アルメニア文化の継承!世界遺産イランのアルメニア人修道院建造物群

画像出典:Amoo Afshin (CC BY 2.0)

アルメニア文化の継承!世界遺産イランのアルメニア人修道院建造物群

キリスト教の歴史が最も古いアルメニアの人々が生み出した世界遺産は、アルメニアだけでなくイランにもあります。イランのアルメニア人修道院建造物群は、世界遺産として2008年にUNESCOに登録されました。ここはアルメニアにもほど近い、イラン北西部このエリアにあります。

アルメニアの人々は何千年という歴史の中、様々な国からの侵略を経験し、また多くの文明の破壊を経験した民族でもあります。イランのアルメニア人修道院建造物群を含む、この周辺は人災に限らず、時に大地震による天災も起こる地でもありました。それでもなお、アルメニア文化の継承を目的とし、様々な侵略や崩壊を経験しても、幾度と再建を重ね現在イランに世界遺産として残っているのがイランのアルメニア人修道院建造物群。古くは7世紀からの歴史で、多くの文化の織り交ざったイランのアルメニア修道院群について紹介します。

目次

アルメニア文化の継承!世界遺産イランのアルメニア人修道院建造物群

イランのアルメニア人修道院建造物群とは

出典: Nicola e Pina in Iran 2008 (CC BY-SA 3.0)

イランのアルメニア人修道院建造物群は、2008年にUNESCO世界遺産に登録されました。中でも注目すべき点は、様々な文化と建築様式がこのイランのアルメニア人修道院建造物群に織り交ざっている点です。東方正教会(Eastern Orthodox)の文化や、東ローマ帝国(Byzantine Empire)の文化、ペルシャ文化やムスリム文化、そしてアルメニア文化など、文化の融合を感じられるのも楽しみ方の一つ。

イランのアルメニア人修道院建造物群は、聖タデウス修道院(Saint Thaddeus Monastery)や、聖ステファノス修道院(Saint Stepanos Monastery)、ゾルゾルの聖マリア礼拝堂(Chapel of Dzordzor)の三つで、イランのアルメニア修道院群として世界遺産に登録されています。度重なる人災や、天災を経験しながら、1000年以上の歴史を超えて今もたたずむ世界遺産は偉大です。

イランのアルメニア人修道院建造物群への行き方

イランのアルメニア人修道院建造物群は、イランからアルメニア方面北西部の国境付近に位置します。日本からのツアーはないため、現地での手配が必要。イランのアルメニア人修道院建造物群は、西アーザルバーイジャーン州にある聖タデウス修道院と、東アーザルバーイジャーン州にある聖ステファノス修道院、ゾルゾルの聖マリア礼拝堂それぞれ別々の場所にあるため、ツアーで訪れることをおすすめします。

イランのアルメニア人修道院建造物群のおすすめポイント3

聖タデウス修道院

出典: hasaneslami (CC BY-SA 4.0)

世界遺産イランのアルメニア人修道院建造物群の中で、通称黒の教会(Qara Kilse)という名称でも呼ばれる聖タデウス修道院。名前のとおり、黒の石材によって造られた世界遺産です。

外観の二本の円錐型の屋根が、特徴的なアルメニア建築。ここもまた長い歴史の中で、何度も何度も侵略され時に天災による破壊をも経験した修道院です。特に1319年の大地震で壊滅的な被害を被ったために、当時の修道院の原型はほぼなく、再建されたもの。しかし、祭壇周辺の一部は10世紀のものを今も目にすることができますよ。

この世界遺産の見所は、黒の教会と呼ばれる部分の他に、白の教会と呼ばれる部分もある点です。ちょうどこの修道院の裏側に、黒く見える部分と白の教会の部分の両方が見えるポイントがあるので、お見逃しなく。

聖ステファノス修道院

出典: Martin Cígler (CC BY-SA 3.0)

世界遺産イランのアルメニア人修道院建造物群の中の見どころの一つといえば、聖ステファノス修道院。ここはサファヴィー朝の7世紀に建てられたのが元来とされ、長い年月を経て全ての建設が完了したのが10世紀ごろと言われています。聖ステファノス修道院もまた何世紀にも渡り、侵略による破壊を経験し、その都度修復が執り行われた世界遺産。それでもなお、現在でも世界遺産として見ることが出来るのは本当に奇跡ですよね。

聖ステファノス修道院の細部にわたる美しい装飾は、美しいアルメニア建築を感じることができます。イランのアルメニア人修道院建造物群の中でも、特徴的な屋根をもつ聖ステファノス修道院の屋根の美しさは随一です。

ゾルゾルの聖マリア礼拝堂

出典: Afshin Iranpour (CC BY 2.0)

イランのアルメニア人修道院建造物群の中で三つ目によくあげられる世界遺産が、ゾルゾルの聖マリア礼拝堂。別名日本語名称で生神女マリア聖堂(The Chapel of Holy Mother of God)とも呼ばれている世界遺産です。

Makuchay River 沿いにあり、14世紀に全盛期を迎えました。ゾルゾルの聖マリア礼拝堂の、修道院の部分はダム建設のため移設され、現在は礼拝堂の部分だけが残っています。イランのアルメニア人修道院建造物群を見るのなら、ひとつも外すことなく、全ての世界遺産を目にしておきたいですね。

イランのアルメニア人修道院建造物群の注意事項

イランのアルメニア人修道院建造物群の中でも、聖ステファノス修道院はアゼルバイジャンの国境付近のため、観光時は信頼のおけるツアー会社を通すことを推奨します。

◎まとめ

1000年以上の時を超えてもなお、世界遺産として残る、イランのアルメニア人修道院建造物群はいかがでしたか。それぞれ違う場所にありますが、イランという国でも、アルメニアの歴史的な世界遺産に触れられるのは魅力的。特にイランのアルメニア人修道院建造物群は、様々な文化が織り交ざったアルメニア建築物の世界遺産なので、見どころ満載です。

歴史的に侵略や破壊の多かったアルメニアですが、現在は異国の世界遺産として登録されたイランのアルメニア人修道院建造物群もまた、当時のアルメニアの運命を現代に映し出しているようにも思えます。アルメニアに限らず、イランのアルメニア人修道院建造物群もぜひおすすめの世界遺産のひとつです。

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