1987年にユネスコの世界遺産に指定されたメキシコのプエブラ市。メキシコで最も旧い都市の一つで、グルメと陶器の街として知られていますが、「天使の街」とも呼ばれています。プエブラ市にあるメキシコで一高い双塔を持つ大聖堂は、スペイン人が16世紀に建設したものですが、重さが8トンもある鐘が一晩で吊るされたので、当時の住民は天使の仕業に違いないと考えたからなんだそうです。
タラベラ焼きの陶器
プエブラは温暖な気候と地理的に重要な位置にあり、植民地時代にはメキシコで二番目に重要な街となっていました。スペイン人を通じて通商があったフィリピンから運ばれた様々な品物が、首都のメキシコシティに運ばれるまでの中継地として栄え、東洋美術の影響を受けたタラベラ焼きと呼ばれる陶器の壷や皿の製造が盛んになりました。このタラベラ焼きのタイルで飾られた教会の扉や家屋、噴水、中庭は、今でも街の至るところで見られます。
プエブラで陶器や民芸品を買うなら、旧市街の中心地ソカロから3ブロックのところにある、サン・ロケ広場のピリアンという市場に行ってみましょう。ここでは100軒以上のお土産物屋さんが毎日営業していて、装飾用のタラベラ焼きのお皿や壷、コーヒーカップ、お盆、時計など多彩な陶器製品の他にも、プエブラ州内の各地から集まった民芸品が手に入ります。
古代の万能薬ヨリスパ
ヨリスパ(YOLIXPA)いわれる、リキュールが少し入ったプエブラ州でポピュラーな飲み物があります。ミント、タイム、オレガノ、サルビア、ペパーミントなど23種類の薬草や香草を使ったジュースで、昔のレシピでは32種類使ったものもあります。
古代では万能薬として使われたとても苦いものだったようですが、現在は、甘味料や蜂蜜、黒砂糖などを入れて甘くしたものや、ココナッツ、パッションフルーツ、コーヒー、オレンジなどの香りをつけたものもあります。2014年8月からは、ヨリスパ・フェスティバルというお祭りも開催され始め、全国から6千人以上が集まります。
クリスマス用のオーナメントボール
プエブラ州のチグナウアパン(Chignahuapan)では、クリスマスツリーのオーナメントボールの製造所や倉庫が200以上あり、毎年数千万個、カラフルなオーナメントボールが製造されています。クリスマスツリーがなくても、そのままお部屋に飾ると気分が明るくなりそうですね。
古代の紙アマテ
アメリカ大陸発見以前からアステカ帝国で製造されていた、アマテという樹皮から作られる紙があります。魔術的な用途にも使われていたもので、スペイン帝国征服後には生産が禁じられていましたが、20世紀半ばからは新しい土着工芸品として復活しています。お土産物屋さんで探してみましょう!
パワーストーンのオニキス
プエブラ市から車で30分程のところにあるテカリ(Tecali)という静かな村では、自己防衛のパワーストーンとして知られるオニキスを使った、沢山の種類の民芸品が売られている市場があります。小さな灰皿から暖炉まで、オニキスを使った商品の他にも、タラベラ陶器や、ブリキ製の額縁、革製品、ステンドグラスのティファニーランプ、隣のゲレロ州の香りをつけたカラフルな木箱なども、ここで手に入ります。
◎まとめ
いかがでしたか。
プエブラ市内にはこの他、コロニアル風の建物が並ぶ蛙通り(El barrio de los sapos)と呼ばれる通りにアンティーク市場があり、日曜には多くの観光客が集まります。またその近くのアーチスト通りでは、地元の若いアーチストの斬新な作品を見たり買ったり出来ますし、甘い物通り(Barrio de los Dulces)では、マジパン、ほろっと崩れるパウダーケーキ、クリームビスケット、ヌガーのようなお菓子など、色とりどりの地元のスィーツが沢山売られています。