レバノンは地中海に面し、首都のベイルートは「中東のパリ」と謳われたほど美しい町です。しかし過去のイスラエルとの戦争のイメージや内戦が続くシリアと国境を接していることから、レバノンの治安に不安を感じているという方も多いのではないでしょうか。そこでレバノンの治安について、注意すべきポイントや危険な場所についてご案内します。
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【レバノンの治安】気をつけて!注意するべき事はテロだけじゃない
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1,アルサールには近づかない
レバノンのアルサールは、シリアとの国境沿いに位置する町です。レバノンの中でも特に治安情勢が悪く、現時点で外務省のホームページでは退避勧告となっています。
アルサールはシリアからの難民が特に多く、シリアから発射されたミサイルが着弾することもあります。また日本人被害者は出ていないものの、裕福層を狙った誘拐も頻発しています。アルサールには軽い気持ちで近づかないようにしましょう。
アルサールだけでなく、シリア・イスラエルとの国境付近はレバノンの中でも治安情勢が不安定な場所です。なるべく行くことは控えましょう。
2.ベイルート、テロの危険性
レバノンの首都ベイルートは内戦からの復興が進み、ヨーロッパを思わせる美しい街並みが戻ってきています。観光客が集まる中心地を歩いても治安の悪さは感じないかもしれません。
テロの発生件数は減少傾向にあるものの2015年には43人が死亡する自爆テロがあり、大きなニュースになりました。2016年にもレバノン国軍より、イスラム過激派が観光地など人が集まる場所でのテロを計画していたと発表されています。治安の比較的良いベイルートでもいつテロが起きてもおかしくない治安情勢だといえます。
3.政治・宗教について配慮する
レバノンの治安は政治・宗教に左右されていると言っても過言ではありません。その為、政治・宗教について、十分配慮し軽率な言動を控えましょう。
レバノンでは、宗派ごとに政治権力を分散する体制が取られているなど、政治と宗教が密接に関係しています。また、宗派による対立も過去のものではありません。人前で政治や宗教の話をすることで、無用なトラブル巻き込まれることがないよう気を付けましょう。
他にも、レバノン国民の約半数がイスラム教徒です。治安の良し悪しに関係なく、レストランやホテル以外の公共の場での飲酒やラマダン時期の食事についてなどを配慮することでトラブルを防止しましょう。
4.人通りの少ない場所は避ける
治安情勢の安定していないレバノンでは昼間であっても、人通りの少ない場所へは出来るだけ行かないようにしましょう。ベイルートなど比較的治安がよく見えますが、都市部を中心に引ったくりや拳銃を使った強盗などが発生しています。
女性の方はもちろん、男性でも集団で襲われた事例がありますので人道通りの少ない場所や深夜に出歩くことはおすすめ出来ません。
万が一強盗にあった場合、抵抗せずに金品を渡して命を守りましょう。ひったくりにあった場合でも、相手が武器を持っていることがあります。追いかけて取り返すような行為は危険です。
5.相乗りタクシーに注意
レバノンの治安を考えると観光中タクシーを使うこともあると思いますが、「セルビス」と呼ばれる相乗りタクシーを利用する際は特に注意が必要です。知らない人と一緒に乗る相乗りタクシー内でスリが多く発生しています。貴重品をポケットなどに入れておかないよう注意し、荷物から目を離さないようにしましょう。
また相乗りタクシーの乗客が強姦される事例もあります。たとえ割高でも、無線タクシーやホテルのサービスタクシーを利用する方が安心です。
レバノンの治安でもう一つ注意してほしいのが、交通事故です。タクシーやバスの運転が荒く、交通ルールが守られていないので、乗り降りする際注意しましょう。
6.女性の独り歩きに注意
レバノンは地中海の明るい光に照らされ、その治安情勢とは不釣り合いなほど開放的で先進的な国に見えるかもしれません。そういう一面があることは間違いないのでしょうが、レバノンでは多くのアジア人女性がメイドなどの低賃金で働いています。その為か、日本人女性が一人で歩いていると侮辱的な言葉をかけられたり、レストランで差別を受けるなどの事例があります。
直接犯罪につながるわけではありませんが、そういった現状があること、またレバノンの治安を考えると女性の一人歩きは出来る限り避けた方が安心です。
◎まとめ
レバノンの治安情勢はいまだ不安定で、テロの脅威にもさらされています。レバノンは小さな国ですが見所が多く、食べ物も美味しいと知られています。そして「中東のパリ」首都のベイルートはとても美しい町です。外務省の情報をチェックし、危ない場所にはいかないなど、基本的なことを注意してレバノン観光を楽しんでください。