「野鳥の楽園」と呼ばれるモーリタニアの世界遺産バンダルガン国立公園

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「野鳥の楽園」と呼ばれるモーリタニアの世界遺産バンダルガン国立公園

モーリタニア・イスラム共和国は、アフリカ大陸の北西部に位置する国です。大西洋に面していることから漁業が盛んで、中でもタコとイカが豊富なことで有名。なんと日本では、輸入タコのシェア数で第一位を誇っているんですよ。

そんなモーリタニアには、「野鳥の楽園」と呼ばれるほどたくさんの鳥類が生息する国立公園があります。「バンダルガン国立公園」には毎年700万羽を超える渡り鳥が飛来しており、その美しい景観や伝統的な生活を続ける先住民の文化などが評価され、1989年には世界遺産に登録されました。
それでは、モーリタニアの世界遺産「バンダルガン国立公園」についてご紹介しましょう。

目次

「野鳥の楽園」と呼ばれるモーリタニアの世界遺産バンダルガン国立公園

バンダルガン国立公園とは?

出典: Michel Piccaya/Shutterstock

「バンダルガン国立公園(Banc d'Arguin National Park)」とは、モーリタニアの首都ヌアクショット(Nouakchott)とヌアディブ(Nouadhibou)の間に位置する国立公園です。ティミリス岬を中心とする12,000平方kmのうち、およそ半分が海域であるという特徴を持っています。

公園内に点在する島々は河口から流れ出した肥沃な砂の堆積をしているため、様々な種類の渡り鳥が訪れるスポットとなっており、別名「野鳥の楽園」と呼ばれているんですよ!1989年には鳥類や海洋生物の多様性が評価され、モーリタニア初の世界遺産に登録されました。

アフリカ最大級の湿地帯だけあって、集まって来る動物も多種多彩。オオフラミンゴやモモイロペリカンといった大型鳥類のほか、バンドウイルカやシャチ、ナガスクジラ、アザラシ、ウミガメなど、水族館でお馴染みの人気海洋生物がいっぱいです。これは見逃せませんね。

実はバンダルガン国立公園には、唯一この中で生活することを許されたイムラゲン人という人々がいます。彼らは昔ながらの方法を用いたボラ漁で生計を立てつつ、公園内の自然を守りながら共存してきました。
しかし、近年は周辺の海で海産物の乱獲などの被害が多発しており、彼らの生活が脅かされているのです。

バンダルガン国立公園では野鳥やその他の海洋生物の保護のため、現在、イムラゲン人以外の一般人の立ち入りが禁じられています。車で公園内に立ち入ることはできず、観光はエンジンのついていない小型船に乗りながらとなりますので、訪れる際は充分注意しましょう。

バンダルガン国立公園へのアクセス

世界遺産「バンダルガン国立公園」は、野鳥保護の観点から一般人の立ち入りが禁止されています。唯一、エンジンのついていない船でのみ観光エリアに入ることができますが、個人での手配ができないためツアーへの参加は必須。モーリタニアの首都ヌアクショットにある旅行会社で予約をしましょう。

日本とモーリタニア間は、直行便が運航していません。そのため、アジアや中東、ヨーロッパなどで1回以上の乗り継ぎが必要となります。所要時間は最短で21時間30分。乗り継ぎの回数が1回でも空港での待機時間が長いスケジュールなどもありますので、フライト情報をしっかり確認することをおすすめします。

バンダルガン国立公園のおすすめポイント

◆鳥類の多様性

出典: Voodison/PIXTA(ピクスタ)

世界遺産「バンダルガン国立公園」の最大の魅力といえば、多種多様な鳥類を観察できることでしょう。
暖流と寒流がぶつかる潮目が沖合にあることや、エサとなる海藻とプランクトンが多いことなどの条件が重なり、たくさんの海洋哺乳類や魚たちが集まってくるのです。

中でも特徴的なのが、様々な種類の渡り鳥。モモイロペリカンやシロペリカン、オオフラミンゴ、クロアザサシなどが、なんと年間で約700万羽もこの地を訪れるそうですよ。遠くはシベリアからやってくる渡り鳥もおり、その数はおよそ300万羽にも及びます。

観察できる渡り鳥の種類は季節や天候などによって異なりますが、バンダルガン国立公園を訪れるなら11月から3月の乾季がおすすめ。日本ではなかなかお目にかかれない圧倒的な数の野鳥に感動してみませんか?

◆伝統文化と自然の共存

出典: Boudewijn Sluijk/Shutterstock

バンダルガン国立公園には渡り鳥だけでなく、たくさんの自然も存在しています。温帯気候と熱帯気候のちょうど境界域に含まれていることから、バラエティー豊かな緑に恵まれているのが特徴。砂漠に近い陸地は植物が生息する草地となっているほか、沿岸部にはマングローブが広がっています。

実はバンダルガン国立公園には、この地で生活を営むイムラゲン人という先住民族が存在するんですよ。
イルカの習性を利用したボラ漁で生計を立てている彼らは、公園内の自然を壊すのではなく、共存するという形をとりながら歴史を歩んできました。

このように伝統文化と自然の両方を守り続けてきたイムラゲンの人々でしたが、近年、公園区域外で行われるボラの乱獲などが影響し、水産資源が激減しているのだとか。
いつまでも世界遺産「バンダルガン国立公園」を守って行きたいですね。

◎まとめ

飛来する鳥類の数や種類の多さでは、西アフリカ最大規模を誇るという世界遺産「バンダルガン国立公園」。年間700万羽を超えるという鳥類も見どころですが、海洋生物にもぜひ注目してみてくださいね。
絶滅危惧種に指定されているアカウミガメやアオウミガメ、チチュウカイモンクアザラシといった希少動物のほか、運が良ければ絶滅寸前のオサガメにも会えるかもしれませんよ!

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