名称:中央シホテ-アリン
住所:ロシア、ハバロフスク地方南東部と沿海地方北西部
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/766
世界遺産「中央シホテ・アリン」は、ロシアの沿岸地方からハバロフスク地方にかけて聳える山脈地帯です。シホテ・アリンの特徴は、亜熱帯気候とタイガ気候が交ざった温室林を持つこと。世界的に見てもとても珍しく、貴重な地域と評価されています。
こうした特異な環境は、本来南方と北方にいるはずの動物達が共生する場所となりました。また、アムールタイガー(シベリアトラ)を含む希少な動物達が生息する地として、その重要性が認められ世界遺産に登録されています。そんな珍しい自然環境と貴重な動物達の住む世界遺産シホテ・アリン。観光の見どころや楽しみ方をお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
温帯林に共生する稀な動物たちが魅力!ロシアの世界遺産中央シホテ・アリン
世界遺産中央シホテ-アリンとは?
世界遺産「中央シホテ・アリン」は、シホテ・アリン山脈を中心とした、日本海地域にまで広がる森林地帯です。長い間人が立ち入らなかったために、豊かな自然が守られてきました。世界でも類を見ないこの稀な気候の地域には、固有種の植物が多く見られますよ。また、本来なら北方のタイガ気候の地域にいるヒグマやトナカイ、オオヤマネコや南方地域にいるアムールトラ、ツキノワグマなどが同じ地域で共存する様子が見られ、世界遺産に訪れる人々を魅了しています。
こうした動物達と、希少な鳥類であるシマフクロウやコウライアイサを守るべく「ラゾフスキー自然保護区」と「大シホテ・アリン野生保護区」という2つの自然保護区が、シホテ・アリン内に設立されました。世界遺産「中央シホテ・アリン」を有名にしているもう一つの要因は、1947年に起きた隕石の落下。パセカ村の近くでは、隕石の破片や直径26mにもなるクレーターが発見されました。その10年後には、太陽よりも明るい光を放って落ちてきた隕石を記念した切手も発行されています。
世界遺産中央シホテ-アリンへのアクセス
世界遺産中央シホテ・アリンへ入るには、拠点となる村や町がいくつかあります。世界遺産内のラゾフスキー自然保護区は、ウラジオストクからも近いので行きやすいでしょう。日本から飛行機でロシアのウラジオストクまで行き、空港でレンタルカーを借りて、保護区のある村「ラゾ」までドライブして行きます。
世界遺産中央シホテ・アリンに行くもう一つの拠点は「テルネイ」という村。同じく空港からドライブして行きます。テルネイには、シホテ・アリン保護区の事務所や宿泊施設もありますよ。
世界遺産中央シホテ-アリンのおすすめポイント2
ラゾフスキー自然保護区域
世界遺産シホテ・アリンの一部であるラゾフスキー自然保護区域の管理局があるラゾ村。その周辺は、森林の豊かな田舎風景が魅力的です。秋に行けば紅葉がとても美しい場所ですよ。保護区内の博物館には、シホテ・アリンの大切な世界遺産である動物や植物について学べる展示物があります。400種に近い鳥類と約1300種の植物が見られるこの地域は、哺乳類や魚類も含めて国内でも類を見ない数。
また世界遺産の楽しみ方といえば、やはりトレッキングでしょう。イエラーモスキの滝にいく時に通る森林の美しさは圧巻。約17mの高さからまっすぐに落ちる滝の水は、澄んでいて癒されます。
さらにラゾフスキー自然保護区域に行くと、ペトロフ島への観光に行けますよ。ツングース系民族の史跡や、ギネスブックに載ったほど古い樹木、世界でもここだけの樹齢1000年以上あるイチイの森が見られます。シホテ・アリンにしかない自然の豊かさを、ぜひ楽しんで下さいね。
プリモスキーサファリパーク
出典: Ovchinnikova Irina/Shutterstock
世界遺産シホテ・アリンの地域とその周辺には、沢山の魅力的な観光スポットがあります。プリモスキーサファリパーク(動物リハビリセンター)は、アムールトラとヤギが友達になって一緒に生活している風景が見られますよ。種を超えた動物の関係は、今は世界各地でも見られますが、やはり微笑ましいですね。園内では、シホテ・アリンの象徴でもあるヒマラヤクマや、オオヤマネコなども見られます。
また近くのアルダー山登山では、世界遺産特有のタイガ気候の森林地帯を歩けますよ。人の手が入らない豊かな自然に、高山にある美しい湖、そして南部にある山頂からの壮大なパノラマビューを楽しんでください。プリモルスキ石柱へのハイキングも、世界遺産シホテ・アリンで人気。侵食の力で作られた岩の彫刻の城は、見どころです。
◎まとめ
世界遺産シホテ・アリン周辺での楽しみ方をご紹介しました。他にもいろいろあり、3つの美しい滝へのツアーや、保護区の一部である島周辺でのハイキングにシュノーケリングなどもあります。ぜひ世界遺産シホテ・アリンでアウトドアを楽しんでみてはいかがでしょうか。