名称:ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟
住所:Turkestan, Kazakhstan
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1103/
中央アジアとヨーロッパにまたがるカザフスタン共和国(通称カザフスタン)。最大都市のアルマトイはオフィスビルやホテル、カフェやショップなどお洒落な建物が立ち並んでいる大都会でありながらも、街中には緑があふれているので歩いて回るだけでも楽しいです。カザフスタンには古い歴史が残る世界文化遺産と、大自然が広がる世界自然遺産があります。今回は文化遺産の「ホンジャ・アフメッド・ヤサヴィー廟」について紹介していきます。
目次
未完成に終わった廟建築、ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟
ホンジャ・アフメッド・ヤサヴィー廟とは?
「ホンジャ・アフメッド・ヤサヴィー廟」は、カザフスタン南部のシルダリヤ川沿いにある未完成に終わった廟。中央アジアにおける典型的なイスラム建築の代表例で、イスラム教の聖地の一つでもあります。2003年に世界遺産登録され、カザフスタン初の世界遺産となりました。
廟には12世紀に活躍したスーフィーと呼ばれているイスラム教の神秘家ホンジャ・アフメッド・ヤサヴィーと、ヤサヴィー教団の歴代指導者の墓が置かれています。東ヨーロッパから北アジアの広大な地域で使われているテュルク語の方言を用意いた詩を創作する詩人として有名なアフメッド・ヤサウイは、スーフィズムの発展に貢献した先駆者。タリーカと呼ばれているイスラム教のスーフィズム教団を初めてテュルク語で創建しました。
ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟へのアクセス
カザフスタンの最大都市・アルマトイから、トルキスタンにある「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」までは車で約11時間かかります。
また、トルキスタン近郊の大きな街・シムケントのバスターミナルから、トルキスタンのバスターミナルまではミニバスでもアクセス可能です。所要時間は約3時間。トルキスタンのバスターミナルから「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」までは徒歩で約10分です。タクシーなども利用することができますよ。
ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟のおすすめポイント3
「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」の外部
「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」のシンボルとも言える美しいドームは、ペルシャの建築家によって設計されています。レンガや粘土、砂とセメントと水を混ぜたモルタルなどの建築材料を使用して、高さ約39メートルのダブル・ドームが完成しました。このダブル・ドームは、グリーンとゴールドのタイルでスカイブルーの屋根を縁っています。
南側のイーワーンという門の近くにあるミナレットは、未完成のまま放置されています。北側の入口は墓場に直接通じていて、美しいタイルの装飾が施され美しいです。しかし南側の入口にはそのような装飾が施されていないため、建設時期が異なっていると考えられています。
「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」の内部
「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」の中心となっているのは、参詣堂を意味するズィヤラット・ハーネ。直径20メートル、高さ40メートルの大広間です。そこには7種類の金属の合金で出来た大鍋が展示され、参詣者はその鍋の中に願をかけて賽銭を投げ入れます。
廟の南側にはハンマームという公衆浴場があって、15世紀から1975年まで使用されていました。そのハンマームの遺構を改装して現在はオリエント風呂博物館として運営しています。「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」はどの部屋も見どころ盛りだくさんですよ。尚、内部は撮影禁止になっています。
建物の歴史
現在の「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」は14世紀末に建造されたものです。ティムール朝の建国者・ティムールが2年の歳月をかけて建造しました。その後増築の計画が実行されましたが、1402年ティムールの他界により増築計画は中断。未完成のまま終わったのです。
しかし1994年にトルコ共和国との協定が締結され、トルコ政府の援助によって廟の修復工事と周辺整備が実施されました。19世紀当時の建物の周囲を囲む壁が復元され、古い町並みが日干しレンガで再現されています。遠くから見ても貫禄あるのでぜひ見ておきましょう。
◎まとめ
カザフスタン初の世界遺産「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」は、存在感のある美しい建造物です。長時間の移動時間が必要になりますが、カザフスタンを代表する観光スポットの一つですよ。興味があったらぜひ「ホンジャ・アフメッド・ヤサウイ廟」に足を運んでみてはいかがでしょうか?