名称:Tiwanaku : Spiritual and Political Centre of the Tiwanaku Culture
住所:Tiwanaku, La Paz, Bolivia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/567
抜けるような青い空に白い雲が浮かぶ、南米ボリビアの町ティワナク。ここは有名な世界遺産マチュピチュのインカ文明より先にあった前インカ文明ティワナクの遺跡が残っています。標高4000mもの高い山でチチカカ湖近辺にあるティワナクは、当初あまりの高山のため人々が暮らすための食物を生産出来ない為国家など成り立つはずがない、とあまり重要視されていませんでした。しかし、その後の発掘で排水設備や多数の住居跡など多くの人々が生活していた跡が見つかっています。
あまり発掘が進んでおらず、またボリビア政府の急な修復のため従来の姿と異なった姿になってしまった遺跡もありますが、それでもその後インカ文明に多大な影響を与えた重要な世界遺産であることは間違いありません。有名な太陽の門やアカパナのピラミッドなど見どころ満載。ボリビアの代表的な世界遺産の一つティワナク:ティワナク文化の宗教的・政治的中心地をご紹介します。
目次
ボリビアの世界遺産!ティワナク:ティワナク文化の宗教的・政治的中心地
ティワナク:ティワナク文化の宗教的・政治的中心地とは?
荒涼とした茶色い大地にあるティワナク遺跡は、南米ボリビアのチチカカ湖から約17km内陸に行った場所にあります。標高3,970m程の場所に紀元前1,2世紀にまで遡るインカ文明に多大なる影響を与えたティワナク文明の遺跡が2000年に世界遺産として認定されました。ティワナク文化の最盛期は、6世紀から10世紀頃と言われており、ティワナク遺跡はその頃のもの。
気温も低く、食料となる食物も育つ要素があまりないこのティワナク遺跡ですが、東京ドーム約90個分もの広大な敷地に1万人から5万人の人々が住んでいました。人々が生活するための水を約17kmも離れたチチカカ湖から引いてくる灌漑用水技術なども持っていた言われています。また石材加工技術も優れており、切った面が平らでどのように加工したのか、はっきりとは解明されていません。1970年代に行ったボリビア政府の無理な修復のせいで本来の姿を失っているのですが、古代遺跡ファンの人にはたまらない世界遺産のティワナク遺跡です。
ティワナクへのアクセス方法
日本からボリビアの首都ラパスまでの直行便はないので、アメリカや南米の主要な空港で乗継をする必要があります。ラパスからは80km程、車で1時間半から2時間程で行くことができます。ラパス市内からガイド付きの観光バスなどもお手頃な料金で出ているので、遺跡を効率よく周りたい方は、ツアーをおすすめします。
ティワナク:ティワナク文化の宗教的・政治的中心地のおすすめポイント3
アカパナのピラミッド
一瞬瓦礫と土の山に見える丘が世界遺産ティワナクの代表的な遺跡の一つ、アカパナのピラミッドです。このピラミッドは底辺約210m、高さ約17mあり頂上には貯水槽や食糧庫がありました。しかしスペインの征服者によって徹底的に破壊され、町を作るために石材を持って行かれたこともあり、現在は当時の面影もありません。少しずつ階段や基底部分が修復されていますが、まだ全体像をつかむのは難しいでしょう。
このピラミッドの基底部分からは、頭のない人骨も見つかっており、人身御供の可能性もあります。頂上からは世界遺産であるティワナクの他の遺跡をはっきりと見ることができますよ。まだまだ気になる世界遺産ティワナクのピラミッドですね。
半地下神殿
出典: Gustavo Postal/shutterstock
世界遺産ティワナクを象徴する遺跡がこの半地下神殿です。この縦約28m、横約26m、高さ約1.7mの半地下神殿を有名にしているのが沢山の石で出来た顔!ティワナクの半地下神殿の石組みの間に沢山ある顔は、なんと180近くもあり、驚くことに同じ顔は一つとしてありません。沢山の顔の中には東洋系の顔などもあり、1000年も前に交易があったのか謎が深まります。
中央には少し朽ちた像がありますが、どのような目的でこの顔が彫られたのかも分かっていません。貴重な世界遺産なだけにもう少し保存状態がよければと思ってしまいますね。地下に降りて周りを見渡すと沢山の顔に見つめられているような、そんな世界遺産ですよ。
カラササヤ
カラササヤは、世界遺産ティワナク遺跡の中で重要な場所でした。縦約130m横約120mの長方形の形で、2重の石組みに囲まれた中心には有名な「太陽の門」や「モノリート」と呼ばれるレリーフの彫られた石像が残っています。モノリートには発掘された人の名前を取って「ベネッセ」と呼ばれる7.3mにもなる物が隣接する博物館に展示されている他、ここカラササヤにも「フライレ」「ホンセ」と呼ばれる2体の像が残っています。
かつては多くのモノリートがありましたが、持ち去られ今ではこの3体のみ。また有名な太陽の門は、修復の際、元の位置と異なる場所に置かれてしまいました。ぜひ修復した姿を多くの人々に見て欲しい世界遺産です。
ティワナクを訪れる際の注意点
ティワナク遺跡のある場所は、標高4,000m近くの空気の薄い高い場所にあります。高山病などに注意し、急に走ったり、体に負荷がかかることは避けて下さい。可能なら酸素などを持って行くことをお薦めします。また標高も高く気温も低いので、羽織物など常に暖かい服も持って行くことをお薦めします。
◎まとめ
まだまだ発掘や復元が進んでおらず、遺跡を見ても石や瓦礫の塊ばかりとなってしまっている所も多くあります。本来なら前インカ文明のボリビアを代表する貴重な世界遺産なだけに、その保存や修復にはぜひ力を入れて欲しいですね。石材加工技術なども目を見張る物があり、貴重な世界遺産です。