多民族国家ケニアが誇る世界遺産!ミジケンダの聖なるカヤの森林

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多民族国家ケニアが誇る世界遺産!ミジケンダの聖なるカヤの森林

ケニアの世界遺産「ミジゲンダの聖なるカヤの森林(Sacred Mijikenda Kaya Forests)」は、2008年に世界文化遺産に登録されました。「9つの町」の意味を持つミジゲンダ(Mijikenda)とは、ケニア海岸部に住む9つの民族の総称で、彼らは皆よく似た言語を話し、祖先は伝説の地「シュングワヤ(Shungwaya)」から来たという共通起源を持っています。

世界遺産の対象地域となるのは、インド洋側の沿岸部約200Kmにわたって広がる森林地帯。
ミジケンダの聖域として崇められるこの森林地帯には、要塞化した村がいくつも築かれており「カヤ(Kaya)」と呼ばれています。
それでは、ケニアの世界遺産「ミジゲンダの聖なるカヤの森林」についてご紹介しましょう。

目次

多民族国家ケニアが誇る世界遺産!ミジケンダの聖なるカヤの森林

ミジケンダの聖なるカヤの森林とは?

世界遺産「ミジゲンダの聖なるカヤの森林」は、ケニアのモンバサ県、キリフィ県、クウェール県に広がっています。およそ200km程ある沿岸部の森林地帯から、50個以上ものカヤが発見されました。そのうち世界遺産となっているのは、合計11個のカヤたち。14世紀から16世紀にかけてこの地に移住してきたとされるミジケンダの人々は、1940年代までこのカヤで生活していたのです。

9民族に共通する宗教観が基礎になっているというカヤの構造。中心には先祖が伝説の地・シュングワヤから持って来たとされる呪い物「フィンゴ(fingo)」が埋められており、その周辺に住居や集会所が密集しています。カヤの森林には「ギリアマ人のカヤ」や「ジバナ人のカヤ」と呼ばれる5つの正式なカヤが存在しており、どれも中心にはフィンゴが存在するそうですよ。

周囲に広がる森林は、ミジケンダにとってとても神聖な場所です。先祖の霊が現れる特別な場所と考えられており、伐採は一切禁止されていたのだとか。世界遺産でありながらもなかなか見学許可が下りないカヤですが、ディアニビーチ(Diani)にある「キノンド(Kaya Kinondo)」は観光が許可されていますので、ぜひ訪ねてみて下さいね。

ミジケンダの聖なるカヤの森林へのアクセス

世界遺産に登録されているカヤは、個人で自由に見学することができません。そのため、ミジケンダの人や保護する団体が運営するガイド付きのツアーに参加する必要があります。観光の拠点となるのは、ケニアのモンバサ(Mombasa)。カヤがある森林は、モンバサから北に車で2時間ほど移動したところにあります。

日本からモンバサまでは直行便がないので、アジアや中東、ヨーロッパで乗り継ぐ経由便を利用しましょう。最低でも乗り継ぎは2回必要。総移動時間は40時間を超えますので、スケジュールに余裕を持って行くことをおすすめします。

ミジケンダの聖なるカヤの森林のおすすめポイント

◆ミジケンダ文化ツアー

せっかく世界遺産「ミジケンダの聖なるカヤの森林」を観光するなら、ミシゲンダの人々との文化交流を楽しんでみてください。モンバサ発のツアーはバラエティーに富んでいて、様々な体験をすることができます。ぜひ時間をかけてどっぷりとミジケンダの文化に浸かってみましょう。

とあるツアーでは、モンバサでミジケンダの伝統的なダンスを楽しんだ後にホストファミリーに会い、翌日はミジケンダの一般家庭で社会的なことを教わります。スワヒリでは男女に分かれて仕事をするので、男性はお父さんと一緒にココナッツや木の実を採りに行き、女性は家事を教わるなんてことも。

また別のツアーでは、ミジケンダの女性たちと一緒にスワヒリ料理を作ったり、織物を習ったりしながら一日を過ごします。毎週日曜日には伝統行事が行われるため、各カヤから集まって来る長老や子供たちを迎える準備もするそうですよ。なんともエキサイティングな体験だと思いませんか?

◆ワイルドライフの観察

世界遺産「ミジケンダの聖なるカヤの森林」では、そこに生息する動植物の多様性も見どころの一つです。180種以上の植物に、約50種の美しい鳥、そして約45種の蝶たち!白い毛が特徴のコロブスモンキーや、目が大きく鼻の長いコシキハネジネズミも確認されています。双眼鏡を持って、ここでしか見られない風景を思う存分楽しみましょう。

この神聖な森はミシゲンダの人々の宗教観により、長い間未開発のまま多くの生物達を保護してきました。しかし、近年になり農業や観光の発展で環境が変化しつつあるため、世界遺産へのエコツーリズムやボランティア活動を導入して自然保護に努めています。もちろん、ミジケンダの長老たちもその一員ですよ。
長年にわたって自然と人とが共存してきた聖なる森林は、これからも守り続けなければいけない世界遺産なのですね。

◎まとめ

ミジケンダの文化では男女の区別をはっきりし、家族や親せきとのつながりを重んじる風潮が見られます。一方で、近代的な文化生活に同化する傾向もあり、最近ではキリスト教かイスラム教のどちらかに所属する人も多いのだとか。
文化体験ツアーに参加して、こうした人々の宗教的考えや生活の変化も見てみるのも良いですね。多民族国家ケニアならではの世界遺産「ミジケンダの聖なるカヤの森林」へ、ぜひ足を運んでみてください!

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