自然が織りなす美!パラオの複合世界遺産、南ラグーンのロックアイランド群

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自然が織りなす美!パラオの複合世界遺産、南ラグーンのロックアイランド群

2012年、正式にユネスコの世界遺産としてパラオ(パラオ共和国)で初めて登録されたのが「南ラグーンのロックアイランド群」。緑の美しい445の島々と、パラオ諸島を囲むラグーン、洞窟や岩絵などの遺跡を含めた複合遺産として世界遺産に登録されました。

パラオのロックアイランドは、島の緑と、海のエメラルドグリーンやブルーが織りなす景色、この地域でしか見ることができない多種類の生物と、まさに地上の楽園!魚が非常に多いことから、スキューバ・ダイビングやシュノーケリングの大人気スポットでもあります。そんなパラオの世界遺産、南ラグーンのロックアイランド群についてご紹介しましょう。

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自然が織りなす美!パラオの複合世界遺産、南ラグーンのロックアイランド群

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南ラグーンのロックアイランド群とは?

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ロックアイランドと呼ばれているのは、2006年まで首都が置かれていたコロール島から南のペリリュー島までの島々。そのうち世界遺産として、ペリリュー島を除く約1000平方キロメートルの範囲が登録されました。これらの石灰岩でできたマッシュルームのようなかわいい島々と周囲のサンゴ礁の景色が、この世界遺産最大の魅力です。

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ユニークな形の島々が特徴のロックアイランドは、太古のサンゴ礁が火山活動で隆起したと考えられています。数多くの島々の間には、色々な性質を持つ52のマリンレイク(汽水湖)が点在し、「生物進化の実験室」と呼ばれるほど多様なのが特徴。約400種ともいわれる美しいサンゴ、約750種の色鮮やかな魚類、マンタやサメ、ジュゴン、アオウミガメ、タイマイなど絶滅危惧種や絶滅寸前の希少な生物なども生息しています。

今は無人島になっている島々にも洞窟や岩絵、石棺など、紀元前3100年ごろから生活していたと思われる痕跡や遺跡が見つかっていることも、世界遺産として認められることになった大きな要因になりました。このような理由から、南ラグーンのロックアイランド群は自然と文化の「複合遺産」として登録されています。

ロックアイランドと呼ばれるキュートな島々、マリンレイク、海、多様な海洋生物を見るために、世界中から観光客やダイバーがここ南ラグーンのロックアイランド群を訪れています。

パラオ「南ラグーンのロックアイランド群」へのアクセス

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世界遺産「南ラグーンのロックアイランド群」は、パラオ(正式国名:パラオ共和国)にあります。パラオはミクロネシアの西太平洋に浮かぶ500以上の群島からなる国。グアムの南西約1300kmに位置しています。

2006年までパラオの首都はコロール島のコロールでしたが、憲法に基づき、パラオ最大の島であるバベルダオブ島に首都を移転。バベルダオブ島東部の真ん中あたりにあるマルキョクが現在の首都で、マルキョクの中心部から少し外れたンゲルルムッド( Ngerulmud)という村に首都機能が置かれています。

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パラオの空港は、ロマン・トゥメトゥール国際空港(旧:パラオ国際空港)です。バベルダオブ島の南部にあり、日本から直行便を利用すると4時間半ほどでアクセスできてとても便利。パラオへは成田空港からデルタ航空の直行便があるほか、人気があるのでパラオへ向けた臨時チャーター便が多く、日本からのツアーもたくさん催行されています。海外初心者なら、パッケージツアーを利用すると安心ですね。

「南ラグーンのロックアイランド群」おすすめポイント①:マリンレイク

南ラグーンのロックアイランド群で特徴的なのが「マリンレイク(汽水湖)」です。マリンレイクは陸地から見ると海と隔たれていても、湖底では海と繋がっています。そのため、海水が混ざった汽水湖になっているのです。

◆固有名詞にもなっている汽水湖「マリンレイク」

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コロール島南のリソン島には、固有名詞にもなっている湖「マリンレイク」があります。

