世界的に貴重な聖塔があるイラン初の世界遺産チョガ・ザンビール

画像出典:ninara (CC BY-SA 2.0)

世界的に貴重な聖塔があるイラン初の世界遺産チョガ・ザンビール

イランのフーゼスターン州には、世界的にも非常に貴重なメソポタミア地方以外でのジッグラトと呼ばれる聖塔が良好な保存状態で見学することができる遺跡があります。それがチョガ・ザンビールであり、1979年にイランで初めて世界遺産にも登録された観光スポットとなっています。

総面積1,648,000平方kmという圧倒的なスケールと、あくまで宗教のための施設であるがゆえに殺伐として味気ない風景が、他の世界遺産とは違った雰囲気を醸し出していますよ!今回はそんな世界遺産チョガ・ザンビールについてご紹介します。

目次

世界的に貴重な聖塔があるイラン初の世界遺産チョガ・ザンビール

チョガ・ザンビールとは?

出典: peuplier (CC BY 2.0)

1979年にイランで初めて世界遺産として認められた文化遺産であるチョガ・ザンビールは、イランのフーゼスターン州スーサという町から約40kmほど離れた場所に位置する古代遺跡となっています。

1935年に油田調査をしている最中に発見されたこの世界遺産は、紀元前13世紀にエラムの王が新たな宗教都市を建設した時の神殿であり、メソポタミア地方以外では数少ないジッグラット(聖塔)が存在することが特徴です。

チョガ・ザンビールは「町」として紹介されることもありますが、人々が居住していた形跡も記録もなく、総面積1,648,000平方kmもある巨大なこの複合遺産には祭司のみが住んでいたのではないかと推測されています。

なおこの圧倒的なスケールの大きさもチョガ・ザンビールの一つの見所ですが、未完成のままであったことも特徴の一つとして挙げられます。元々22の神殿が神々のために建設される予定であったチョガ・ザンビールですが、王の死によって計画は中止となり、実際には計画の半分である11の神殿しか建設されませんでした。

結局、未完成のまま宗教エリアとして1935年に飛行機から目視で発見されるまで、人の手が及ばずに大規模な破壊や変革を受けることなく、そのままの姿で残存していました。

チョガ・ザンビールへのアクセス

チョガ・ザンビールは数ある世界遺産の中でもトップクラスのアクセスの不便さとなっていますのでご注意ください。チョガ・ザンビールの最寄りの町はスーサですが、そこにはホテルやレストランなどもあまりありませんので、もう少し離れていますがホテルや交通の便も良いアフヴァーズという都市を拠点にすることをおすすめします。

アフヴァーズからスーサまではバスで約2時間ほどの移動時間を要し、さらにスーサからチョガ・ザンビールまでは約1時間ほどかかります。アフヴァーズから直接チョガ・ザンビールまでタクシーで向かうか、スーサまでバスで向かい、そこからタクシーで向かうことをおすすめします!なおアクセスの不便さから、帰りの交通手段を確保しておくことを忘れないようにしましょう。

チョガ・ザンビールのおすすめポイント2

1.ジッグラト

出典: ninara (CC BY-SA 2.0)

ジッグラトとは、古代メソポタミアにおいて日乾煉瓦を用いて数階層に組み上げて建てられた巨大な聖塔のことを指し、ほとんどメソポタミア地方でしか見ることができませんが、チョガ・ザンビールではメソポタミア地方以外でジッグラットを見学できる数少ない観光スポットです。

チョガ・ザンビールには遺跡を囲うような3つの壁があり、それ故に三層構造となっています。一番外側の壁から真ん中の壁の間は王家の宮殿や陵墓として、真ん中の壁から内側の壁までの間は神々を祀る神殿として利用され、内側の壁から内部がジッグラトと呼ばれる最高神のための神殿となっています。

底辺が100m以上であり、現在は崩れ落ちて30mほどしかありませんが建造当時は5層構造の高さは50m以上あったと推測されるそのスケールの大きさはまさに圧巻ですよ!

ぜひチョガ・ザンビールに足を運んだ際は、メソポタミア地方以外で見ることが珍しく、さらにはエラムの人々によって神に最も近い場所として祀られていたジッグラトを見学してみてくださいね。

2.11の神殿

出典: Mohamadtaslimi (CC BY-SA 4.0)

チョガ・ザンビールはもともと22の神殿を建設する予定でしたが、王の死去により計画がとん挫し11の神殿しか建設されませんでした。しかし今でもその11の神殿はチョガ・ザンビールにおいて、ジッグラトに次いで人気のある観光ポイントとなっています。

チョガ・ザンビールでは中央にあるジッグラトが一番神聖な場所として扱われていましたが、ジッグラトをぐるりと囲むように連なって建設されている11の神殿もそれに次ぐ神聖な場所としていました。

ジッグラトと似たような造りで構成されているこれらの神殿は、あくまで宗教のための施設であるがゆえにジッグラト以外ほとんど特筆すべき特徴のないチョガ・ザンビールの中では、非常に目立つ存在となっていますよ!

◎まとめ

イラン初の世界遺産チョガ・ザンビールについてご紹介しましたが、いかがでしたか?日本では考えられないような圧巻のスケールと、世界的に貴重なジッグラト、また計画の半ばで中止となった11の神殿など、チョガ・ザンビールには様々な魅力が詰まっています。イランに観光に訪れた際は、ぜひそんなチョガ・ザンビールに足を運んでみてはいかがでしょうか?

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