バーレーンは真珠産業で栄えていた!島の経済を表す真珠産業遺産

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バーレーンは真珠産業で栄えていた!島の経済を表す真珠産業遺産

サウジアラビアとイランの間にあるバーレーンは、中東の中でも比較的治安の良い島国です。バーレーン北東部に位置するムハラク島には往時を偲ばせる建造物があります。19世紀初めから20世紀初めにかけて建造された真珠貿易商の邸宅や店舗、倉庫など17に及ぶ真珠関連の建造物が2012年に世界遺産登録されました。そこで今回は、バーレーンの世界遺産「島の経済を表す真珠産業遺産」について紹介していきます。

目次

バーレーンは真珠産業で栄えていた!島の経済を表す真珠産業遺産

島の経済を表す真珠産業遺産とは

出典: typhoonski

バーレーンが真珠産業で黄金時代を向かえていた1850年代から1930年。バーレーンから採取される真珠はダイヤモンドを上回る価値とされ、宝石商で名が知られるジャック・カルチェらを惹きつけていました。

バーレーン近海は上質で量も豊富な好漁場があったことから、採取船のほとんどがバーレーンのムハラク島を拠点にしていたとされています。1930年には約30,000人の潜水夫が真珠の採取するほど、バーレーンの基幹産業として成長しました。しかし1930年を境にバーレーン真珠産業は急速に衰退していったのです。

バーレーン真珠産業が没落した原因は、アメリカから始まった世界恐慌でバーレーンにも大きな打撃となり宝飾品の市場も姿を消してしまったことと、御木本幸吉による日本養殖真珠の発展と言われています。バーレーンの真珠採取業が最盛期だった時代に建造された真珠貿易商の住居や店舗、倉庫などが世界遺産に登録されています。

島の経済を表す真珠産業遺産へのアクセス

日本からバーレーンまでの直行便は運航していないため、ドーハやアブダビ、イスタンブールを経由することになります。平均所要時間は約15時間です。世界遺産に登録された建造物や、真珠産業の拠点となったムハラク島はバーレーン国際空港と同じ島内にあります。

島の経済を表す真珠産業のおすすめポイント3

建造物

出典: mg81

ムハラク島の建造物はバーレーンの真珠採取業がもたらした富福な真珠商人たちが建造した豪華な住居です。特に裕福な真珠商人だったスィヤーディ一族たちの建造物は複数世界遺産に登録されています。

スィヤーディ一族が建造した住居2棟とモスクがある建物は、家族の住居と訪問客が宿泊する棟になっていて、内装は輸入家具が並び豪華です。建築様式も様々な国の影響を受けて造られていますが、真珠が国際的な取引をする上では重要な役割を果たしています。

建造物の一部は一般公開はされていません。1階建てのミナレットとモスクは1865年に建造され、現在のは1910年に再建されたものです。また、スィヤーディが所有している店舗や倉庫などは1860年から1905年に建造されたもので、世界遺産に登録された建造物が2つあります。

真珠採取と潜水夫

出典: SteveTram

バーレーンの真珠採取は古代から伝わるもので、機械は一切使用することができません。そのため潜水夫が採取する時は2本の縄を使用しています。1本はシーブと呼ばれた縄を引き上げるために利用するものと、もう1本は重石を使用して海底に辿り着くために利用するものです。

潜水夫は素もぐりで採取していて、鼻挟み貝を引き剥がす際に使用するナイフや貝を入れる網などといった用具だけで潜ります。潜水夫は息が続く限り採取し続けて、息苦しくなるとシーブに縄を引っ張って合図を送り一気に海底から上げるそうです。

また、ムハラク島の沿岸の広場にはバーレーン唯一の最盛期だった時代を偲ばせる肖像が建てられています。この肖像は海に潜って貝を採る潜水夫の姿で、この天然真珠がバーレーンにとってどれだけ重要だったのかを記されたものです。

御木本幸吉

出典: Missing35mm

御木本幸吉は真珠の養殖をブランド化させた凄腕の日本人実業家。特にバーレーンの真珠産業にとって大打撃を与えた人物です。御木本幸吉の養殖真珠は天然真珠にも負けない綺麗なピンク色をしていて、何よりも価格がバーレーンの真珠の3分の1の価格で売られていました。

御木本幸吉は代々から継がれるうどんの製造と販売を営む阿波幸の長男として誕生。父は機械類を発明して表彰金100万円を授与された大物で、祖父は世間から「後に目があるような人」とも言われたほど大伝馬船を10隻所持するという富の財を築いた大物と言われています。

御木本幸吉も父や祖父の姿を見ていたことから、うどん屋で身代を築くのは無理と考え青物の販売へと行商をはじめました。行商をはじめた年齢は14歳と言われています。そして1878年に海産物商人として天然養殖がはじまりました。

◎まとめ

バーレーンの世界遺産「島の経済を表す真珠産業遺産」について紹介しました。バーレーンにとっては2つ目の世界遺産です。現在は真珠から油田へと変化しましたが、時代が変わっても真珠産業の黄金時代はこれからも語り継がれていくことでしょう。建造物などは現在もムハラク島に残っているので、バーレーンに訪れたらぜひ立ち寄ってみてください。

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