名称:カフジ-ビエガ国立公園(Kahuzi-Biega National Park)
住所:Democratic Republic of the Congo
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/137
アフリカ中部のコンゴ民主共和国には、固有種のゴリラや珍しい動物と出会える国立公園があります。アフリカを訪れて、勇ましいゴリラの姿を見たいと願っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コンゴ民主共和国の東部に位置する広大な「カフジ-ビエガ国立公園」には、固有種のヒガシローランドゴリラが生息しています。ヒガシローランドゴリラはワシントン条約で絶滅危惧種に指定されていて、日本では目にすることができない動物のひとつ。ここでは、そんな動物たちが暮らしている世界遺産、コンゴ民主共和国のキヴ州にあるカフジ-ビエガ国立公園をご紹介します。
目次
ヒガシローランドゴリラが棲む世界遺産「カフジ-ビエガ国立公園」
カフジ-ビエガ国立公園とは?
コンゴ民主共和国の東部、ルワンダとの国境に近いカフジ-ビエガ国立公園には、雄大な森林地帯が広がっています。「カフジ-ビエガ国立公園」という名前の由来は、標高3308mのカフジ山と標高2790mのビエガ山。国立公園内には広大なジャングル、竹林、サバンナ、湿原などがあり、豊かな自然に恵まれた環境は、動物たちの過ごしやすい場所となっています。
海抜約2000m~2500mあたりには、固有種で希少なヒガシローランドゴリラが生息しています。このヒガシローランドゴリラを守るため、1970年に一帯を「カフジ-ビエガ国立公園」に指定。1975年には国立公園の範囲を拡大しています。さらに、1980年には自然遺産として、ユネスコが世界遺産に登録。カフジ-ビエガ国立公園は、貴重な固有種のヒガシローランドゴリラや、固有種を含む多種多様な動物たちと出会える世界遺産なのです。
カフジ-ビエガ国立公園へのアクセス
日本からコンゴ民主共和国への直行便はありません。ドバイやパリなどを経由し、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにあるヌジリ国際空港へ向かいます。ヌジリ国際空港から、カフジ-ビエガ国立公園の最寄りであるゴマ国際空港(Aéroport de Goma)まで飛行機で移動すると便利でしょう。
※2018年4月現在、カフジ-ビエガ国立公園やゴマ国際空港を含むコンゴ民主共和国北東部は、外務省の海外安全情報の危険度が「レベル4:退避勧告」です。反政府勢力による非人道的行為の発生など依然予断を許さない状況が続いているため、目的を問わず渡航が禁止されています。
カフジ-ビエガ国立公園のおすすめポイント①:ヒガシローランドゴリラ
コンゴ民主共和国の世界遺産カフジ-ビエガ国立公園で一番のおすすめポイントは、「ヒガシローランドゴリラ」です。ヒガシローランドゴリラは、コンゴ民主共和国東部の高地にしか生息しないという固有種。日本の動物園でも見ることができない、大変希少なゴリラです。
しかし今も、ヒガシローランドゴリラは危機にさらされています。内戦で仕掛けられた罠による負傷や死亡、観光地化されたことによって人間の病気にかかり死亡するケースなどが見られるのです。カフジ-ビエガ国立公園の環境は悪化の一途をたどっており、危機遺産リストにも登録されています。
カフジ-ビエガ国立公園のおすすめポイント②:多種の動物たち
カフジ-ビエガ国立公園では、前述のヒガシローランドゴリラのみならず、多種の希少な動物たちも生息。ライオンやヒョウ、アフリカゾウ、チンパンジー、ジャコウネコなど貴重で魅力的な動物たちが暮らしている自然あふれる国立公園です。
◎まとめ
コンゴ民主共和国キヴ州にあるカフジ-ビエガ国立公園は、自然豊かな世界遺産。そして、その自然の中で暮らす動物たちは実に魅力的です。なかでも、そこでしか見られないヒガシローランドゴリラの姿は、ぜひ実際に自分の目で見てみたいもの。
日本ではコンゴ民主共和国への渡航は禁止されていますが、世界で見ると、ヒガシローランドゴリラを目的とした観光ツアーは現在も実施されています。しかし、ゴリラをはじめ動物たちの生態系を壊さないようにすることは、絶対に守らなければならない私たち人間の義務。自然遺産の国立公園やゴリラたち生物多様性の保全を祈りつつ、私たちもカフジ-ビエガ国立公園へ、旅行で訪れることができる日を期待したいですね。