ゾロアスター教とササン朝ペルシャの聖地!世界遺産「タフテ・ソレイマーン」

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ゾロアスター教とササン朝ペルシャの聖地!世界遺産「タフテ・ソレイマーン」

イランの北西部のタカブ近郊には、世界遺産に登録されているタフテ・ソレイマーンという遺跡があります。3~7世紀に栄えたササン朝ペルシャの国教であるゾロアスター教の聖地とされていました。

深さ・直径ともに100mほどの火山湖の周囲に神殿や宮殿が築かれ、さらに城壁で囲った都市遺跡。イランにイスラム教が広まる前の建築思想を伝える重要な遺跡として、2003年に世界遺産に登録されました。

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ゾロアスター教とササン朝ペルシャの聖地!世界遺産「タフテ・ソレイマーン」

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タフテ・ソレイマーンとは?

出典: Alirezatajfar (CC BY-SA 4.0)

ササン朝ペルシャは紀元後226年に成立した王朝ですが、その国教であるゾロアスター教は、紀元前6世紀ごろにはすでにペルシャに広まっていたといわれています。タフテ・ソレイマーンとは、「ソロモン王の玉座」という意味で、紀元前10世紀の古代イスラエルの王ソロモンが、この湖に怪物を閉じ込めたという伝説にちなんでいます。

ゾロアスター教は、善と光を象徴する最高神アフラ・マズダーを崇拝する宗教。そのため、光の象徴として「火」を尊んでいました。ひと口に火といっても、「祭司の火」「戦士の火」「農耕・遊牧民の火」に分けられていて、タフテ・ソレイマーンはその中の「戦士の火」を扱う国家として最重要の拝火檀であったと考えられています。

この遺跡は、祭壇から宮殿まで日乾煉瓦で建てられ、627年にビザンティン帝国によって破壊されました。644年には、ササン朝も滅んでしまいます。その後13世紀には、モンゴル帝国のイル・ハーン国時代に、統治者イルクハン・アバカーンの邸宅として一部再建されたり宮殿が新築されたりしました。14世紀にイル・ハーン王朝が滅ぶと、タフテ・ソレイマーンは再び廃墟となったと考えられています。

タフテ・ソレイマーンへのアクセス

タフテ・ソレイマーンはイランの首都テヘランの西約400kmに位置している世界遺産です。この世界遺産を観光する際には、タフテ・ソレイマーンの南西およそ40kmほどの町タカブを拠点にするのが一般的です。タカーブからはタフテ・ソレイマーンへ向かうバスが運行しているので、それを利用するかタクシーで訪ねましょう。

ただし、タカーブまではテヘランからハマダーン、サナンダージ、ビザールなどと乗り換えを繰り返してかなりの時間を要します。確実に訪ねるには、テヘランかハマダーンからツアーに申し込んだ方が良いでしょう。

タフテ・ソレイマーンのおすすめポイント①:湖畔の遺跡

出典: Neeku Shamekhi (CC BY-SA 4.0)

火山湖を中心としたタフテ・ソレイマーンの遺跡は、湖の北と西側に建造物跡が集中しています。北側にはタフテ・ソレイマーンのメインとなる拝火神殿の跡や、アナーヒター神殿、またタフテ・ソレイマーンへの唯一の門であった北門があります。

西側の遺跡では、天井もなくむき出しの石で作られた壁の中を散策することができます。「ウェスタン・ギャラリー」と呼ばれている場所では、建物に施された装飾の一部や写真の展示を見学することができますよ。

これらの遺跡群は自由に散策することができますが、タフテ・ソレイマーンは広大なので、チケット売り場であらかじめマップを入手しておきましょう。また、周囲には人家ひとつないので、圧倒的なスケールの風景を楽しむことができることも、世界遺産タフテ・ソレイマーンの魅力の1つです。

タフテ・ソレイマーンのおすすめポイント②:火山湖

出典: DAVID HOLT (CC BY-SA 2.0)

タフテ・ソレイマーンが聖地とされるのは、中心にある火山湖の伝説によるものです。山脈に囲まれた小さな丘の上にあるこの火山湖は、荒涼とした大地にあって神秘的な雰囲気を醸し出しています。湖と湖畔の遺跡の組み合わせというのは、記念写真を撮影するにも最適です。

かつてソロモン王が怪物を閉じ込めたという伝説が残るこの火山湖は、深さが平均60mあり、最も深い場所はなんと112mもあります。それにもかかわらず落下防止の柵やネットなどはとくに設置されていないので、あまり湖に深入りしないようにしてくださいね。

タフテ・ソレイマーンのおすすめポイント③:城壁

出典: Babak.golparian (CC BY-SA 4.0)

タフテ・ソレイマーンは城砦ではなく宗教施設ですが、その周囲は堅固な城壁にぐるりと囲まれています。城壁には一定間隔で塔が配置されていて、いかにここが重要な場所であったかがうかがえます。

かつてのタフテ・ソレイマーンの入口は北に設けられた城門に限られていて、今も目にすることができます。現在の出入り口は南側に設けられていますが、こちらの方が城壁の残存状況が良いというのもその理由かもしれません。

タフテ・ソレイマーンを訪れる際は、火口湖の外輪に築かれた城壁の跡もしっかり見学してくださいね。

◎まとめ

イラン北西部の世界遺産タフテ・ソレイマーンをご紹介いたしました。ゾロアスター教の聖地であるこの世界遺産では、スケールの大きな風景や火山湖を眺めたり、立体迷路気分で遺跡を散策したりと、普通の遺跡とは違った見どころがあります。

アクセスにはやや難がありますが、古代ペルシャの歴史に興味があれば、ぜひ訪れておきたい世界遺産です。

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