イギリスのあるグレートブリテン島とアイルランド島の間に浮かぶ小さな島「マン島」。位置から考えてイギリスの一部だと思っている人も多いのですが実は、マン島はイギリス連邦に属してはいないのです。それでいて独立国でもないという少し不思議な場所、マン島の治安をチェックしてみましょう。
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イギリスでもなければ独立国でもない、不思議なマン島の治安は旅行にも最適
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1.マン島ってどんなところ？
マン島はイギリス連邦のブリテン島とアイルランド島との間のアイリッシュ海に浮かぶ島です。大きさは淡路島くらいで、そこに8万人ほどの人たちが住んでいます。気候風土はブリテン島の北側、スコットランドとだいたい同じ。あまり豊穣とはいえない土壌に、一年中あまり天気が良いとはいえない天候が特徴。一日のうちに四季があるといわれるほど、天気が変わりやすいことでも知られています。
のどかな田舎の雰囲気で治安もそのイメージ通り良く、旅行者も危険を感じることは少ないところです。またマン島で最も有名なのは島全体を上げてのバイクレース。観光も大事な産業になっているので、治安の維持も重視されています。
2.マン島が今のようになったのは？
マン島に人が住み始めたのは旧石器時代で、生活の痕跡も見つかっています。そして、北ヨーロッパに広がったケルト人がマン島にも定住しました。その後、ノルウェー人、スコットランド人、イングランド人の支配を代わる代わる受けましたが、マン島の領主がいなくなることはなく、長く治安が乱れた時期は多くありませんでした。今でも民族や言語的なルーツはケルト人にあると言われています。
現在のマン島はイギリス連邦の一部でもなく、といって国でもない独特の形となっています。「自治権を持ったイギリス王室の属領」とされています。支配や抑圧という雰囲気はなく、治安も良く維持されています。
3.マン島の治安はどう保たれている？
かつてはマン島にも独自の軍隊がありました。マンクス連隊と呼ばれたその軍隊は第二次世界大戦後に解散され、現在ではマン島独自の軍隊はありません。ただ、国内的には、マン島保安隊と呼ばれる治安維持部隊が置かれています。また、マン島は外交と軍事についてはイングランドに委ねると法律で定められています。つまり、マン島は国内の治安は自ら、対外的な治安はイギリスが維持しているといえます。
地理的にもブリテン島とアイルランド島に囲まれたような場所で、対外的に重要な軍事的要素もありません。今後大きく治安が乱れるようなことは考えにくいといえるでしょう。
4.マン島には独立運動はないの？
イギリス連邦といえば、北アイルランドは常に独立運動がある地域です。またスコットランドが住民投票によりイギリス連邦を離脱する寸前まで至ったのは記憶に新しいところです。特に北アイルランドの独立派は軍事的な力を使ってでも目的を達成しようと、しばしば治安に悪い影響すら与える事態となっていました。
しかしマン島では特にそのような危険はないようです。軍事や外交についてはイギリスに委託している状態ですし、経済的にも大きく依存しています。政治的には独自性を保てていることもあり、マン島では治安が悪化するような独立運動は当面心配しないで良さそうです。
5.マン島にテロの危険はないの？
今ヨーロッパの治安を大きく脅かしているものに、テロの脅威があります。中でもイスラム原理主義過激派によるテロが、ヨーロッパでも散発的に発生しています。マン島のすぐ隣のイギリスでも、常にテロの危険性を考えなければならない状態で、旅行者にも他人事ではありません。
ただマン島はイギリスの属領であり、位置的にも文化経済的にもブリテン島の中の田舎という雰囲気です。そのためロンドンなどの都市とは異なりマン島内でテロを計画するだけの理由が乏しく、治安への影響はないといえるでしょう。のどかな田舎の平安を楽しめるスポットですね。
6.マン島に旅行に行く時に注意することは？
マン島は観光の街でもあります。気候風土にはあまり恵まれてはいませんが、いくつかの観光資源があり治安も良いので、多くの観光客が訪れるのです。
マン島で最も有名なのが、1907年から続く島を一周するバイクレースです。毎年5月最終週から6月第1週にかけて開催され、その時期には島は観光客であふれます。治安面では特に心配はありませんが、島の宿泊施設などは飽和状態になりますので注意してください。
またバイクレースの本場を走ろうと、多くの人たちがバイクで島内を旅行します。その際は島の名物のビールの誘惑には負けず、運転中は我慢してください。
◎まとめ
いかがでしたか？ マン島の様子が多少はイメージできたでしょうか。政治的にはちょっと不思議なところもありますが、治安や衛生状態には不安はとくにありませんので、旅行先としても最適ですよ。イングランドには行ったことがあるという人にも、治安や旅行者にとってのインフラが整っているマン島は、スコットランドやアイルランドとともに、少し足を伸ばしてみるのにおすすめのところです。
