名称:レプティス・マグナの古代遺跡
住所:Leptis Magna
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/183#top
アフリカ大陸に位置し、地中海に面する国の一つリビア。2011年にカダフィ政権が倒れ情勢不安が続いていますが、このリビアには貴重な世界遺産がたくさんあります。古代からベルベル人が住み、その後ギリシア人やフェニキア人が入植し、ローマ帝国やビザンチン帝国などの支配を受けます。その歴史から興味深い遺構が残るリビア。その一つに世界遺産「レプティス・マグナの古代遺跡」があります。今回は1200年以上も砂に眠っていたその世界遺産をご紹介しましょう。
目次
アフリカ・リビアの古代ローマ遺跡!世界遺産レプティス・マグナの古代遺跡
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レプティス・マグナの古代遺跡とは?
世界遺産「レプティス・マグナの古代遺跡」は、リビアの首都トリポリの東130kmに位置する古代ローマ時代の都市遺跡です。レプティス・マグナからは初のアフリカ出身のローマ皇帝を輩出し、このローマ皇帝セプティミウス・セウェルス治世の時代には、レプティス・マグナは絶頂期を迎えます。元からレプティス・マグナは地中海での重要な交易地でありましたが、セプティミウス・セウェルスが皇帝となった後にもこの地を優遇し、アフリカ第三の都市にまで発展させました。しかし交易が減少するとともに、レプティス・マグナは衰退してしまいました。
廃れてしまったレプティス・マグナは1200年もの間砂に埋もれ、1921年に再発見されます。見つかった遺構は砂に埋もれていたため良く保存され、まだ3割程しか発掘できていません。この世界遺産では大浴場や神殿、市場、ローマ劇場などが見られ彫像やレリーフ、美しいモザイクなども一見の価値があります。かつての古代ローマ帝国の栄光が垣間見える世界遺産です。
レプティス・マグナの古代遺跡へのアクセス
リビアの首都トリポリからは約130キロ。タクシーで約2時間弱、乗り合いタクシーで行く場合がホムスで乗り換えです。ホムスまで約2時間弱、ホムスからタクシーで約15分ほど。
おすすめポイント①:アウグストゥス帝のローマ劇場
世界遺産レプティス・マグナにあるアウグストゥス帝のローマ劇場は、一世紀の初頭、初代ローマ皇帝アウグストゥスによって作られた北アフリカで二番目に大きなローマ劇場です。ちなみに一番大きな劇場もリビアの世界遺産、サブラータの古代遺跡にあります。世界遺産の一部であるローマ劇場はフェニキアの墓地、ネクロポリスの上に造られました。
その後歴代の皇帝によって改築が進められ、客席は彫刻で埋め尽くされていたほど。現在は彫刻のほとんどがレプティス博物館に保存されており、博物館では遺跡全体の予想図などもあるので兼ねて訪れるのがおすすめ。さらにこのローマ劇場は約3000から4000の客席数を誇り、一番上から地中海を臨むことができますよ。劇場の楽屋裏にある神殿からはアウグストゥス帝の像も見つかっています。
おすすめポイント②:ハドリアヌス帝の浴場
ローマ帝国において公衆浴場とは、重要なものの一つでありました。この公衆浴場ではお風呂としてだけではなく、社交場でもあり、時には重要な商談や決め事が行われた場所です。世界遺産レプティス・マグナでも例外ではなく、巨大な大浴場跡があります。
ローマ式の浴場がここまで原型を留めている姿はほとんどなく、他にはローマに残るものだけです。かつてこの大浴場には天井にモザイク画、床には大理石、壁面には彫像と贅沢な造り。これらもレプティス博物館で見ることができますよ。下水が流れる公衆トイレやサウナ、脱衣所などが見られ、その規模は間違いなくこの世界遺産レプティス・マグナで興味深い見どころです。
レプティス・マグナの古代遺跡についての注意事項
素晴らしい世界遺産レプティス・マグナではありますが、残念ながら外務省の海外安全情報ではレベル4に分類されています。これは退避勧告であり、渡航を控えることを強くおすすめします。2011年のアラブの春以降リビアの政権は安定せず、無政府状態ともいえます。特に身代金目当ての外国人誘拐も多く、安全に旅行できる日を待つばかりです。
◎まとめ
リビアの世界遺産レプティス・マグナの古代遺跡をご紹介しました。アフリカ大陸の一部ではありますが、地中海沿岸に位置するレプティス・マグナは古代ローマや古代ギリシャの遺跡が多く残ります。それらは興味深いものが多く、レプティス・マグナ以外にも行く価値のあるリビアの世界遺産がたくさんあります。残念ながら現在渡航することはできませんが、いつか行ける日がきたらぜひ訪れてみたいですね!