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西アフリカ西岸のガンビア川沿いに伸びる細長い国ガンビア。周囲をセネガルにすっぽり囲まれた独特の形をしていて、公用語は英語です。国内には2件の世界文化遺産があり、近年では観光業にも力を入れています。
ガンビアでは2016年に大統領選挙が行われ、1994年のクーデターから22年続いたヤヒヤ・ジャメ大統領の長期政権に終止符が打たれました。ジャメ元大統領は翌年に赤道ギニアに亡命し、政権移譲はスムーズとはいえないものでした。そのため、アダマ・バロウ新大統領の下で政治や治安の安定化を実現できるかが、ガンビアの今後の焦点となっています。
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長期政権が終焉したばかりのガンビア。政治情勢と治安の安定は進行形の課題
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スリ、ひったくりに注意
ガンビアの首都バンジュールは、アフリカでも比較的治安の良い都市といわれています。ただ、バンジュール自体は人口3万人程度の小さな街ですが、郊外の都市圏を含めると40万人近くになり、近年は軽犯罪が増加傾向にあります。とくに国民の80~90%がイスラム教徒のガンビアでは、イスラム教の主要行事である犠牲祭の期間中、準備に必要な金銭をめぐって盗難事件が発生しやすいともいわれています。
貴重品は肌に身につけ、1か所にまとめず分散させることにより、盗難被害を最小限に抑えるよう工夫しましょう。できるだけ人混みは避け、現金など金目の物を不用意に出したりしないように気を付けてください。
政治情勢をめぐる治安状況
ガンビアでは2016年の大統領選挙によって5選を目指したジャメ元大統領が敗れ、アダマ・バロウ新政権が誕生しました。しかし、ジャメ元大統領は退任を拒否してバンジュールに軍隊を配備したため政治的緊張が続き、一時は外務省による渡航中止勧告も発令されました。
翌2017年に周辺諸国の説得と軍事介入を受けてジャメ元大統領が赤道ギニアに亡命したため、政権移譲は一応の遂行をみました。バロウ新大統領はジャメ政権下でつくられた強権的な制度の改革推進を掲げていますが、新政権がどのように推移していくのかは不透明です。政情が不安定化すれば治安にも直接影響するので、ガンビアを訪れる際は常に最新の情報を得るように心がけてください。
危険地域に注意
ガンビアは三方をセネガルに囲まれた小さな国です。隣国セネガルにはカザマンス民主勢力運動(MFDC)と称する反政府勢力があり、ガンビア南部のセネガル国境付近にはその活動拠点が構えられているといわれています。
MFDCはセネガルに対する反政府勢力ですが、国境付近では銃撃戦やそれに便乗した強盗団等による襲撃事件、地雷による死傷者も発生しています。ガンビア側だからといって油断はできないので、該当する地域周辺には近づかないようにしてください。
夜間の移動は注意が必要
ガンビアの首都バンジュール周辺やガンビア川下流までの幹線道路は舗装されていますが、それ以外は道路状況が悪いこともあり、夜間の移動は避けましょう。比較的治安が良いといわれる場所であっても、夜間は犯罪発生率が高くなります。
ガンビアに限りませんが、治安の良し悪しに関係なく、必要のない夜間の出歩きは控えてください。ただでさえ外国人というだけで目立つ存在です。少しでも異変を感じるようなことがあったら、直ちにその場から離れるなどすることも必要です。日本とガンビアは治安状況が異なることを頭に入れ、当たり前の治安対策は忘れないようにしましょう。
黄熱、マラリアなどの感染症に注意
治安とは直接関係はありませんが、感染症にも注意が必要です。ガンビアはWHOにより黄熱病に感染する危険のある国に指定されています。蚊に刺されないようにするのが1番の対策ですが、渡航の前には黄熱ワクチンの予防接種が有効です。場合によっては入国に際して国際予防接種証明書(イエローカード)の提出を求められることもあるので、必ず接種してください。
また、ガンビアではマラリアに感染するリスクもあります。マラリアも蚊が媒介する感染症なので、虫除けスプレーなどを使用し、肌の露出を避けた服装を心がけましょう。
さらに水道水や火を通していない食事などにも注意が必要です。生水は絶対に飲まず、市販されている安全なミネラルウォーターを購入してください。ガンビアは治安面だけでなく、医療水準にも不安要素が多いことから注意が必要です。事前に専門医に相談したり、医療機関の有無を確認することも重要です。
◎まとめ
ガンビアの治安や注意事項をご紹介しました。アフリカ諸国のなかでは比較的問題の少ない国といえますが、それでも政権移譲にともなう不安定要素や隣国との関係など、治安上の不安を拭い去るには至っていないのが現状です。
ガンビアを訪れる際には最新の治安情報を入手し、安全な旅になるよう心がけてください。