名称:University of Tartu
住所:Ülikooli 18, 50090 Tartu
公式・関連サイトURL:http://www.ut.ee/en
エストニアで第二の都市タルトゥは、首都タリンの南東180kmほどの内陸にある学問と文化の中心地です。首都のタリンからはバスや電車で2~3時間ほど、バスは1時間に数本出ているので、日帰りでの観光も可能です。
エストニア最古の学府タルトゥ大学を擁し、隣国ラトビアの首都リガへの中継地点にもなります。観光の中心は、旧市街および新市街と、トーメの丘と呼ばれる地区に点在。タリンとはまた違った雰囲気を楽しめるので、エストニアをしっかり味わう観光をしたい方におすすめの町ですよ。
目次
歴史あるエストニアの学問の都タルトゥでおすすめの観光スポット12選!
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1. タルトゥ大学
タルトゥの象徴ともいえるタルトゥ大学。エストニア中から優秀な人材が集まる、エストニア最古の大学で、タルトゥが学問・文化の中心都市とされる所以です。敷地内には美術館と博物館が併設され、タルトゥの重要な観光スポットになっています。美術館は大学のメインビルディング内にあり、常時展示物としてはギリシャ彫刻が有名です。
博物館は、キャンパスの西にあるトーメの丘の大聖堂跡を利用して建てられています。遺跡のようになっている大聖堂も観光の見どころなので、合わせて訪ねてみると良いでしょう。
また、キャンパス内の旧天文台は、10か国にまたがるユネスコの世界遺産「シュトルーヴェの測地弧」の1つに含まれています。タルトゥ大学周辺にはタルトゥの観光スポットが複数集まっているので、まずはここを目指すと便利ですよ。
2. タルトゥ旧天文台
タルトゥ大学の南側の丘の上に建つタルトゥ天文台は、観光客向けに定期的にイベントを開催しているほか、プラネタリウムも併設されています。
また、タルトゥ天文台にはユニークな世界遺産の1つ「シュトルーヴェの測地弧」があります。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナの10か国にまたがる珍しい観光名所で、総延長は2800kmにわたり、タルトゥの旧天文台は現存する建物が測量地点として登録されています。
エストニア国内の世界遺産は、首都タリンの歴史地区とこの「シュトルーヴェの測地弧」の2つだけなので、世界遺産観光が好きな人はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
名称:Old Observatory
住所:Lossi 40, 51003 Tartu
公式・関連サイトURL:http://www.tahetorn.ut.ee/en
3. タルトゥ大聖堂跡
トーメの丘の頂上に建てられたタルトゥ大聖堂は、13世紀から2世紀をかけてゴシック様式の教会として建築されましたが、16世紀の宗教改革で破壊され、現在のような廃墟となりました。現在は一部が改修され、タルトゥ大学の博物館として観光客を集めています。
館内では、タルトゥ大学の歴史についての常設展示や特別展もあり、ミュージアムショップも併設されています。また、大聖堂の塔跡には登ることができ、タルトゥ市街を望む展望台となっています。タルトゥ駅から旧市街中心部へ向かう途中にあるので、観光にも便利な立地にありますよ。
名称:Tartu Cathedral
住所:Lossi 25, 51003 Tartu
公式・関連サイトURL:http://www.muuseum.ut.ee/en
4. 天使の橋、悪魔の橋
トーメの丘には2つの橋がかかっています。どちらもタルトゥを代表する観光スポットで、1つは天使の橋、もう1つは悪魔の橋と呼ばれています。天使の橋は1838年に作られ、当時のタルトゥ大学の学長G・F・パロットに捧げられました。この橋のエストニア語の名前を英語に訳すと「イングリッシュ・ブリッジ」。この橋の作りはイギリス様式で作られていることからこの名前になったようですが、ここから転じて「エンジェルス・ブリッジ」の呼び名が生まれたと考えられています。
