【世界遺産】中国大運河とは?|国を傾けた巨大プロジェクト!?

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【世界遺産】中国大運河とは?|国を傾けた巨大プロジェクト!?

中国の世界遺産の一つ、「中国大運河」についてご紹介します。

中国の歴史を大きく動かした「中国大運河」。隋の時代が建設され、暴君のイメージが強い「隋」の皇帝「煬帝」が行ったもっとも有名な事業でもあります。運河の開削によって、それまで陸路でしか往来できなかった北部の黄河流域と南部の長江流域が結ばれ、中国統一の基盤が整備されました。北京と杭州を繋いでいるので、「京杭大運河」と呼ばれることもあります。

世界に大きな運河は数あれど、現在でも単に「大運河」といえばこの世界遺産の「中国大運河」を指すくらいメジャーな存在です。以下でその詳細情報を覗いてみましょう。

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【世界遺産】中国大運河とは?|国を傾けた巨大プロジェクト!?

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京杭大運河とは?

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京杭大運河はおよそ2500kmという途方もない長さをもっています。隋の以前から中小規模の運河はいくつかありましたが、604年に2代皇帝煬帝が即位すると、天津から杭州に至るルートの全線開通に乗り出します。このプロジェクトには周辺から膨大な人数の民が徴発され、とくに黄河と淮水を結ぶ通済渠(つうせいきょ)では100万人を動員し、たった5ヶ月で完成させたとされています。

大運河は610年に完成しましたが、煬帝は民衆の反感を買い、各地で反乱を呼ぶことになってしまいました。煬帝は部下に殺され、隋も2代で滅んでしまいましたが、国を傾けてまで開かれた大運河は、その後も中国の大動脈として使われ続けました。近代化が進むと、さすがに重要度は逓減しましたが、今なお現役で中国の経済活動を支えています。

中国史における重要性や周辺の景観などが評価され、2014年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。ただし、約2500kmのすべてが対象となったわけではなく、断続的に31の構成資産から成っています。

大運河へのアクセス

一口に大運河へのアクセスといっても、北から南までのどの部分を訪ねるかによって大きく異なります。大運河を観光するなら、日本からの直行便もある杭州や街自体が人気の蘇州、そしてその間にある湖州市南潯など、南部水郷地帯がおすすめです。蘇州へは、上海から鉄道が毎日約60往復しています。

大運河本線から少し外れたところにある景勝地なども世界遺産に含まれているので、これらの街を観光していれば、世界遺産大運河にしっかり触れたことになります。

大運河のおすすめポイント①:杭州

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「杭州」という名称が初めて用いられたのは、奇しくも大運河を建設した隋の時代でした。京杭大運河の南端にあたるこの街には、石造の重厚な鳳山水門遺跡や運河沿いの古い街並みが再現されいる富義倉(遺址公園)、雄大な傾斜が特徴的な拱宸橋といった世界遺産の見どころがあります。

また、大運河の近くには同じく世界遺産の杭州西湖があります。2つの世界遺産を手軽に回ることができるので、大運河を観光するなら杭州はおすすめです。水上バスや遊覧船も航行しているので、かつて水上交易でにぎわったようすを実際に体感することもできますよ。船から眺める杭州の街並みは美しく、とくに夜になると、お店や部屋の明かりが赤やオレンジにきらめいて幻想的ですよ。

大運河のおすすめポイント②:蘇州

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蘇州といえば、「東洋のヴェニス」とも称されるほど美しい水郷の街として人気の観光名所。大運河はこの街を流れ抜けていて、旧市街とも水路で繋がっています。旧市街の平江歴史地区や山塘歴史地区の街並みが世界遺産大運河の構成資産となっているほか、南西部に残る元代の城門「盤門」、運河の四つ辻に架かる長大な石橋「宝帯橋」などが登録されています。

蘇州には、大運河のほかにも市内に点在する歴史的な庭園群が、「蘇州古典園林」として世界遺産に登録されています。こちらも、杭州と同じく2つの世界遺産を観光できることになります。また大運河沿いには、『蘇州夜曲』にも登場する観光名所の寒山寺もありますよ。唐代の張継の詩に「夜半鐘聲到客船(夜半の鐘声客船に到る)」とある通り、大運河に船を浮かべて寒山寺の鐘に耳を傾けてみてください。

大運河のおすすめポイント③:南潯

出典: Stefan Fussan

杭州と蘇州の間に位置する湖州市の南潯(なんじん)は、大運河の支流の水路に囲まれた、静かで美しい集落です。大運河の本線からは少し離れていますが、ここも世界遺産に含まれています。日本でいうところの筑紫平野のクリークのようなもので、複雑に折れ曲がったいくつもの水路によって、地区内はさらに細かいエリアに区分けされています。

見事な蓮池のある小莲庄が観光の中心で、ここから水路巡りの小さな屋形船が出ています。船からは、水路と接して並ぶうだつのある商家の街並みを眺めることができますよ。杭州や蘇州より格段にこぢんまりとしていますが、そのぶん落ち着いてゆったり世界遺産観光ができるでしょう。

南潯には鉄道は通っていないので、湖州や嘉興など近隣の都市からバスやタクシーを利用するか、ツアーに参加する必要があります。

◎まとめ

大運河を建設した煬帝の「煬」とは、「礼を欠き、天に逆らい、民を虐げる」という意味で、本人に死語に付けられたものです。隋の後に建国された唐が、自らの正当性を主張するために故意に先帝を貶めたものともいわれていますが、大運河の建設が民の怨嗟の声を呼んだのは事実とされています。

ですが、多大な犠牲のもとに完成した大運河は、その後の中国の統一と発展に大きく寄与することになりました。そんな歴史を感じながら、世界遺産大運河の観光スポットを巡ってみてください。

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