名称:Fray Bentos Cultural-Industrial Landscape
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1464
ウルグアイの西部には、食肉加工工場として技術の発展や国際的な結びつきに貢献した施設群があることをご存知でしょうか?2015年に「フライ・ベントスの産業景観」として世界遺産に登録されたその施設群は、美しくも情緒あふれる景観や、当時の技術や作業、機械などを見学することができる博物館など、様々な見所が揃っており観光客を魅了していますよ!さらに「フライ・ベントスの産業景観」は食肉をヨーロッパなどへ輸出したり、55ヵ国からの移民労働者を受け入れるなどの国際的な結びつきも評価されています。今回はそんな魅力が詰まったウルグアイの世界遺産、「フライ・ベントスの産業景観」についてご紹介いたします。
目次
食肉加工工場として世界遺産に登録されたウルグアイのフライ・ベントスの産業景観
フライ・ベントスの産業景観とは?
南米ウルグアイの西部にあるリオ・ネグロ県に位置する「フライ・ベントスの産業景観」は、1859年に創設された食肉加工工場を中心に発展した産業建築物群で構成された地域で、2015年にウルグアイで2つ目の世界遺産にも登録された観光スポットとなっています。世界遺産に登録された要因として、ウルグアイ川に面したロケーションが産業と密接に結びついていることや、食肉の輸出や合計55ヵ国からの移民労働者を受け入れていたといった国際的な結びつきが高く評価されたことが挙げられます。
元々1858年にリカルド・ヒューズがラウレーレス川とフライ・ベントス川の間にある土地で肉の塩漬け工場の建設に着手したことが始まりとなっています。しかし当時はヨーロッパへ肉の輸送を可能にする長期保存技術が確立していなかったため、肉の塩漬け産業は20世紀の終わりに廃れてしまったという歴史を持っているのです。その後有機化学の父といわれるドイツ人科学者のユストゥス・ボン・リービッヒが肉エキスを開発したことにより、それらを生産してヨーロッパへ輸出するようになりました。主にコンビーフのようなそれらの商品は「フライ・ベントス」という商標で世界中に販売されたことで一躍有名となったのです。この工場は1979年に閉鎖し1989年に国の歴史的建造物に定められ、2015年に世界遺産に登録されました。なおこの工場は現在も小規模企業が稼働させています。
フライ・ベントスの産業景観へのアクセス
「フライ・ベントスの産業景観」はウルグアイの西部にあるリオ・ネグロ県に位置し、アルゼンチンとの国境であるウルグアイ川沿いにある観光スポットです。ウルグアイの首都であり、さらには国内最大級の空港であるカラスコ空港があるモンテビデオからは約300㎞離れていますので、バスや車で移動することをおすすめしますよ!移動時間は約4時間弱となっています。また「フライ・ベントスの産業景観」の近郊の都市としてメルセデスが車で約30分ほどの場所に位置していますので、宿泊を伴う観光で訪れる場合はメルセデスでホテルを予約してみてはいかがでしょうか?
フライ・ベントスの産業景観のおすすめポイント①:博物館
「フライ・ベントスの産業景観」の魅力の一つとして、1979年まで稼働していた工場が挙げられます。1924年にリービッヒ肉エキス会社からアングロ食肉加工工場に改名したこの工場では、その名の通り牛や羊、鶏を屠殺しており、3500人以上の従業員が買い付けから加工・梱包・配送までのすべてのプロセスを行っていた超大規模工場でした。現在でも工場の一部は小規模企業が使用しておりリオ・ネグロ県の工業団地として稼働している一方で、一部は博物館となっていますので是非見学してみてはいかがでしょうか?当時どのような技術を持っており、どのような道具や機械を使用して、どのような作業をしていたかを展示物を見たり触れたりすることによって、より詳しく知ることができますのでおすすめですよ!是非ウルグアイに観光に訪れた際は、「フライ・ベントスの産業景観」の博物館に足を運び、大規模工場として高度な技術の発展に貢献し、さらにはあらゆる国々の移民労働者を受け入れるなどの国際的な結びつきが評価された当時の食肉加工工場を、直接肌で感じてみてはいかがでしょうか?
フライ・ベントスの産業景観のおすすめポイント②:景観
世界遺産として登録された名称の中に「景観」という言葉が入っていることからも分かる通り、「フライ・ベントスの産業景観」は美しくも歴史的な雰囲気を感じる景観が魅力の一つで、訪れた観光客を魅了していますよ!目の前にあるアルゼンチンとの国境であるウルグアイ川を一望することができ、さらには伝統的なたたずまいの工場や住居などの施設群は情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。是非「フライ・ベントスの産業景観」に足を運んだ際は、当時の技術や作業などを直接肌で感じることができる博物館だけでなく、目の前に広がるウルグアイ川を含めた景観もあわせて堪能してみてはいかがでしょうか?
◎まとめ
ウルグアイの世界遺産、「フライ・ベントスの産業景観」についてご紹介いたしました。食肉の輸出や移民労働者の受け入れなどグローバルな働きを続けたこの世界遺産には、様々な魅力が詰まっていますよ!是非ウルグアイに観光に訪れた際は、「フライ・ベントスの産業景観」に足を運んでみてはいかがでしょうか?