カルタヘナ市は、コロンビアのカリブ岸にある旧い港町で、1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。カリブの海賊時代を彷彿とさせる要塞や旧い町並みの他、「百年の孤独」などの幻想小説で1982年にノーベル文学賞を受賞したコロンビアの作家、ガルシア・マルケスの生地であることでも有名です。お土産物としては民芸品くらいしかありませんが、中南米じゅうの富裕層が集まるリゾート地で、国際会議もよく開催される街なので、ちょっと値段は高めですが質と品の良いものが手に入ります。カルタヘナで手に入る民芸品を、紹介しましょう。
果物売りの女性
出典: Javier Ignacio Acuña Ditzel
カリブ岸のカルタヘナには、スペイン人による植民地時代にアフリカから奴隷として連れてこられた黒人系の住民が多い街です。頭に果物を積んだお盆を載せて歩く、カラフルな服を着た黒人系の女性を旧市街のあちこちで見かけますが、このお人形もお土産物屋さんでよく売られています。ちょっとアフリカ風ですが異国情緒があって、飾るとお部屋がぱっと明るくなりそうですね。
布バック
カルタヘナの近くにサンタマルタという別のリゾート地がありますが、そこはシエラ・ネバダ山という、頂上に万年雪を抱えた標高5684メートルの山の麓になっています。このシエラ・ネバダ山に住むアルウアコ族という民族が作る布のバックは、コロンビア人のエスニック好きにも人気があります。ヤシの繊維と羊毛、木材繊維で作られた優しい肌触りのバックで、カラフルな色合いのものもあります。バックとして使うのではなく、中に詰め物をして部屋の隅に置くだけでも、インテリアグッズになりますよ!
シクアニ族の椅子
シクアニ族は、コロンビア東部のアマゾン平原地域からベネズエラに居住する民族です。
この民族は今でも星の動きなどの自然の暦に従って、木を切ったり、狩をしたり、種まきをしたり収穫したりしているようです。動物を形どったこの椅子は、イニシエーションの儀式に使われるものだそうです。
ウエレゲの籠
コロンビアのパナマとの国境付近の地域に、ノアナマ族という原住民がいます。この民族が作る、ヤシの繊維を編んでカラフルな自然素材で染色した籠はウエレゲと呼ばれ、コロンビア人の一般家庭でも装飾品として使われています。
パナマ帽
ヤシの一種の細い植物繊維で作るこの手織りの帽子は俗にパナマ帽と言われていますが、発祥はパナマではなく、エクアドルとコロンビアです。150年前から、中米から南米北部にかけての農園主などの富裕層に使われていました。19世紀後半にはスペインやキューバにも輸出され始め、また第二次世界大戦中にはアメリカ合衆国にも大量に輸出されています。
コロンビアでは中部の山岳地帯のコーヒー産地で作られており、コロンビア民芸市では必ず登場する民芸品です。2002年から2010年まで2期務めた前大統領は、地方遊説の際にいつもこの帽子をかぶっていたので有名です。原料となる特殊な原生のヤシが年々減ってきており、とても繊細な繊維での手織りには時間がかかる為、しっかりした正当版は1万円以上とお値段も高めですが、雰囲気だけ味わうのであれば、手頃な値段のものもあります。
◎まとめ
いかがでしたか。
カルタヘナはリゾート地なので、中南米からのお金持ちやヨーロッパからの観光客に混ざって、ビーチでのんびり過ごすのが基本ですが、そういう観光客向けに、カルタヘナに居ながらにしてコロンビア各地の色々な民芸品が買えるのが魅力となっています。ビーチに飽きたら、海岸沿いのお土産物屋さんを散策してみませんか?スペイン人による新大陸発見以前の文化の匂いがする民芸品は、日本ではちょっと珍しいお土産物になりそうですね。