砂漠のなかのエメラルド色の湖!チャドの世界遺産ウニアンガ湖沼群

画像出典:David Stanley

砂漠のなかのエメラルド色の湖!チャドの世界遺産ウニアンガ湖沼群

チャドはアフリカ北部、サハラ砂漠の南側に位置する国。海をもたない内陸国で、首都ンジャメナの近くには4か国にまたがるチャド湖があります。ウニアンガ湖沼群はチャドの初の世界遺産で、北東部の砂漠地帯にあります。古代には1つの大きな湖だったそうですが、今は18の大小さまざまな湖に分かれています。

世界遺産ウニアンガ湖沼群は、塩分がとても濃い湖から、オアシスのような湖までさまざま。辺境の地にあるため人があまり訪れず、手つかずの自然が残るアフリカの絶景ともいわれているのです。そんな美しい世界遺産ウニアンガ湖沼群についてご紹介したいと思います。

目次

砂漠のなかのエメラルド色の湖!チャドの世界遺産ウニアンガ湖沼群

目次を閉じる

ウニアンガ湖沼群とは

ウニアンガ湖沼群は、2012年に登録されたチャドで初めての世界遺産。年間降水量が2mm以下という乾燥しきった大地でありながら、大小18の湖は涸れることはありません。地下には数千年間にわたって蓄えられてきた帯水層があり、常に湖に水を供給しています。また湖同士を分けているのは砂なので、容易に水の移動が起こり、適度な水位が保たれています。それでも世界遺産ウニアンガの湖群は、大きさや深さ、成分組成、色彩など、それぞれが異なる特徴をもっているんですよ。

18の湖は、「大ウニアンガ」という意味のウニアンガ・ケビル群と、「小ウニアンガ」という意味のウニアンガ・セリル群の2つに分けられます。5,500年ほど前までは1つの湖だったと考えられていますが、長年の乾燥の結果、砂丘に区切られた独特の形状の湖沼群が形成されました。

ウニアンガ湖沼群へのアクセス

世界遺産ウニアンガ湖沼群の湖畔には村があるものの、公共交通機関は通っていません。最寄りの都市ファヤ・ラルジョーまででも150km以上あるので、ツアーなどに参加するのがおすすめです。

首都ンジャメナからのツアーは、最低で4日くらい必要です。四輪駆動で砂漠を進むこのツアーは、途中途中の観光スポットに立ち寄り、砂漠の広大な風景を楽しむことができます。

日本からンジャメナまでの直行便はないので、アジスアベバやパリなどを経由することになります。

ウニアンガ湖沼群のおすすめポイント① : ウニアンガ・ケビル群

出典: David Stanley

世界遺産ウニアンガ湖沼群のうち西側のウニアンガ・ケビル群は、ヨアン湖・ユマ湖・ミオジ湖 ・フォロドヌ湖の4つから成っています。塩分濃度が高く、藻や微生物しか生息していないのが特徴。湖岸の岩は塩に覆われていて白く、近くの丘と砂丘の間には、9千人ほどが住む村があります。

ウニアンガ・ケビル群最大のヨアン湖は、濃い青色の湖面が印象的。湖岸の村を訪ねながら湖に目を向けると、水面と茶色い砂漠、そして白い塩の層のコントラストがなんともいえず綺麗ですよ。

ウニアンガ湖沼群のおすすめポイント② : ウニアンガ・セリル群

東側のウニアンガ・セリル群の方は、最大のテリ湖をはじめ14もの湖で構成されています。セリル群の湖は葦類が水面の半分程を覆い、水の蒸発を防いでいるため真水に近く、水生動物や魚類も住んでいます。

相互に関連しあう湖の仕組みは、肉眼で視認することはできないものの、湖の風景を維持するのに決定的な役割を果たしています。静かに波打つ水面を眺めながら、その下で脈々と続いている自然の営みに、思いを致してみましょう。

ウニアンガ湖沼群の注意事項

チャドの首都ンジャメナ近郊は比較的気候が穏やかですが、砂漠は気温がとても高くなります。チャドの中央部では季節が3つに分かれていて、3~7月が最も暑く、7~10月は雨季、11~2月は涼しくなります。乾燥した砂漠と異なり、これらの地域の年間降水量は250~750mmとなります。チャドのベストシーズンは気温が下がる10月~2月。

チャドには定期の国内線や長距離バスはありません。国内の移動は乗り合いバスやトラックを利用して旅をすることになります。また、チャドの道路はほとんど舗装されていないため、雨期になると走行不能となることもしばしばです。

◎まとめ

世界遺産ウニアンガ湖沼群はアクセスが不便なため、観光客は年間で500人ほどだとか。首都ンジャメナから四輪駆動で行くツアーが出ているようです。

近年、チャドやその周辺国ではボコ・ハラムなどのイスラム過激派組織の活動が活発になっています。そのため、2018年現在で外務省の海外危険情報レベル3(渡航中止勧告)が出されています。残念ながら観光目的でチャドを訪れることはできない状況が続いています。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

チャドでおすすめの記事

チャドのアクセスランキング