穏やかで水深約1~4mほどのマリンレイクは、カニハゼにテッポウウオ、ニシキテグリ、マンジュウイシモチ、ヤスジチョウチョウウオなどたくさんの生物が棲んでいる、ダイバーに人気があるスポットの1つ。固有種のニードルスパインコーラルゴビーを見ることができるのもマリンレイクだけです。

◆クラゲと泳げる「ジェリーフィッシュレイク」

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世界的に有名な「ジェリーフィッシュレイク」は、天敵がいないため毒が退化した安全なタコクラゲ(Mastigias)と、ミズクラゲが多数生息。ふわふわ浮いているクラゲたちと一緒にゆったりと浮遊できる、夢のような体験ができる大人気スポットなんです。

しかし、エルニーニョ現象の影響で2016年から記録的な少雨に見舞われ、水温や塩分濃度などの環境が変化してしまったことからクラゲが激減!現在は基本的に閉鎖され、調査が続けられている状態です。小さなクラゲは少しずつ見られるようになってきたようで一安心ですが、以前のように毒のないたくさんのクラゲと浮遊できる時がくるかどうか心配な状態は続いています。早く、以前のようなジェリーフィッシュレイクが復活することを願ってやみません。

◆乳青色の幻想的な「ミルキーウェイ」

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乳青色に濁った水面がとても幻想的な「ミルキーウェイ」は、水深約1~2mと浅いマリンレイク。ミルキーウェイでは、湖底の白い泥を練って泥パックするのが定番!この泥パックは、化粧品に使われるくらい美容にも良いとされています。

「南ラグーンのロックアイランド群」おすすめポイント②:ラグーン

出典: ja.wikipedia.org

ロックアイランド群を囲むラグーンには、世界遺産登録の範囲だけでも魚類約750種、鳥類50種以上、固有の植物約55種といわれるほど多くの魚や生物が棲んでいます。

そんなロックアイランドのラグーンは、スキューバ・ダイビングやシュノーケリングをする人にとって、一生に一度は訪れたい憧れの場所。パラオのスキューバダイビングでは、ドリフトダイブなどボートダイビングで潜るポイントをメインに楽しめます。

特に有名なダイビングスポット「ブルーコーナー」は、魚の種類や多さもさることながら、絶滅危惧種のメガネモチノウオをはじめ、バラクーダやジンベイザメの大群に高確率で遭遇できる大人気スポット。

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地形の面白さと景観が素晴らしい「ブルーホール」は。水深1mほどと浅い棚に神秘的な4つの穴が開いていて、この縦穴が下のドームにつながっています。「ジャーマン・チャネル」はマンタと出会える一番のスポットで、周辺の景色も絶景。砂地にはガーデンイール(チンアナゴ)がいるので、探してみてくださいね。

「南ラグーンのロックアイランド群」おすすめポイント③:遺跡

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世界遺産として登録されたリストのなかには、ロックアイランドに存在する遺跡も含まれています。コンレイの石棺、ヤップ島の石貨をつくったと考えられている石切り場、ウーロン島には2000年から3000年前のものと推察される岩絵や石造りの村の遺構が残っており、ガムリス島にも岩陰遺跡や村の遺跡があります。

出典: Tetsuji Sakakibara

世界遺産であるロックアイランドの遺跡はカヤックツアーなどで巡ることができますよ。「青の洞窟」やジュゴンのウォッチングなどとセットになったツアーなどいろいろあります。

◎まとめ

出典: Kevin Tibbets

世界遺産、南ラグーンのロックアイランド群は、この地域だけでしか見ることができない自然や景観、生物の宝庫。ダイバー憧れの場所であり、世界遺産として素晴らしいのはもちろんですが、純粋に自然を満喫できるロックアイランド群は、一度は自分の目で見てみたい光景です。

パラオは日本に統治されていた時代があったことから、親日で知られています。なんと、国旗は日本と同じデザイン!海を表現した青地に、月を表す黄色い丸が描かれた国旗をみると、ますます親しみがわいてきますよね。さらに、公用語であるパラオ語には日本語にちなんだ言葉が多く残っていて、思わずうれしくなってしまいます。次のバカンスにはぜひ、そんなパラオへ行ってみませんか。

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