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アフリカ南東部、アフリカ大陸の角の部分にあたる国がソマリアです。1991年に政権が崩壊して以降、ソマリアには中央政府が存在しないため無法地帯となっています。また、ソマリアに面するアデン湾には海賊が横行。世界中の船がアデン湾を通過する時には緊張し、敢えてケープタウンまで迂回する船もあります。そんな世界一危ないと言っていい国、ソマリアの治安情報についてピックアップしました。
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世界一危険な国?ソマリアに行く前に知っておきたい治安情報
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外国人というだけで狙われます
外務省発表の海外安全情報によると、ソマリア国土は真っ赤に染まっています。国土全てが「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」となっているので、どのような事情があっても足を踏み入れては行けない治安レベルです。
ソマリアでは一部の場所を除き、外国人が歩いているというだけで犯罪の対象となってしまうほどの治安情勢です。外国人に対する殺傷事件や誘拐事件が発生しているため、アメリカやイギリスなど各国の政府もソマリアへの渡航を差し控えるように通達しています。万が一ソマリアで出歩く必要があったとしても、護衛4人に現地ガイドをつけてやっと行きたい場所に移動ができるといった治安レベルです。
イスラム武装組織のテロに注意が必要
ソマリアでは「アル・シャバーブ」というイスラム武装組織がいて、ソマリアの治安を一層悪いものにしています。国際テロ組織「アル・カーイダ」へ統合すると発表し、政府やアフリカ連合ソマリアミッション(AMISOM)軍との衝突が絶えません。
また、都市部でもテロが頻繁に行われています。特に首都モガディシュにおいては治安の悪い状態が続いていて、政府関係施設や国際連合施設への襲撃や爆破事件が起きています。こういった施設周辺は治安が安定しないため近づいてはいけません。外国から要人が来るような際には自爆テロが心配されます。万が一ソマリアに行く場合は現地で最新情報の入手をしてください。
比較的安全なのはソマリランド
その国土全域がレベル4の退避勧告が出ているソマリアですが、実はそれでも比較的治安が安全と言われている場所が存在します。それが「ソマリランド共和国」という場所です。1991年に政権が崩壊し、ソマリアの政府が存在せずにそれぞれの部族が政権争いをして内戦状態にあるさなか、旧イギリス領のソマリランドが独立宣言を行ったのです。
しかしながら国際的には国家として認定されていないため、ソマリアの一部としてみなされています。ソマリランドは他のソマリアに比べて治安状態はいいと言え、珍しいものの外国人の旅行者もたまに訪れています。しかしながら陸路で訪れるのは危険なので、ドバイなど治安の良い空港から空路で向かいましょう。
首都モガディシュはアメリカ軍も手を引いた
映画「ブラック・ホーク・ダウン」にも描かれてるように、1993年に首都モガディシュは「モガディシュの戦闘」という争いが起きました。ソマリアでは1970年代から長期的に内戦が続いていましたがが、1990年には反乱軍がモガディシュを抑えたことより治安の悪化が加速します。
あまりに酷い治安状況に国連が介入しましたが、派遣されたアメリカ軍と地元民との間で争いが起き、多数の死傷者が出る事態に。後にアメリカ人はソマリアから撤収してしまいました。首都とは言え政府がないため、今でもモガディシュの治安は不安定です。爆破事件などの犯罪が多発するエリアとなっています。少しずつ経済も回復し、銀行や通信回線業者などが出来てはいますが、やはり立ち入らない方が賢明です。
アデン湾には海賊が横行しています
ソマリアの治安の悪さを世界に知らしめたのたニュースがこの海賊行為ではないでしょうか。アラビア海から地中海に抜けるためのとても便利な海路ですが、ここを通行する船は、組織的に機能したソマリア人の海賊によってしばし襲われています。「キャプテン・フィリップス」という映画が作られたほど大きい問題となっています。小型ボートで近づいて金品を奪ったり、乗組員を誘拐し身代金を要求するのです。
かなり組織化されていて、ソマリアの海岸には海賊を相手にしたビジネスや人質への食事の提供を行う専門の業者もいるほど。多額の身代金によって豪邸を建てて高級車の乗り回す海賊は、ソマリア人の憧れの対象にすらなっているのです。秩序も治安もない沿岸付近にも近寄らないでください。
◎まとめ
世界一危険だと言われる国、ソマリア。政府が存在せず無法地帯となっていることに加え、テロや部族間争い、外国人の誘拐などの凶悪な事件が絶えず様々な要因が混ざり合っています。なかなかこの状況を解決するのは難しそうです。観光スポットもある国ですが、残念ながら足を踏み入れるのはもう少し治安が落ち着いてからの方がよさそうですね。