中央ヨーロッパに位置する「チェコ共和国」。ドイツ・ポーランド・オーストリア・スロバキアらの国々と国境を接する、北海道程の面積のちいさな国です。周辺の大国からの影響を受けつつも、文化や芸術など独自の発展を遂げた日本でも人気の渡航先です。イギリスの経済誌「エコノミスト」が発表する2019年度世界平和度指数ランキングでは、チェコは163か国中10位にランクイン。ちなみに日本は9位なので、その治安の良さは察することができますね。だからといって油断は禁物。不要なトラブルに巻き込まれないためにも、楽しい旅をするためにも事前確認をしましょう。ここではチェコの治安情報や注意事項を紹介していきます。
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1.スリに注意
比較的治安の良いチェコでも気をつけたいのが「スリ」です。被害の多くは観光地の路上、地下鉄・トラム・バスなどの交通機関など人が多く集まる場所で発生しています。気が付かぬ間にバッグを開ける、または刃物などでバッグを切り金品を抜き取るといった事件が後を絶ちません。またグループによる犯行もあり、一人が注意をそらす役目をしそのスキに他の仲間が窃盗を行います。公共交通機関の車内で意図的に混雑した状況を作り出して犯行に及ぶ、という事例もあります。チェコでは治安がいい地域であっても注意しましょう。貴重品はバッグに入れず肌に身に着けるマネーベルトなどに入れる、人混みの中ではバッグも体の前で抱えるなどすればスリに遭う危険性を減らすことができますよ。
2.置き引きに注意
チェコで多い被害の一つが「置き引き」です。チェコを旅行する際に利用することも多いレストランや長距離列車など、観光客が頻繁に出入りする場所で置き引きの犯罪は発生しています。レストランでは話に夢中になって荷物から目を離したスキに置き引きが発生することが多いです。荷物は椅子の後ろなどにかけず、必ず視界に入り手が届く場所に置きましょう。またチェコの長距離列車内で、荷物を棚に上げる際に手伝うふりをしてバッグを奪ったり、注意を引き付けている間に仲間がバッグを奪うという犯罪も発生しています。治安がいい場所でも油断は禁物です。
3.ホテルであっても窃盗に注意
チェコに滞在する際には、ホテルやゲストハウスに宿泊する方も多いでしょう。チェコではホテルの客室でも盗難事件が発生しています。部屋を施錠して外出していても、隣の建物の屋根を伝って部屋の窓から侵入したり、部屋のオートロックを解除して侵入などが発生しているそうです。治安がいいと思われる場所であっても用心して、外出する際は貴重品は持ち出すかセーフティボックスに入れましょう。また宿泊する際に部屋の窓を確認し、万が一外部から侵入可能な雰囲気があるようならば、部屋を代えてもらうなどしましょう。
4.車上狙いに注意
チェコは治安もよく周辺諸国も近いので、数か国を周遊する旅行者も多い国。レンタカーで旅行をする場合は、「車上狙い」に注意が必要です。車上狙いはチェコ全域で頻発している犯罪。その多くはスーパーマーケットなどの駐車場や住宅街、リゾート地などで発生しています。ドアが壊され貴重品が奪われるので、バッグや貴重品は車内に放置しないようにしましょう。また見通しの悪い場所や交通量の少ない場所での駐車は避けるなど、危機意識を持つことが重要です。チェコは治安がいいからと安心せず、こういった事件があることも心に留めておきましょう。
5.ニセ警官に注意
治安もよく犯罪も少ないチェコですが、観光客を狙った「ニセ警官」という事件が発生しています。観光地などで自称警察官が警察手帳のようなものを提示、パスポートや所持品の検査を要求してきます。しかし財布を渡すと現金やカードなどが巧みに抜き取られるという被害です。中にはクレジットカードの暗証番号を聞いてきたという事例もあります。チェコの警察官は、財布の提示を求めたり暗証番号を聞いたり絶対にしないので、まずニセ警官であることを疑い、きちんと確認しましょう。場合によっては「日本大使館に連絡を取りたい」と言うなどし状況判断しましょう。初めにサクラである「ニセ観光客」に所持品を提示させて、こちらを信用させるという手の込んだ詐欺グループもいるので注意！
6.テロに注意
チェコは現時点、テロ事件などが確認されていないのですが、テロ事件はいつ、どこで発生するかは分かりません。最近、ヨーロッパや世界の多くの国でテロ事件が発生しています。大規模なイベントや人が多く集まる場所に行く際には、細心の注意が必要です。テロは予測できない事態で、事前に察知することが困難。チェコに旅行する際には必ず海外安全情報や最新の治安、テロ情勢の情報の入手をしましょう。また外国人というだけでも目立つ存在ということを忘れずに、危機管理意識を持つようにしましょう。
◎まとめ
近年ヨーロッパ全土で紛争地帯などから流入してくる移民が問題となっていますが、もちろんチェコも例外ではありません。流れ着いたものの職にも就けず、貧困から犯罪に手を染めてしまうというケースも多いです。またチェコ自体も経済的に決して裕福な国ではないため、観光客は窃盗などのターゲットにされやすいのが現状。治安の良さに安心しすぎず、最低限の自己防衛するように心がけましょう。ともあれチェコはステキな国に変わりはないので、「海外にいる」というちょっとの緊張感を忘れずにチェコの旅を楽しんでくださいね。
