名称:アルタのロックアート
住所:
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/352#top
アルタのロックアートは、ノルウェー最北部フィンマルク県の小さな町アルタにある先史時代の岩絵。北欧およびロシア北部に見られる極北美術の出土例の1つとして、1985年に世界遺産に登録されました。2006年に英語での世界遺産名称がそれまでの "Rock Drawings of Alta" から "Rock Art of Alta" に変更されたものです。
このアルタの世界遺産は、紀元前4000年~500年頃の作品と言われ、トナカイやクマ等、北極地方特有の動物等が描かれている花崗岩群のこと。北極圏のこの地に、6000年以上も前に人が住み、その人々の生活が分かる絵が残されていた事は驚異と言って良いでしょう。そんなノルウェーの世界遺産「アルタのロックアート」をご紹介します。
目次
色鮮やかな古代の岩絵!ノルウェーの世界遺産「アルタのロックアート」
「アルタのロックアート」とは?
世界遺産「アルタのロックアート」が発見されたのは1973年の事。一見、ただの子どもの落書きのようにも見えますが、絵をよく見てみると、花崗岩に輪郭を彫り込んであるのが分かります。モチーフとして描かれているのは、トナカイなどの野生動物や、漁をする人と船、そして祈りをする人々まで描かれています。生き生きとしたその表情は、とても先史時代に彫られたものとは思えないほど。
世界遺産の岩絵は大きさが約20~40cmで、これまでにアルタの5地区の沿岸部で5000点以上が確認されました。世界遺産の登録エリアの内、最も大きなヒェメルフト/イープマルオクタ地区にある岩絵は、1991年に開設されたアルタ博物館の屋外常設展示品として一般に公開。博物館には、遊歩道が整備されており、短いコースや中間のコース、全てを見るコースに分かれています。短いコースなら30分、全部を見るならおよそ90分かかるので、スケジュールに合わせて見てみてくださいね。
アルタのロックアートへのアクセス
日本からノルウェーへの直行便はないため、近隣国の主要都市経由で、まずは首都オスロへ。経由地は、ヘルシンキやコペンハーゲン、フランクフルト、ロンドン等が一般的です。オスロから世界遺産のあるアルタまではおよそ1250km。アルタの空港まで2時間余りのフライトです。
この他、北極圏最大の町として観光客にも人気のトロムソの町を経由して行く場合は、オスロから飛行機でトロムソに行き、バスでアルタのルート。トロムソからアルタまでのバス乗車時間はおよそ7時間弱です。
アルタ近くのおすすめポイント2
ヨーロッパ最北の岬ノールカップ
世界遺産のあるアルタの町から北東に約163km、ヨーロッパ最北の岬として有名なのがノルウェイのマーゲロイ島にあるノールカップ。北緯71度10分21秒、海抜307mに位置しており、ここでは5月中旬頃から7月下旬頃の間、“真夜中の太陽”を見ることができます。
岬の先には、ノールカップホールという観光客用のツーリストセンターが建っており、さらに岬の先端には地球儀のモニュメントの記念撮影ポイントも。施設内にはレストランやカフェ、バー、お土産店のほか、ノールカップの歴史に関する展示コーナーもあります。
実は、正確に言うとこの岬、ヨーロッパ最北ではありません。ノールカップより約1.5km北のクニフシェロッデンと言う場所が最北。いずれにしても北極点まではここからわずか2100km余りで、1年中北極からの風が吹いているので、夏でも防寒具は必須です。
オーロラ観光の拠点トロムソ
世界遺産「アルタのロックアート」から西南西170km余りの所にあるのが、北極圏観光の玄関口でありオーロラ観察でも有名なトロムソ。夏は白夜、秋から冬はオーロラ観光と、一年中観光客が絶えない町です。
トロムソは、郊外にオーロラ観測所が有り、各国の研究機関も観測を行う世界的なオーロラ研究の拠点。これは、北極圏の中でも北緯65度~70度のオーロラ帯と呼ばれる地域で最もオーロラが出現する頻度が高く、北緯69度40分のトロムソはまさにその圏内にある為。更にメキシコ湾流の影響で、緯度の高い割には冬でも札幌並みの寒さと言うのが、観測を容易にしています。
この街は、トロムソイヤ島と本土のトロムスダーレン地区に別れ、両地区は全長約1kmのトロムソ橋と海底トンネルで結ばれています。中心はトロムソイヤ島で、港に近いメインストリート周辺には洒落た店が並び、「北欧のパリ」と呼ばれていますよ。
◎まとめ
世界遺産「アルタのロックアート」は、じっくり眺めていくと様々な絵があります。調査の結果、岩絵は新しいものから古いものまで、何千年にも亘って描かれているとの事。その間地殻変動等で海岸線が隆起し、制作年代が古いもの程高い位置にあります。年代が新しい絵では、描かれている船も大きくなっているように、この絵から多くの事が分かりますよ。