トーゴ唯一の世界遺産クタマクでバタマリバ人の生活に触れてみよう!

画像出典:alantobey

トーゴ唯一の世界遺産クタマクでバタマリバ人の生活に触れてみよう!

西アフリカに位置するトーゴ共和国には、1つだけ世界遺産があります。トーゴ北東部にあるクタマク(Koutammakou)という土地には、少数民族のバタマリバ人が今でも伝統集落で農業や林業を営みながら暮らしているのですが、その文化的景観が評価され2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されたのです。

このクタマクのシンボルともいえるのが、伝統住居の「タキヤンタ(Takienta)」。泥で出来たこの塔のような建物は、入り口は人間の口、窓は目を表しており宗教的な意味があると言われているんですよ。
今回は、そんなトーゴ共和国の世界遺産「クタマク・バタマリバ人の土地」についてご紹介していきます。

目次

トーゴ唯一の世界遺産クタマクでバタマリバ人の生活に触れてみよう!

クタマク・バタマリバ人の土地とは?

出典: David Bacon/Flickr

トーゴの世界遺産「クタマク・バタマリバ人の土地(Koutammakou, the Land of the Batammariba)」に集落が出来たのは、およそ16世紀頃だと言われています。現在も牧畜や農業、林業などで生計を立てているというバタマリバ人の生活は、家屋や仕事そして農地や森林などの自然環境すべてが独自の信仰、儀式に関連しているというのが特徴です。

バタマリバ人独特の家屋といえば、泥造りで搭のような形をした「タキヤンタ」。このタキヤンタは自由に作ることを禁止されており、集落では成人した者のみがタキヤンタを持つことが許されています。
ちなみに、「成人」といえどもはっきりと年齢は定められておらず、儀式さえしっかり行えば若くても「成人」と見なされるそうですよ!ただ、その成人になるための儀式というのがこれまた独特なんです。

それが「成人を迎える人の家の前で、大人たちが笑顔のままお互いを鞭や斧で打ちあう」というもの。衣服こそ身に着けていますが防具などは全く持たずに行われるため、儀式が終わると体中が傷だらけになるのだとか。それゆえ、バタマリバ人は「我慢強い民族」として知られています。

イスラム教徒とキリスト教徒が国民の約半数を占め、残りの半数を伝統宗教が占めるというトーゴ共和国らしく、バタマリバの人々も独自の文化を守り続けながら生活しているのですね。この独特の宗教観が作り出す集落の文化的景観が高く評価され、2004年にはトーゴ共和国初の世界遺産に登録されました。

クタマク・バタマリバ人の土地へのアクセス

クタマクは、トーゴの首都ロメ(Lome)から北に500Km以上離れたところに位置します。日本からロメまでの直行便はありませんが、フランスのパリからは毎日2便ほど運航しておりますので、経由便を利用してまずはロメに入りましょう。成田からのフライト時間は最短で約33時間です。

トーゴでの交通手段は、基本、乗り合いタクシーかブッシュタクシー(ミニバス)のみとなります。
クタマク近くのカラ(Kara)という小さな町までなら長距離バスが出ていますので、そちらを利用するのも良いでしょう。バスでの所要時間は約7時間です。

カラから国道1号線を70Kmほど北上すると、世界遺産のクマタクに到着します。カラの街中にはガイドがたくさんいるので、自身で車とガイドを手配してから向かうのがおすすめです。タクシーやバイク、ブッシュタクシーなども利用できますが、金額がまちまちですので料金交渉をお忘れなく!

クタマク・バタマリバ人の土地のおすすめポイント

◆タキヤンタ

出典: Damien Halleux Radermecker/Flickr

トーゴの世界遺産「クタマク・バタマリバ人の土地」のシンボルといえば、ユニークな見た目が印象的な「タキヤンタ(別名:タタ)」。独自の宗教観を持っているバタマリバ人らしく、建物の入口は口、窓は眼、石臼は歯、穀物の蔵は胃を表しているといわれています。ちなみに、タキヤンタは氏族別に分けられているそうですよ。

儀式を行う場として利用されているというタキヤンタでは、かの有名な「成人の儀式」も行われています。大人たちは新しく成人を迎える人の家の前で、鞭や斧などを使って互いを打ち合うのですが、その間、新成人は自分の姿を見られないよう家の中に閉じこもるのだとか。新成人は家の中で大人同士が打ち合う音を聞きながら、争っていることを自覚し、成人になったことを認めてもらうのです。

かつては、クタマクよりももっと北の方でモシ人と共存していたというバタマリバ人。数百年前にこの地に移り住み、タキヤンタを建て始めたと考えられているのですが、はっきりとしたことは未だ明らかになっていません。現時点で確認することができる最古のタキヤンタは19世紀末のもので、その記録は写真にも残されているそうです。

クタマク・バタマリバ人の土地観光の際の注意点

クタマクはトーゴ唯一の世界遺産ですが未だ観光地化されていないため、勝手に歩くとトラブルを引き起こす可能性があります。まずは村の入口にある小屋で入域料を支払い、村長に挨拶をした上で見学するよう注意しましょう。

特に「タキヤンタ」には先祖の霊が宿ってると考えられているので、大きな声を出したり足音をたてるのは厳禁。写真撮影はできますが、人物が入らないよう配慮しつつ撮影するのがマナーです。
ちなみに、人物が入り込んでしまった場合は、追加料金を請求されることもあるそうですよ。

◎まとめ

バタマリバ人の伝統家屋である「タキヤンタ」は一見原始的に感じられますが、彼らが信仰する宗教と固く結びついたとても神聖な建物なのです。見た目のユニークさだけでなく、バタマリバ人の知恵がたくさん詰まった実用的な建物であるという点にも注目してみてください。
5万ヘクタールもの広大な敷地に、整然と並ベ建てられたタキヤンタたち。その姿はまさに圧巻ですよ!
トーゴ唯一の世界遺産「クタマク・バタマリバ人の土地」へ、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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