立されています。「フェリーニューいぜな」の側面にも、この尚円王の銅像のマークを見ることが出来ます。園内は、多くの緑と水処を豊かに配し、遥か琉球王国時代の御庭を思わせる環境を整え、自然にふれながら歴史散策が楽しめるようになっています。

2.逆田

百姓だった時代の尚円王の水田です。その昔尚円王がまだ松金と呼ばれていた頃、その年は日照り続きで島中の水田が干上がり島民たちはみな頭を抱えていました。そんな中松金の水田は上方にあり、通常ならば下方の水田よりも先に干上がってしまうはず。しかしなぜか水が豊富だったため島民は松金が夜中に水を盗んでいるのではないかと疑いをかけます。覚えのない嫌疑をかけられ身の危険を感じた松金は、島を出ることを決意。ある意味琉球国王になる最初のきっかけを作ったエピソードといえます。

そんな松金の水田には、今も水が枯れることなく溢れています。実際は湧き水がこの水田に直接流れ出ているだけなのですが、「水が下から上へ逆流した」という噂から、「逆田」と呼ばれ今も大切に保存されています。

3.伊是名城跡 

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伊是名城跡は伊是名島の南東に位置し、11世紀~14世紀のグスク時代に築城されたといわれています。築城したのは尚円王と思われがちですがそうではなく、三山を統一した尚巴志王の祖父で隣島伊平屋島出身の佐銘川大主により築城されました。石垣で固められ海側が絶壁となっていることから、難攻不落の城とも呼ばれていました。また脱出のための海側へのルートも確保されているなど、計算された優れた城であったことが分かっています。

現在の見た目は綺麗な三角の山という感じですが、当時から山全体が城壁としての役割を果たしていたと考えられています。城の東側には山頂への道があり、中腹あたりで景色を楽しむことができます。

4.玉御殿(たまうどぅん)

玉御殿は伊是名島の南東に位置する伊是名城跡北側の麓にあり、第二尚氏王朝の開祖である尚円王の家族(左室)、親族(右室)を葬る王国時代の聖墓の一つといわれています。ここに尚円王の父母、姉、そして親戚である4家が眠っています。

1688年に、三代目となる尚真王(尚円王の子)が現在の石造製の墓に重修したとされています。尚円王から始まった第二尚氏王朝は19代で歴史に幕を閉じましたが、尚氏の血筋は現在も途絶えていないんですよ。第22代当主である尚裕氏は、尚家直系が眠る首里ではなく、伊是名玉御殿に入ることを熱望。異例ではあるもののその意思が尊重されこの地に大22代尚氏当主は眠っています。 昭和33年に県指定文化財に指定。毎年4月上旬には、公事清明(クージシーミー)という古代中国から伝わるお墓参りの行事がおこなわれます。

5.海ギタラ・陸(アギ)ギタラ展望台

場所は伊是名島の南東に位置しており、島の絶景スポットとして人気を博しています。2つの奇岩は海に浮かぶには「海ギタラ」、陸地に佇むのは「陸(アギ)ギタラ」といいます。「ギタラ」とは方言で「切り立った岩」を意味しますが、元々は古いインド仏教の「ギータ(歌)」と「ターラ(祈り)」という言葉が合わさってできたのではないかともいわれています。天にそびえ立つその凛とした佇まいは「星に向かって歌い、祈る」姿を連想させます。

そんな海ギタラ陸ギタラのすぐ後方陸側には、神が降り立ったと伝わる「アハラウタキ」というこの島で最も神聖な場所があります。ここからは島の象徴である三角山の伊是名城跡と、海ギタラ陸ギタラ両方を見渡すことができます。

6.マッテラの浜 伊是名ビーチ

島の主なビーチは2つあります。1つ目は朝日の名所でもある「マッテラの浜」。「マッテラ」という言葉の意味は不明で、いつからそう呼ばれているかさえ分からないそうです。観光客のみならず地元の人にも人気の天然の遊び場となっています。ただしビーチとしては整備されていないので、海水浴するにはある程度の準備をして行く必要がありますよ。

