世界で最も高いレンガ造りの塔!イランの世界遺産ゴンバデ・カーブース

画像出典:Lars Holmer (CC BY 3.0)

世界で最も高いレンガ造りの塔!イランの世界遺産ゴンバデ・カーブース

インドのゴレスターン州には、世界で最も高い完全なレンガ造りの塔があります。それはゴンバデ・カーブースという塔で、1000年以上前に建設され、2012年に世界遺産に登録されました。

ズィヤール朝の首都であるジョルジャーンの古代都市から、北部に約3kmという場所にあるゴンバデ・カーブースは、残された碑文から1006年頃に当時の君主であったカーブースの命によって建設された墓塔だということが判明しました。その圧倒的なスケールや後の建築物にも影響を与えた建築様式など、ゴンバデ・カーブースには様々な魅力が満載。今回はそんなイランの世界遺産、ゴンバデ・カーブースについてご紹介します。

目次

世界で最も高いレンガ造りの塔!イランの世界遺産ゴンバデ・カーブース

ゴンバデ・カーブースとは?

出典: ramin shirsavar (CC BY 3.0)

ゴンバデ・カーブースは、焼きレンガで製作された塔で、世界で最も高い完全レンガ造りの塔として人気の観光スポット。その高さは土台部分を含めると約72mもあり、ビルでいうと20階から22階の建物と同じぐらいになります。

ゴンバデ・カーブースは、10世紀から11世紀にかけてズィヤール朝ペルシアの首都だった町。中央アジアのイスラム都市として繁栄したゴルガンという都市に建設された霊廟墓塔で、そこに埋葬されたのは、ズィヤール朝第四代国王のカーブース・ワシュムギールでです。その名前からゴンバデ・カーブースという名称がつけられました。

その後ズィヤール朝は、14世紀に行われたモンゴル軍の侵略によって滅亡しましたが、このゴンバデ・カーブースだけは唯一破壊を免れた貴重な文化遺産です。内層と外層からなる二重のリブは、後世のモスクをはじめとした建築様式に多大な影響を与えました。ゴンバデ・カーブースは、ペルシアと中央アジア遊牧民との文化交流の証拠としても、貴重な存在になっています。

ゴンバデ・カーブースへのアクセス

イランまでの直行便はないため、中東やイランで乗り継ぎ、ゴルガーンまで行きます。ゴルガーン空港からは、ゴルガーン市内までタクシーで約10分というアクセスの良さが魅力。ゴルガーン市内からゴンバデ・カーブースは、市内から運行しているバスでの観光がおすすめです。

ゴンバデ・カーブースのおすすめポイント2

レンガ造りの塔の外観

出典: Ahb1989 (CC BY-SA 4.0)

西暦1006年頃に墓塔として建設されたゴンバデ・カーブースは、世界で最も高い完全なレンガ造りの塔としても知られ、なんといっても外観が一番の見どころ。初期イスラム建築の最高峰であるゴンバデ・カーブースは、土台部分が十角形、先端部分が円錐形で構成されており、最も美しい比とされている「黄金比」の近似値である1.618の比率となっています。

1000年以上も前の建築物で、どのような比率が美しいかを考えられたうえで建設されているのは、興味深いですね。当時の建築技術の高さや歴史的な建造物の雰囲気感じられます。

塔の内部

出典: سیمرغ کوچولو (CC BY-SA 3.0)

外側から見るゴンバデ・カーブースは、10本の房飾りが付いているため十点星になっていますが、内側は円柱です。十点星の房飾りは、太陽や彗星などの光のすじを表しているともいわれています。このような形は、当時のトルコ系の遊牧民が、昔からの縁故のある土地でトーテム・ポールのような柱への信仰や、居住していたテントの形に影響されたとも言われています。

ゴンバディ・カーブース以降に建てられた墓塔は、遊牧民の増加とともに広がりました。内装にはムカルナスと呼ばれるイスラム建築で使用される持ち送り構造の装飾の一種が見られるので、是非じっくり見学してみてくださいね。

◎まとめ

イランの世界遺産ゴンバデ・カーブースについてご紹介しました。スケールの大きさや内装、建築様式や黄金比など1000年以上に建てられたとは思えないものばかり。地元の人々や観光客も魅了するレンガ造りの塔を見学してみてはいかがでしょうか。

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