圧倒的なスケールの都市遺跡!ハンムラビ法典碑も出土した世界遺産スーサ

画像出典:درفش کاویانی (CC BY-SA 3.0)

圧倒的なスケールの都市遺跡!ハンムラビ法典碑も出土した世界遺産スーサ

古代のイランには、ギリシャがうらやむほどの富を湛えたアケメネス朝ペルシャ王国がありました。その都スーサは、なんと紀元前30世紀ごろから都市として栄えていたとみられています。

現在はルーブル美術館に収蔵されている有名なハンムラビ法典碑が見つかった遺跡でもあるスーサ。古代の西洋文明史を語るうえで欠かせない存在といえます。その歴史的な価値に比べるとやや遅いともいえる2015年に、スーサは世界遺産に登録されました。

目次

圧倒的なスケールの都市遺跡!ハンムラビ法典碑も出土した世界遺産スーサ

スーサとは?

出典: درفش کاویانی (CC BY-SA 3.0)

イラン南西部のザグロブ山脈のふもとに位置するスーサの丘には、紀元前4000年ごろには神殿施設が建てられていました。紀元前3200年ごろからはエラム人による国家が誕生しましたが、スーサはすでにその首都でした。

紀元前7世紀には、アッシリアの王アッシュールバニパルによってスーサは陥落し、町は徹底的に破壊されます。ですが、紀元前540年にアケメネス朝ペルシャに占領されると、スーサはその都として再建されます。紀元前520年にダレイオス1世がベルセポリスを建設した後も、事実上の政治機能はスーサに置かれ続けました。

紀元前331年にマケドニア王国のアレクサンドロス大王によってアケメネス朝は滅ぼされ、スーサも攻め落とされます。その後は地方都市として存続しましたが、1218年にモンゴルが侵攻してスーサは再び破壊されます。以後再建されることなく、廃墟となって今日に至っています。

スーサへのアクセス

世界遺産スーサの最寄りの都市は北のデズフールです。スーサにはイラン縦貫鉄道の駅があり、デズフール空港の近くにも同じ鉄道路線のアンディーメシュク駅があります。スーサ駅から世界遺産スーサまでは2kmほどなので、歩いて行くこともできます。

また、イラン南方の都市アフワズを拠点とする方法もあります。アフワズからも鉄道でスーサにアクセスできますが、こちらからはバスツアーに参加するのが便利でしょう。車なら、アフワズからスーサまで1時間から1時間半ほどです。アフワズにも空港がありますが、デズフールと同じく日本から行く場合はテヘランを経由する必要があります。

スーサのおすすめポイント①:アパダーナ

出典: カスバ / PIXTA(ピクスタ)

広大なスーサの都市遺跡はほとんどが遺構のみとなってしまっていますが、それでもアパダーナは比較的良好に残っています。ダレイオス1世によって建設された宮殿の、謁見の間といわれているアパダーナでは、修復された土台部分や柱などの遺物を目にすることができます。

正方形のアパダーナの前には、王の冬宮跡がやはり地表復元されています。その規模の大きさを見れば、スーサを治めてきた代々の王の権勢のほどをうかがい知ることができるでしょう。

スーサのおすすめポイント②:アクロポリス

出典: درفش کاویانی (CC BY-SA 3.0)

アパダーナの南には、スーサのはじまりの場所であり、紀元前4000年にはすでに神殿が営まれていたとされるアクロポリスの丘があります。アクロポリスの神殿跡からは、シルハク・インシュシナク碑文が刻まれた紀元前1200年ごろのものとされる青銅製の神殿模型も発掘されています。

またアクロポリスの北端には、1890年代にフランス人考古学者が建設した「スーサ城」があります。世界遺産スーサの遺跡とは直接関係のない中世ヨーロッパ風のお城の建物なのですが、スーサを上から俯瞰するのにちょうどよい施設となっています。

◎まとめ

イランの世界遺産スーサについてご紹介しました。

圧倒的なスケールや、かつての生活や文化などを窺い知ることができる可能性を秘めている点など、スーサには古代ロマンをかき立てる魅力がいっぱいですよ。

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