そして、天使の橋と対を成すのが悪魔の橋。こちらは1913年に架けられた、当時としては珍しいコンクリート様式です。ロシアのロマノフ朝成立300年を記念して作られました。1917年のロシア革命でエストニアが独立する数年前のことです。
名称:Inglisild / Kuradisild
住所:Lossi 15, 51003 Tartu / Lossi tänav 19, Tartu
公式・関連サイトURL:https://www.visitestonia.com/en/devils-bridge-in-tartu
5. タルトゥ大学植物園
タルトゥ旧市街の北端にあるタルトゥ大学植物園。屋外庭園と室内庭園に分かれていて、屋外は無料で散策できます。屋外庭園内には、彫像もいくつか設置されていますよ。バラ園や山岳植物、エストニアの植物など世界中の植物を観賞することができ、観光客や市民の憩いの場となっています。
今では約1万種類もの植物が植えられていて、エストニアで最も栽培している種類の多い植物園です。温室では熱帯や亜熱帯の植物が一年中見られるほか、アメリカからやってきたヤシの木なども植えられていますよ。
名称:Botanical Garden of the University of Tartu
住所:Lai 38, 51005 Tartu
公式・関連サイトURL:http://www.botaanikaaed.ut.ee/en
6. エストニア国立博物館
エストニア国立博物館は、タルトゥ郊外に2016年10月1日にオープンした、スカンジナビアで最も新しいミュージアムです。ソビエト時代に空軍基地として使われていた敷地の一画に建てられているため、観光エリアからは少し離れた場所にありますが、そのぶん広さは3万4000平方メートルもあり、バルトで最大の広さを誇ります。また、350mのガラス張りでできている外観も、とても近代的で一見の価値ありですよ
この博物館では、エストニアの歴史や文化を石器時代から現在にかけて紹介しています。タルトゥの新しい観光スポットとして、これからますます注目を集めるものと期待されます。
名称:Estonian National Museum
住所:Muuseumi tee 2, 60532 Tartu
公式・関連サイトURL:http://www.erm.ee/en
7. サイエンスセンターAHHAA
プラネタリウムや4Dシアターなど、インタラクティブなアトラクションが充実した子供連れの観光客も楽しめる施設。バルトで最も大きく最新の科学館です。タルトゥのバスターミナルから近いので、バスで到着後すぐに行けるのも魅力。
シアターでは、1日に何度も様々な種類のプログラムが上映されていて、入場料とは別に料金がかかりますが、複数作品を見ると割引が適用されるようになっています。また、フライトシミュレーターやプラネタリウムも別料金が必要ですが(プラネタリウムのみの入場も可)、ファミリーチケットやセットチケットなど割引チケットもあるので、家族連れの観光客にぴったりですよ。
館内は大きくテクノロジーホール、ネイチャーホール、特別展示ホールの3つに分かれています。館内にはカフェもあるので、観光に疲れたら寄ってみるのもオススメ。タルトゥ大学にもプラネタリウムがありますが、さすが学問・文化の都市と言われるタルトゥですね。
名称:AHHAA Science Centre
住所:Sadama 1, Tartu 51004
公式・関連サイトURL:http://www.ahhaa.ee/en
8. おもちゃ博物館
タルトゥ大学の北、旧市街の一角にひっそりと佇むおもちゃ博物館。子供連れはもちろん、大人だけでも十分に楽しめる観光スポットです。常設展では棚にびっしりとレトロ感漂うおもちゃが飾られていて、郷愁を誘います。エストニアの子供たちが遊んできたおもちゃは、日本のおもちゃとは雰囲気が異なるので、その差を楽しむのもいいですね。おもちゃからエストニア、そして旧ソ連の歴史を感じられるでしょう。
展示だけでなくプレイルームもあるので、子供は観光そっちのけでいつまでも遊べるかもしれません。エストニア語だけでの上演ですが、シアターも同じ通り沿いにあります。ミュージアムショップは本館とシアターの2か所にあり、様々なおもちゃが販売されているので、エストニア観光のお土産をここで探すこともできますよ。
