名称:ウニアンガ湖沼群
住所:Lakes of Ounianga
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1400/
チャドはアフリカ北部、サハラ砂漠の南に位置する国。海を持たない内陸の国で、国土の大半はかつてチャド湖の水が満たされていたチャド盆地です。南部に行くにしたがい降水量が多くなり、緑豊かな中央アフリカへとつながっていきます。そんなチャドの初の世界遺産は、ウニアンガ湖沼群。古代には一つの大きな湖だったそうですが、今は18の大小様々な湖に分かれています。
世界遺産ウニアンガ湖沼群は、塩分がとても濃い湖から、オアシスのような湖までさまざま。辺境の地にあるため人があまり訪れず、手つかずの自然が残っていてアフリカの絶景とも言われているのです。そんな美しい世界遺産ウニアンガ湖沼群についてご紹介したいと思います。
目次
砂漠の中のエメラルド色の湖!チャドの世界遺産ウニアンガ湖沼群とは?
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ウニアンガ湖沼群とは
ウニアンガ湖沼群はチャドで初めての世界遺産。チャド北東部のサハラ砂漠にある18の湖が、2012年にユネスコの世界遺産リストに登録されました。ここは砂漠なので年間降水量が2mm以下。地下には数千年間にわたって蓄えられてきた水があり、それが湧き出て湖の相互作用により豊富な水量を保っているそうです。世界遺産ウニアンガ湖沼群大きさ、深さ、成分組成、色彩など、それぞれが異なる特徴を持っています。
18の湖は、「大ウニアンガ」という意味のウニアンガ・ケビル群と、「小ウニアンガ」という意味のウニアンガ・セリル群の2つに分けられています。ウニアンガ・ケビル群には、最大のヨアン湖をはじめ4つの湖が含まれます。これらの湖は非常に濃い塩分のため、藻やバクテリア類しか生息できないそうです。そこから40kmほど離れたウニアンガ・セリル群湖は14の湖が含まれます。こちらは葦類が水面の半分程を覆い水の蒸発を防いでいるため真水に近く、水生動物や魚類が住み、オアシスのような豊かな光景が広がっています。
ウニアンガ湖沼群へのアクセス
世界遺産ウニアンガ湖沼は北アフリカをまたがる広大なサハラ砂漠の南東に位置しています。チャドの北東部、首都ンジャメナから北東に約975kmの町ファダ近郊にあります。定期的な交通手段がないのでツアーなどに参加するのがおすすめです。
また、日本からチャドの玄関ジャメナへは直行便がないので、タイやパリ経由で。近隣アフリカ諸国からはフライトがあります。
ウニアンガ湖沼群のおすすめポイント① : ウニアンガ湖沼群の成り立ち
世界遺産ウニアンガ湖沼群がある地域は、およそ14,800〜5,500年前は一つの大きな湖であったと考えられています。その大きさはおそらく数千kmにもわたっていたようです。その後、何千年にもわたって気候が乾燥したため湖は縮小し、砂丘によっていくつもの小さな湖い分けられたそうです。
世界遺産ウニアンガ湖沼群は崖の下や砂丘に囲まれた盆地にあり、古代から湧き出る水によって満たされています。湖はそれぞれ地下でつながっていて、極度に乾燥した地域でありながら豊かな水を蓄えているのです。最大かつ最も生物学的に重要な湖はオウィンギア・セリルと呼ばれる東部のテルティ湖。表面積は4.4平方kmで、最大深度は10m。水辺には水生植物が茂り、魚や両生類などが生息しているんです。
世界遺産ウニアンガ湖沼群のウニアンガ・ケビル群と呼ばれる一帯は、藻や微生物のみが生息する塩分濃度の高い湖。海岸の岩は白い塩に覆われていて、近くの丘と砂丘の間には約9,000人が住む村があります。
ウニアンガ湖沼群のおすすめポイント② : ツアー
世界遺産ウニアンガ湖沼群までは公共機関で行くことができないので、ツアーに参加するのがおすすめ。首都ンジャメナからのツアーは4日間くらいからあるようです。四輪駆動で砂漠を進むこのツアーは、途中、観光スポットに立ち寄り、砂漠の広大な風景を楽しむことができます。
ウニアンガ湖沼群の注意事項
チャドの首都ンジャメナ近郊は年間を通じて訪れることができますが、砂漠は気温がとても上がります。チャドの中央部では季節が3つに分かれていて、3月~7月が最も暑く、7月~10月は雨季、11月~2月は涼しくなります。乾燥した砂漠地たちと異なり、これらの地域の年間降水量は250~750mmとなります。チャドのベストシーズンは気温が下がる10月~2月。
チャドには定期の国内線や長距離バスはありません。国内の移動は乗り合いバスやトラックを利用して旅をすることになります。
まとめ
世界遺産ウニアンガ湖沼群はアクセスが不便なため、観光客は年間で500人ほどだとか。首都ンジャメナから四輪駆動で行くツアーが出ているようです。途中、砂漠の風景を眺めることができますよ。
チャドではチャド湖の観光スポットがおすすめ。ボート遊覧やシャリ河を下るツアーなどがあります。でも、このチャド湖、乾燥化で湖面の水位が低下してしまい、近い将来、なくなってしまうのではと言われています。この豊かな自然がいつまでも残ることを願っています。