香港観光といえば、香港島や九龍と思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「新界」まで足を延ばせば、より奥深い香港の文化やグルメ、都市部では見ることができない風景が待っています。比較的アクセスも良く、初めての観光でも行きやすい場所です。香港を訪れる際は、新界の観光スポットもぜひチェックしてみてくださいね。
1.西貢
新界エリアの西部に位置する西貢(サイコン)は、豊かな自然に囲まれた、慕情感たっぷりの港町。静かな港にはたくさんの小さな舟がぷかりと浮かび、街並みは他の都市部よりもこじんまりとしていて風情があります。グルメをメインに観光を楽しみたいなら、新鮮な獲れたて食材を使った海鮮料理は必食。生け簀や水槽から魚介類を選んで食べられるお店が多いことでも有名です。
透き通った海ではカヌー・カヤック・クルージング・サーフィンをしたり、舟をレンタルして釣りや水泳をすることもできます。山ではトレッキングやハイキングも楽しめ、街には西洋風のおしゃれなカフェやバーもあるので、目的に応じて楽しむことができますよ。レトロな中国家具を扱うお店が多く、ほかとはちょっと違うインテリアや雑貨と出会えることも。
旺角からバスで約30分とアクセスは便利。新界の中でも観光客で賑わうエリアです。
2.元郎
新界でディープな歴史観光とグルメを楽しむなら、元郎(ユーロン)がおすすめです。イギリス統治より以前の姿を残す「屏山文物徑(ピンサンヘリテージトレイル)」は、古いものの尊さに価値を見出すようになってから都市化が進んだ、このエリアだからこその観光スポット。約1.6kmの道のりには、在りし日の美しい姿をそのまま残す「覲廷書室・清暑軒」・現存する香港最古の塔「聚星樓」など、まるで他の国や時代に迷い込んでしまったような見所がたくさんあります。
元郎へのアクセスは中環や尖沙咀からバスで約40分。中心部には路面電車が走り、主要な大棠道駅・康楽路駅・豊年路駅への移動も簡単です。食べ歩きならこの駅周辺だけでも事足りるほどで、ハズせない名物店「恒香老餅家」や創業1972年の老舗インド料理店「石崗咖喱餐廰」、B仔涼粉で一世を風靡した「佳記甜品」など、何度も通いたくなる名店たちが点在しています。ローカル感たっぷりの屋台も必訪ものです。
3.沙田
都心部に最も近いといわれる新界の観光エリアがココ、沙田(シャティン)です。沙田駅までのアクセスは至って簡単で、九龍糖駅で乗り継ぎをすればMTRで気軽に行くことができます。駅は複数の商業施設に隣接し、IKEA・西友・映画館まであるので、観光ついでのお買い物やちょっと時間調整をしたいときにも便利。可愛いキャラクターやモニュメントがいっぱいのスヌーピーランドは、小さなお子さんから大人まで楽しく過ごすことができますよ。
代表的な観光スポットといえば金色色に輝く仏像がズラリと1万体以上並ぶ「沙田萬佛寺」で、駅から歩いて行けるのも嬉しいところ。中には面白い表情の仏像があったり、厳かな中に愛嬌が感じられるユニークなお寺です。眼下に街並みを臨める景勝地としても知られ、坂道をのぼっていくと、新界らしいレトロな風景が眼下に広がります。アクティブな方には、自転車を借りてのサイクリング観光もオススメです。
4.ランタオ島
新界はディズニーランドがあるリゾート地として知られていますが、ほかにも見所がある観光エリアです。中でも世界最大の「天壇大仏」や「寶蓮寺」は、香港内では知らない人がいないといっても良いほど、有名な観光スポットのひとつ。島の中心地・MTR東涌駅付近から出発している「昂坪360」と呼ばれるケーブルカーなら、新界の海・山・街並みが織りなす圧巻の大パノラマも楽しみながら、近くの昂坪駅まで約25分ほどで行くことができます。
ゆったりとリゾート感に浸りたいなら、遠浅のビーチ・貝澳(プイオー)が穴場。他に比べ静かな雰囲気で、時間によっては独り占めできてしまいます。西洋文化も入り混じる愉景湾(ディスカバリーベイ)では、プラザでお買い物やホテルで過ごしたり、優雅に羽を伸ばすのも良いですね。 多少の移動時間はかかりますが、ランタオ島には香港国際空港もあるので、都心部からのアクセスは比較的便利です。
◎まとめ
実は香港全土の90%もの面積を持つ新界。今回ご紹介したところ以外にも歴史ロマンや豊かな自然を感じられるエリアはありますが、初めて訪れる際は上記の中のスポットがおすすめです。ゆっくりと優しく流れる時間の中で、きっと癒されますよ。