ガンダーラの栄光!パキスタン世界遺産タフテ・バヒーとサハリ・バハロール

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ガンダーラの栄光!パキスタン世界遺産タフテ・バヒーとサハリ・バハロール

日本人の耳にはなじみ深いガンダーラ。ロックバンド「ゴダイゴ」の同名の曲に「They say it was in India」とありますが、実際には現在のパキスタンからアフガニスタンにかけての地域に存在していました。パキスタン北西部のカイバル・パクトゥンクワ州には、ガンダーラ美術の象徴として建設された仏教寺院と当時の都市遺構があります。

ガンダーラ美術はインド仏教のみならず、ギリシャやペルシャの意匠も取り入れた複合的な美術様式として知られています。ガンダーラ王国の最盛期には、パキスタン地域の各所に寺院やストゥーパと呼ばれる仏塔が建設されました。それらの遺跡群のなかでもとくに学術的な価値の高い「タフテ・バヒーの仏教遺跡群とサハリ・バハロールの近隣都市遺跡群」は、1980年に世界遺産に登録されました。

目次

ガンダーラの栄光!パキスタン世界遺産タフテ・バヒーとサハリ・バハロール

タフテ・バヒーの仏教遺跡群とサハリ・バハロールの近隣都市遺跡群とは?

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紀元前6世紀のアケメネス朝ペルシャ王ダレイオス1世の事績を記したペルセポリスの碑文に登場するのが、ガンダーラの歴史の始まりとされています。紀元前4世紀末にはインドのマウリヤ朝が、次いで紀元前3世紀にはグレコ・バクトリア王国がガンダーラを支配します。このギリシャ人の王朝は紀元前1世紀まで続き、西洋と東洋の融合したガンダーラ美術の基礎は、このときに醸成されました。

ギリシャ人を駆逐したパルティア人の王国も、紀元後75年ごろにイラン系のクシャーナ朝に敗れます。このクシャーナ朝の名君とされるカニシカ1世が2世紀半ばに建造したのが、世界遺産の僧院タフテ・バヒーです。タフテ・バヒーから5kmほど離れたところにある城塞都市サハリ・バハロールは、もとは僧侶や巡礼者の住居や宿場として建設されたと考えられています。

タフティ・バヒーとサライ・バロールは5世紀に遊牧民族エフタルに攻撃されますが、堅固な地形と強固な城壁で撃退に成功しています。しかし、7世紀以降は仏教に代わりイスラム教やヒンドゥー教の勢力がガンダーラを征服し、仏教施設は打ち捨てられてしまいました。13世紀にはモンゴル帝国の侵攻によってサハリ・バハロールも破壊され、以後再建されることはなかったとみられています。

タフテ・バヒーとサハリ・バハロールへのアクセス

世界遺産のタフテ・バヒーとサハリ・バハロールは、カイバル・パクトゥンクワ州第2の都市マルダーンの北西約15kmほどのところにあります。マルダーンはパキスタンの首都イスラマバードから約80kmなので、長距離バスを利用すると良いでしょう。

タフテ・バヒーとサハリ・バハロールは、お互いに5kmほど離れています。鉄道でも行けますが、効率よく観光するなら地元のツアーに参加するかタクシーを使うのが便利です。

タフテ・バヒーとサハリ・バハロールのおすすめポイント

1. タフテ・バヒー仏教寺院

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独立した山の上に建つタフテ・バヒーは、2世紀中葉にクシャーナ朝のカニシカ王が造営した仏教の寺院および僧院です。タフテとは「玉座」、バヒーとは「泉水」を意味し、眼下に幾筋もの川が流れる肥沃なガンダーラ平野を望めることから、その名がついたといわれています。

ほぼ正方形の敷地は、南から北に向かってなだらかに下っています。南側の高台に、メインのストゥーパ(仏塔)があります。建物の上部は失われていますが、基部だけを見てもかなり規模の大きな建造物だったことが分かります。メイン・ストゥーパから北に向かうと、参詣者が奉納した35基のストゥーパ(卒塔婆)が現存するストゥーパの中庭に出ます。中庭の周囲には僧院の遺構が、西側には瞑想用とされる地下室のあるテラスも見ることができますよ。

また、現在残っている基壇部分から、タフテ・バヒーの堂宇には古代ギリシャのコリント様式に似た円柱が用いられていたと考えられています。東西芸術の和合したガンダーラならではの建築様式を見て取ることもできて、たいへん興味深い世界遺産といえるでしょう。

2. サハリ・バハロールの近隣都市遺跡群

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タフテ・バヒーから線路と水路を挟んだ南側に、サハリ・バハロールの街があります。もともとは僧侶たちの住まいや倉庫、さらには巡礼者の宿場として建設されましたが、いつしか堅固な城壁に囲まれた城塞都市となりました。

現在は集落の角に城壁の一部を残すのみですが、かつてはここがガンダーラの文化と信仰の中心の1つだったと思うと、世界遺産へやってきたという感慨も湧いてくるでしょう。当時は2階建てだったと考えられている街の建物の土台もところどころに見られるので、探しながら世界遺産の集落を散策してみてください。

◎まとめ

アフガニスタン国境に近いカイバル・パクトゥンクワ州には、2018年現在外務省の海外危険情報レベル4が出されています。いかなる理由であっても、この地域への渡航はできません。

日本人だけでなく世界中の人々を魅了してきたガンダーラ美術の中心地の1つであるタフテ・バヒーとサハリ・バハロール。この貴重な世界遺産を再び自由に観光できる日が来ると期待したいですね。

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