都市の繁栄を支え続けたイランの世界遺産！シューシュタルの歴史的水利施設

イランのフーゼスターン州には、3世紀に創設されてから現在もなお利用されている歴史的な水利施設があります。シューシュタルにある水利施設で、イランで最長のカールーン川の水を町中に供給するため創設されたもの。

一時は衰退したシューシュタルですが、その後再建し2009年にはシューシュタルの歴史的水利施設という名で世界遺産にも登録されたました。今回はそんなイランの世界遺産、シューシュタルの歴史的水利施設についてご紹介します。

シューシュタルの歴史的水利施設とは？

シューシュタルの歴史的水利施設は、イランのフーゼスターン州にある古代以来の要塞都市シューシュタルにあります。3世紀のサーサーン朝ペルシア時代に創設されて以降、使用され続けている施設として世界的に注目を集めています。イラン国内で最長のカールーン川の水を周辺に張り巡らせた水利網「Ghanat」によってシューシュタルの町に供給しました。

これらの水利網「Ghanat」群は、今でも地下室で見ることができます。サーサーン朝における夏の首都として繁栄していたシューシュタルですが、19世紀以降は衰退の一途をたどりました。シューシュタルの歴史的水利施設も存亡の危機になりましたが、1973年にモハンマド・レザー・パフラヴィーが荒廃したシューシュタルの再建に乗り出しました。

フーゼスターン州における農業振興を目的としたこの再建は功を奏し、シューシュタル旧市街の対岸にシューシュタル・ニュータウンを建設する等経済発展を遂げます。シューシュタルの歴史的水利施設によって、1日に14トンもの粉を引くことが可能になり、製粉業の発展や水力発電で、イラン国内でも有数の電力量を供給することができました。

シューシュタルの歴史的水利施設へのアクセス

シューシュタルの歴史的水利施設へ訪れる際は、州都であるアフヴァーズを拠点にすることをおすすめします。アフヴァーズはシューシュタルの歴史的水利施設から約92㎞離れているため、運行しているバスをご利用ください。所要時間約1時間半でシューシュタルの歴史的水利施設に到着。最寄りのアフヴァーズ空港は、アフヴァーズ市内に隣接しているため、空港からタクシーですぐにアフヴァーズ市内まで移動できます。

シューシュタルの歴史的水利施設のおすすめポイント2

町中に広がる水路

シューシュタルの歴史的水利施設の見所として、シューシュタルの町に張り巡らされた美しい水路が挙げられます。イラン国内で最も長いカールーン川の水を町中に供給し、3世紀から変わらず水が流れる水路は、神秘的な雰囲気。

シューシュタルの町を散策すると至る所に水路が見られ、橋からは大規模な水路や水利施設などを見学することができます。歴史的な雰囲気を感じるシューシュタルの町並みと、神秘的でありながらも美しい水路のコントラストは見事で一見の価値あり。川のカーブを利用したダムや、高い位置に貯水池を作り、岩盤を掘っていくつもの水路へと流すなどの高度な工夫がされています。

様々な建築物

シューシュタルでは、水路や水利施設だけでなく、様々な建築物も見どころの一つ。その中でもシューシュタルの歴史的水利施設で有名なスポットとして、サラセル城があります。水利システムの制御や意思決定を行う中心となっていた場所で、様々な施設が揃っていました。

現在は廃墟となっていますが、シューシュタルの中心部にあるので是非見学してみてください。近くには小さな洞窟もあり、入ることもできます。さらにサラセル城の裏手には大きな川もあるので、その眺めも併せて楽しんでくださいね。

◎まとめ

イランの世界遺産、シューシュタルの歴史的水利施設についてご紹介しました。3世紀から創設された歴史の長いこの水利施設は、シューシュタルの繁栄を支え続けた世界遺産です。是非イラン観光の際には、神秘的な雰囲気を醸し出すシューシュタルの歴史的水利施設を見学してみてはいかがでしょうか。

都市の繁栄を支え続けたイランの世界遺産！シューシュタルの歴史的水利施設