世界最古の砂漠で夕陽を眺める!ナミビアの世界遺産ナミブ砂海を歩こう

画像出典:Ev Thomas/Shutterstock

世界最古の砂漠で夕陽を眺める!ナミビアの世界遺産ナミブ砂海を歩こう

アフリカ南西部の国ナミビアには、世界最古の砂漠といわれる美しいナミブ砂漠があります。ナミブ砂漠は太平洋岸沿いに北はアンゴラ、南は南アフリカ共和国の国境付近まで、1000キロ以上に渡って続いています。

そのなかの南北約320キロ・東西120キロにわたるナミブ砂海と呼ばれる一帯は、世界中から絶景ファンが集まる人気観光スポット!外部と隔絶された独自の生態系をもっていることから、生物学的にも貴重なエリアです。そのため 2013年にナミビアで2件目の世界遺産に登録されました。

この記事では、地球上に数ある砂漠のなかでもとくに神秘的なナミブ砂海の魅力に迫ります。

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世界最古の砂漠で夕陽を眺める!ナミビアの世界遺産ナミブ砂海を歩こう

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ナミブ砂海とは?

出典: 瀬島 傑 / PIXTA(ピクスタ)

ナミブとは、現地の主要民族サン人の言葉で「何もない」という意味。その名の通り、南北1200km以上、東西の最大幅160km以上にわたり、高さ100~300mにも達する砂丘が延々と続くのみです。世界最古の砂漠といわれるナミブ砂漠ができたのは、なんと約8000万年前!砂漠と海の境目は、しばしば濃霧が発生して船が難破することから「スケルトンコースト(骸骨海岸)」とも呼ばれています。

美しい砂漠は世界中にたくさんありますが、ナミブ砂海の特徴は砂丘の色。なんとも温かみのあるオレンジ色で、アプリコット色ともいわれています。ナミブ砂海の砂は鉄分を多量に含んでいて、その砂が何万年も太陽に焼かれているうちに赤みを帯び、このような美しい色合いになったのです。見渡す限りの砂と岩石の世界、自分がどこにいるのかも分からなくなってしまいそうな絶景が広がります。

ナミブ砂海へのアクセス

世界遺産ナミブ砂海の最寄りの都市は、北端近くのウォルビスベイか、南端近くのリューデリッツです。どちらも郊外に空港があり、首都ウィントフックからの国内便が就航しています。ウォルビスベイ空港には、ほかに南アフリカのケープタウンからの便もあります。

日本からウィントフックへの直行便はなく、ケープタウンやヨハネスブルク、あるいはドイツのフランクフルトやミュンヘンを経由する必要があります。ウィントフックからは車でナミブ砂海に向かう方法もあり、およそ4時間かかります。

世界遺産の砂漠地帯にはキャンプ場も点在しているので、これらの都市で車をレンタルして個人で訪れることも可能です。ただし、十分な装備が要るので、宿泊付きのツアーに参加したほうが無難です。

ナミブ砂海のおすすめポイント①:ソーサスフレイ

出典: Gemirin / PIXTA(ピクスタ)

ナミブ砂海の絶景ポイントの1つが、車で行ける砂丘群の一番奥にあるソーサスフレイ(Sossusvlei)です。フレイはアフリカーンス語で「沼地」、ソーサスは現地ナマ語で「終わり」という意味。沼地とはいうものの水が溜まっていることはほとんどなく、干上がって塩が残った白い土地が見えるのみです。

周囲には、直線と曲線のはっきりした「絵画のような」砂丘の風景が広がっています。一番大きい砂丘にはビッグダディと名前が付けられていて、その向こうにはビッグマミーもあるんですよ。

さらにソーサスフレイの最奥には、500年前までは湖だったデッドフレイがあります。カラカラに干上がった沼地に枯れ木がまるでミイラのように点々と立っていて、名前のとおり「死の沼地」と呼ぶべき景色を見ることができます。これらの湖に水が張るのは、雨季に降った雨が地下水脈を通り砂漠のくぼ地に表出したとき。条件がそろった時のみ、それも数年に一度出没する湖なので、見られたらラッキーを通り越して奇跡といえるでしょう。

ナミブ砂海のおすすめポイント②:DUNE 45

出典: spinna / PIXTA(ピクスタ)

延々と続く美しいソーサスフレイの砂丘群のなかで、「DUNE 45(デューン45)」は登頂が許可されている数少ない砂丘の1つ。ナウクラフト・ナショナルパークのセスリムゲートから45キロ地点にあることから、その名がつけられました(Duneは英語で砂丘の意)。

世界遺産ナミブ砂海に無数にある砂丘のなかでもとくに美しいといわれるDUNE 45でのおすすめは、昇る朝日と沈む夕日を拝むこと!砂丘が朝日や夕日にあかあかと照らされて、その色合いを刻々と変える姿はなんとも神秘的ですよ。もちろんそれ以外の時間帯にも、360度の砂丘のパノラマを堪能することができます。砂肌に刻まれた風紋や砂丘自体も風により少しずつ変化しているので、一瞬たりとも同じ景色はありません。

ただし、ナミブ砂海の日中はとにかく暑い!外気温もさることながら、日光にじりじりと熱せられた砂の塊はフライパン状態です。砂丘に登るのは意外に大変で、砂の粒子が細かいので足を踏み出すそばから崩れていき、なかなか前に進めません。脅かすようですが、なれれば30分もあれば登頂できるはず。砂山を登るのに登山靴は無用で、脱げにくいサンダルかいっそ裸足の方が歩きやすいですよ。

ナミブ砂海のおすすめポイント③:生きもの観察

出典: Michal Cerny

こんな過酷な砂漠に生き物は何もいないのではと思ってしまいます。ですが実は、さまざまな動植物や昆虫が、この環境で生き抜くための工夫をこらしながら暮らしているのです。ポイントとなるのは霧。ナミブ砂海では雨が降らない代わりに、時おり海からの濃霧が100km以上離れた砂漠の奥まで吹き流されてきます。

サカダチゴミムシダマシという虫は、霧が出ると逆立ちをして、溝のついたお椀型の体に水滴を集めます。溝を通って口に集まる水滴を吸って水分を補給しているのです。目に霧を集める夜行性のトカゲや、横向きに高速移動する蛇、水分を保有する植物に寄生するカメムシなど、世界遺産の砂漠に暮らす生物は、それぞれ他の地域では考えられないような独自の進化を遂げています。

とくに珍しいのが、1000~2000年という長寿の植物ウェルウィッチア。数メートルもの地下から水を吸い上げる強靭な根をもち、さらに空気中の霧からも水分を吸収する葉を発達させています。こうした固有種の生き物を観察するのも、世界遺産ナミブ砂海の大きな楽しみの1つ。ナミブ砂漠のどこででも出会うチャンスがあるので、移動途中もしっかり外に目を向けましょう。

◎まとめ

ナミブ砂漠周辺は交通の便が悪いので、レンタカーでキャンプサイトに宿泊しながらの観光も有力な手段です。バックパッカーを中心に人気があります。ただ、周りに何もないのでスピード感が狂ったり、未舗装の道路が多いことから事故も多発しています。砂漠での運転に不安がある場合は、無理をせず現地のツアーやドライバーを頼りましょう。

一生に一度は見たい絶景などのランキングに、常連でランクインしている世界遺産のナミブ砂海。アプリコット色の砂漠が、日本から遥か遠いナミビアであなたを待っていますよ!

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