2つ目の浜「伊是名ビーチ」はマッテラの浜から西側に位置し、水平線に沈む美しい夕陽を見られます。洗い場やトイレ、シャワーも整備されていて、海水浴やキャンプやバーベキューに最適です。外灯は午後9時~10時頃には自動消灯します。

7.銘苅家住宅

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銘苅家住宅は尚円王の親戚で叔父にあたる家系の方がかつて暮らしていた家で、明治39年に再建されました。保存状態も良く、昭和52年(1977年)に国指定重要文化財に指定されています。1987年ぐらいまで実際に住居として使われていました。伝統的な赤瓦の屋根が美しく、庭には大きなガジュマルの木があり、家の前にはトックリキワタの大木があります。

8.風の岩

伊是名島の誇る絶景スポットのひとつが「風の岩」です。島の南側にある岩山で、山頂にある二枚岩はまるで大きく口を開いた龍のような不思議な姿。眼下には海ギタラ陸ギタラを見下ろし、雄大な景色と心地よい風を楽しめるオススメの名所ですよ。

「風の岩」と名付けたのは、伊是名島出身の芸術家・名嘉睦稔氏だといわれています。この島を最も美しく魅せるといってもいい、この絵画のような切り取られ完成された空間は必見。入り口は見落としやすい看板が一つしかないので、くれぐれも通り過ぎないように気をつけてください。山道はそれほど整備されていないので、動きやすい服装や靴で訪れることをオススメします。

9.伊是名集落 

伊是名島には現在「伊是名」「勢理客(じっちゃく)」「諸見」「仲田」「内花」と5つの地区に分かれています。なかでも島独特の村並みを今もなお残しているのは「伊是名」。サンゴの石垣にフクギの木や大きなデイゴの木が赤瓦の家々を囲み、ブーゲンビリアやシーサーたちが所々でいいアクセントになっています。沖縄らしさあふれる集落の歴史は約400年あり、「元島」と呼ばれた伊是名城下町に住んでいた人々が大火災に見舞われてこの地への移住したのがはじまり。

集落を歩いて回っていると、大きく石垣の外に飛び出しているフクギの木を見かけます。これは当初石垣の内側に植えられていましたが車社会となり、道幅を拡張するために石垣のみを内側に引っ込めたためできた珍しい景観です。

10.伊是名村ふれあい民俗館

伊是名村内には約2500~3000年前の土器片等が発見されているのをはじめ、数多くの貝塚や遺跡が確認されています。第二尚氏王統の始祖・尚円王生誕の島として、他の島では見られない貴重な史跡や文化財が遺されている場所。伊是名村ふれあい民俗館は、こうした先人たちが残した文化遺産を後世に正しく伝え残すために開館しました。

民俗館では約2000点にのぼる資料を所蔵。貝塚時代から古琉球・近世琉球・近代沖縄に至るまで、人々の暮らしを鮮明に浮かび上がらせる貴重な品々を展示しています。特別コーナーでは王家ゆかりの銘苅家収蔵品として、公事清明(クージシーミー)祭に用いる色鮮やかな道具類などが展示。琉球王朝の栄華を今に伝えています。考古コーナーでは沖縄でも珍しい具志川島で発掘された貝輪着装人骨をはじめ貴重な資料が展示されています。

展示にあわせて、伊是名の生活・民俗・歴史がビデオでわかりやすく解説されています。伊是名島にはユニークな伝統行事が現在でも多く存在しますが、タイミングを合わせて訪れるのは至難の業。ここなら一年中それらのイベントの貴重な映像を見ることができますよ。伊是名島を訪れたら先ずはこの施設を訪れて、島の歴史や文化をじっくり学んでから観光に繰り出すのもいいですね。

◎まとめ

琉球の悠久の歴史を物語る上で欠かせない伊是名島。沖縄を訪れる際にも欠かしてほしくない島の一つです。第二尚氏王統の始祖・尚円王生誕の島だけあって歴史を感じられるスポットが多く、豊かな自然と相まって大変魅力的な離島となっていますね。沖縄旅行をする際には、ぜひ立ち寄ってほしいオススメの島です。

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