名称:パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観
住所:Palestine
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1492
地中海の東岸に位置し、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地であるパレスチナ・エルサレム。アフリカともほど近く、古くから交易や文化的な意味でも重要な土地でありつづけた場所です。そんなエルサレムの南部に位置するバティール村は豊かな土壌を持ち、古くから食料の供給地として発展しました。水無し川の谷とおよそ2000年前に造られた美しい段々畑が特徴で、オリーブやワインの原料となるブドウなどがつくられています。のどかな村の世界遺産「パレスチナ、オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観」をご紹介します。
目次
パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観とは
エルサレム南部のバティール村にある世界遺産「パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観」。このヨルダン川西岸地区の高原にある丘陵地帯は、およそ2000年前の古代ローマによる段々畑や灌漑のシステムが今も現役で使われているんですよ。「ワジ」と呼ばれる水のない川や柵に石を用いた段々畑が、特徴的な美しい景観をつくりだしています。ここではオリーブ、ブドウをはじめアーモンドやそのほかの穀物や野菜がつくられている実り豊かな場所なんですよ。
現在この場所を占領しているイスラエルによる、同村を通る大規模な分断壁建設計画が判明。パレスチナ自治政府による緊急要請もあり2014年、世界遺産と危機遺産に同時登録されました。
パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観へのアクセス
エルサレム市内まではベングリオン空港から直行のシェルート(乗合バス)で向かうことができます。
テル・アビブからはバスターミナルTel Aviv Central Bus Station 、Tel Aviv 2000 Terminalからバスが出ています。もしくはJerusalem Malha駅まで鉄道で行き、そこからバスに乗り換えて行くこともできます。
ベツレヘムからもバティール村への直行バスが出ています。
パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観のおすすめポイント
美しい田園風景
出典: Inspired By Maps / shutterstock
「パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観」の魅力といえば、その田園風景です。
日本や東南アジアなど様々な国で見られる段々畑ですが、バティール村のものはローマ帝国時代につくられた石積みの仕様。周囲の美しい自然と相まってここでしか見ることができない、素晴らしい景観を生み出しています。
村のレストランでここで採れた作物使った料理も楽しめますよ。しかし観光客が少ない場所なので、アポなしだとレストランが閉まっている場合も考えられます。事前に観光センターに連絡を入れておくことをオススメします。
ローマ帝国のが残した遺産
出典: Inspired By Maps / shutterstock
もう一つのオススメといえるのが、約2000年前にローマ帝国がこの地に残していった様々な遺産です。石積みの段々畑はもちろんのこと地下水脈を利用した灌漑システムや当時に作られたプールなど、現在も人々に利用されている設備が多いことに驚かされます。古代ローマ人の墓地や要塞の遺跡などもあり、散策してローマ人たちの足跡を見つけるのも楽しいですよ。
パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観の注意事項
バティール村はとてものどかで平和な場所ですが、イスラエル・パレスチナ問題は未だ解決策の見えない問題として影を落としています。必ず外務省の海外安全情報ページで情勢をこまめにチェックするようにしましょう。
観光客が訪れることが少ない村なので、アポなしで行くとお店などが営業していない場合も考えられます。事前に観光センターBattir Landscape Ecomusuemに訪れることを連絡しておきましょう。
◎まとめ
パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観をご紹介しました。美しい景観を持つ、山奥の小さなバティール村。古代ローマ帝国の技術が今も生きている場所でもあります。イスラエル・パレスチナ問題は混迷を極めていますが、こんな素晴らしい場所が無くならないことを祈らずにはいられません。