名称:Tartu Toy Museum
住所:Lutsu 8, Tartu 51006
公式・関連サイトURL:http://www.mm.ee/en
9. 聖ヤーニ教会
赤煉瓦のゴシック様式で作られた聖ヤーニ教会は、14世紀に建てられたバルトで最古の教会とされています。タルトゥの旧市街にあり、おもちゃ博物館のそばに位置しています。
見どころは、入口や内部に飾られた1000点を超すテラコッタの彫像!旧市街やトーメの丘からも近い上、外から見るだけでも歴史を実感できるので、タルトゥを代表する観光スポットの1つに数えられています。
タルトゥは第二次世界大戦でかなりの被害を受け、この教会も破壊されたため、建物には修復の跡などが見られます。聖ヤーニ教会の尖塔は旧市街のどこからでも目に入りますが、塔の上からの旧市街の眺めもまた、観光客に人気ですよ。
名称:St. John's Church
住所:Jaani 5, Tartu 51007
公式・関連サイトURL:http://www.jaanikirik.ee/
10. タルトゥ美術館(傾いた家)
タルトゥ旧市街の中心部、多くの観光客で賑わうラエコヤ広場にある通称「傾いた家」。その名の通り正面から見て左にハッキリと傾いているこの建物は、現在タルトゥ美術館として利用されています。
この建物は1793年に建てられ、1879年からは薬局として使われていました。建物の前には傾き具合が分かりやすい位置に枠が設置され、多くの観光客が写真に収めて楽しんでいます。なんと、あのピサの斜塔よりも傾き加減は上なのだそうですよ!
美術館としても十分見ごたえのある観光スポットで、エストニアで2番目に大きな美術館です。絵画の所蔵数は4000点を超え、20世紀のものが主流となっています。ドローイングや彫像、コンテンポラリーアートも展示されていますよ。
名称:Tartu Kunstimuuseum
住所:Raekoja plats 18, Tartu, 51004
公式・関連サイトURL:http://tartmus.ee/en/
11. ラエコヤ広場(市庁舎前広場)
タルトゥを流れるエマユギ川の河岸から市庁舎にかけて細長く伸びるラエコヤ広場は、タルトゥ旧市街の中心的な広場です。突き当りにある市庁舎は、オランダの建築様式の影響を受けて18世紀に建てられたもので、内部の見学も可能です。
市庁舎前には、キスをする学生の像と噴水があります。学術と文化の都市として学生や若者が多いタルトゥを象徴する彫像で、観光客にも人気ですよ。美術館になっている傾いた家も、この広場に面して建っています。
1年を通して様々なイベントが開催されていて、12月にはクリスマスマーケットも開かれますよ。タルトゥ市内の観光に疲れたら、この広場にあるカフェで一休みするのがおすすめです。
名称:Raekoja plats
住所:Raekoja plats, Tartu, 51004
12. KGB監獄博物館
旧ソ連の諜報機関KGB(ソ連国家保安委員会)のエストニア本部だった建物が、そのまま博物館になった観光地です。KGBといえば、ロシアのプーチン大統領が所属していたことでも有名ですよね。
この博物館では、KGBの取り締まり対象であったエストニアのレジスタンス活動などについて取り上げています。当時は政治犯を監禁する「灰色の家」と呼ばれ、人々に恐れられていました。エストニアでは約12万人が収容され、3万人が亡くなったとされています。エストニアの歴史の一端を垣間見ることができるでしょう。
名称:Muuseum KGB kongid
住所:Riia 15b, Tartu 51010
公式・関連サイトURL:https://linnamuuseum.tartu.ee/en/kgb-kongide-muuseum/
◎まとめ
タルトゥはエストニアの学術・文化都市といわれるだけあり、観光スポットとして多くの博物館などがあります。市内にはほかにもまだまだ美術館や博物館が点在していますよ。
旧ソビエトの雰囲気を感じられる場所から、最新技術を体験できる観光スポットまで、その内容も多種多様。市街自体は決して大きくありませんが、美術館や博物館をじっくり観光するなら、一日ではとても見きられないほど充実しています。タルトゥを観光すれば、エストニアの更なる魅力に気付くことでしょう。