名称:西コーカサス山脈
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/900
広大な面積を持つロシアには、いくつもの世界遺産があります。歴史を物語るものから貴重な自然が残る場所まで様々です。その中に西コーカサス山脈という場所があるのは聞いたことがあるでしょうか?ここは冬期オリンピックが行われたソチからほど近く、黒海の西側に広がる地域。ヨーロッパ最大の原生林であり、氷河時代の名残も見られる貴重な場所なんですよ。そんな世界遺産、西コーカサス山脈を紹介していきましょう。
目次
人の介入を許さなかったロシアの山岳地帯、世界遺産・西コーカサス山脈
西コーカサス山脈とは?
コーカサス山脈の中でも、ソチ周辺の黒海西岸からヨーロッパ最高峰のエルブルス山までのエリアが「西コーカサス山脈」として世界遺産に登録されています。人間の介入がなかったこと、低地から亜高山帯まで変化に富んでいること、貴重な固有種が生息することなどから、1990年に世界遺産に登録されました。
世界遺産にはコーカサス諸国自然生物圏保護区、ソチ国立公園、ボリショイ・タク自然公園などがあります。かつてはヨーロッパバイソンの生息地でしたが、絶滅。現在は人の手で野生に返す努力がされているんですよ。動植物はもちろん、美しい草原や山々も西コーカサス山脈を構成する魅力の1つ。登山やトレッキングを楽しむことができ、同時に手付かずの興味深い大自然も各所で見られます。
西コーカサス山脈へのアクセス
西コーカサス山脈は約3000平方キロにも広がります。向かう場所によって起点となる町が変わるので、まずは行き先を決めましょう。ロシアは自由旅行が認められていないので、必ず先に宿泊と移動手段を決めなくてはいけません。ロシア専門の旅行会社などに依頼したほうがスムーズにビザが取得できます。各起点の町までは、基本的に飛行機で向かいます。
西コーカサス山脈のおすすめポイント①:いまだ手付かずの大自然
西コーカサス山脈は約3000メートルもの高低差があり、標高によってまったく違う顔をみせます。美しい草原が広がる場所があれば、人を寄せ付けないかのような氷河が残る場所もあり、ヨーロッパ最高峯のエルブルス山はガイドでさえ死亡事故が起きるほどの厳しさ。しかし手付かずの自然は興味深く、日本では見ることのできない絶景を望めます。
ソチ国立公園やコーカサス諸国自然生物圏保護区はソチからも近く、アクセスが容易です。コーカサス諸国自然生物圏保護区にはヨーロッパで最も背の高い木といわれているコーカサスモミや、ソチ市内にあったヨーロッパイチイ、絶滅危惧種であるセイヨウツゲといった植物を保護しています。
西コーカサス山脈のおすすめポイント②:野生動物との出会い
出典: programmes.putin.kremlin.ru
世界遺産である西コーカサス山脈にはたくさんの動物たちが生息しています。しかし、ヨーロッパバイソンや亜種であるコーカサスバイソンは、残念ながら絶滅に追いやられてしましました。前述の通りヨーロッパバイソンは人の手で育てられた個体を、自然に返す試みがされています。
この世界遺産のエリアではヤギのようなカフカスアイベックス、ヒグマ、オオヤマネコ、他にも鳥類や爬虫類がたくさんいます。また絶滅種であるマンモスなどの化石も発見されていて、太古の時代から多種多様な生き物が住んでいたことがうかがえます。
◎まとめ
ロシアの世界遺産、西コーカサス山脈についてご説明いたしました。圧倒的スケールの大自然や、標高によってガラリと変わる環境、絶滅危惧種を含めた多様で希少な野生動物など、西コーカサス山脈には様々な魅力が詰まっていますね。ぜひロシアに訪れる機会があれば世界遺産、西コーカサス山脈も予定に入れてみてはいかがですか?