ルーマニアとウクライナに挟まれた東欧の小国モルドバ。旧ソ連圏の内陸国ですが、ヨーロッパの最貧国の1つといわれています。国内ではルーマニア語やロシア語などが使われているなど、近隣の国の影響を色濃く受けています。
そんなモルドバの治安は、貧しい国であるがゆえに良いとはいえません。また、ウクライナとの国境地帯である沿ドニエストルは事実上の独立状態となっていて、対立が続いている不安定な地域です。
そんなモルドバを旅する際に注意すべき、治安の情報や対策についてご紹介します。
目次
スリ防止のため派手な服装は厳禁!ヨーロッパ最貧国モルドバの治安
路上では強盗、スリに注意しよう
モルドバは世界的にみれば治安の良い国ですが、他のヨーロッパ諸国と同様に警戒する意識をもちましょう。
公共交通機関内ではスリが発生しやすいので、ポケットにスマートフォンや財布を入れるのはやめて、カバンを抱えるように持つのがポイントです。また、歩きスマホや歩きながらの通話も、スマートフォンをひったくられる原因となります。夜間の一人歩きは避け、路地裏など治安の悪そうな人通りの少ない道は、日中でも行かないほうが無難です。
さらに、モルドバの都市部などにはニセ警官がいることがあり、部屋を訪ねてきたり路上で声をかけられることがあります。制服を着ているからといって安心せず、パスポートなどを手渡したりしないようにし、相手の身分証の提示を求め控えておきましょう。
危険レベル1のトランスニストリア地域に注意しよう
モルドバの東部、ウクライナとの国境沿いにあるトランスニストリア地域には、通称「沿ドニエストル共和国」と呼ばれる独立勢力があります。モルドバ政府の支配が及んでいない地域で、外務省より危険レベル1の十分注意の勧告が出ています。この地域を通ってモルドバとウクライナ間を陸路で移動する際、モルドバの入国スタンプが押されないため、出入に際して国境警備や税関、鉄道職員等から不当な要求を受けるケースが確認されています。さらに、この地域が密輸の巣窟となっている可能性があり、治安の悪化も懸念されています。
通関時などにトラブルが発生する危険性が高いので、ウクライナ・モルドバ間を陸路で移動する際は、遠回りでもこの地域を避けて移動するようにしましょう。比較的治安の良いモルドバの中ではとくに注意すべき地域なので、不用意に近づかないのが賢明です。
海外保険に入っておこう
モルドバに限らず、病気や事故等のトラブルに備え海外に行く際には海外旅行保険に入っておくことをお勧めします。海外で日本人観光客が窃盗や盗難の被害にあう件数は少なくありません。治安の良い日本にいては実感がわかないかもしれませんが、被害にあった際に助けになるのが保険です。
海外旅行保険に加入していないと、病気やケガにより多額の治療費を負担したり、盗難被害などにより多額の損害を被ることになります。安心の保障と考え、モルドバへの渡航前にはしっかり保険に入っておくようにしましょう。また、クレジットカードについている場合もあるので、確認してみると良いですよ。
服装や持ち物に気をつけよう
モルドバでは、一般的に日本人はスリや強盗のターゲットにされやすいので、目立つような派手な服装や高級な時計、アクセサリー、ブランド物のカバンなどを持つのはやめましょう。とくに治安の悪い地域や夜間などでは注意が必要です。
また、貴重品は分散して携帯し、強盗にあっても金品すべてを取られないよう工夫が必要です。カバンは斜めがけでチャック付きのものを、自分の前で抱えるようにもつと安心ですよ。不必要な枚数のクレジットカードや大金は、持ち歩かない方が良いでしょう。
モルドバの治安は悪くはありませんが、貧しい人が多いことを認識しておくことが重要です。
◎まとめ
モルドバの治安について注意すべきことと、その対策についてご紹介しました。日本ではあまり知られていないので、まだまだ日本人観光客が少ない国です。隣国のルーマニアやウクライナなどと合わせて旅行することもあるかもしれませんが、ウクライナからの陸路での移動にはくれぐれも注意しましょう。
その他の観光については、ヨーロッパ他国と同様にスリなどに警戒してください。治安対策をしっかりして、モルドバを楽しく旅行しましょう。