218もの貝塚が発見されているセネガルの世界遺産サルーム・デルタ

画像出典:Charles-Henry THOQUENNE/Shutterstock

218もの貝塚が発見されているセネガルの世界遺産サルーム・デルタ

セネガルのサルーム川下流に広がる三角州「サルーム・デルタ」は、西アフリカでも有数の渡り鳥の繁殖地として知られています。マングローブの森が生い茂るサルーム・デルタでは、フラミンゴやペリカンなどの鳥類のほか、絶滅危惧種に指定されているウミガメや希少動物のアフリカマナティ、イルカ、クジラなども見ることができるんですよ。

また、サルーム・デルタからは218もの貝塚も発見されており、人々が数千年にわたって貝を加工し生計を立てていたことを証明する貴重な遺跡として、考古学研究者たちの注目を浴びています。2011年には動植物の保護地区としての価値と文化的景観が高く評価され、世界遺産にも登録されました。
それでは、セネガルの世界遺産「サルーム・デルタ」についてご紹介していきましょう。

目次

218もの貝塚が発見されているセネガルの世界遺産サルーム・デルタ

サルーム・デルタとは?

出典: TravelNerd/Shatterstock

セネガルの中西部、首都ダカールの南東120Kmに位置する「サルーム・デルタ(Saloum Delta)」は、セネガルで6番目の世界遺産です。大西洋に流れ出るサルーム川とジョンボ川、バンジャラ川の河口に形成された広大なデルタ地帯で、200以上もの島やマングローブの森、乾燥地帯など豊かな自然に恵まれています。

そんなサルーム・デルタは、渡り鳥や海鳥が多く飛来することで有名。毎年世界中からたくさんの愛鳥家が訪れ、野鳥観察を楽しんでいます。様々な種類のトキやサギ、カモメ、ペリカン、フラミンゴなどが生息しているのですが、同じ科に属するとは言え見ための特徴は全く異なるので、違いを楽しみながら観察することができますよ。他にもウミガメやマナティ、イルカなど見逃せない希少動物が目白押し!
これぞまさに「野鳥の楽園」ですね。

サルーム・デルタが世界遺産に登録された理由は、多種多様な自然だけではありません。実はこの周辺には、数千年前から造られたという貝塚群がたくさん残されているのです。218ヶ所ある貝塚のうち28ヶ所は墓地遺跡となっており、遺跡からは貝の加工場であったことを示す土器なども見つかっています。
中には100mを超える巨大貝塚もあるんですよ。これらは西アフリカで人類が築いてきた文化や、内陸部の集落との交易の歴史などを紐解く上でとても重要な史料となっています。

サルーム・デルタへのアクセス

世界遺産「サルーム・デルタ」の観光拠点となるのは、首都ダカール(Dakar)です。日本からセネガルへの直行便はないので、中東やヨーロッパを経由してセネガルの空の玄関口「ブレーズ・ジャーニュ空港(Aéroport International Blaise-Diagne)」まで行きましょう。
空港からダカールまでは約50Km。バスもありますがタクシーが便利ですよ。

サルーム・デルタは、セネガルの首都ダカールから南東へ約120Kmの場所に位置します。公共交通機関では行くことができないので、自身でバスやガイドを手配するか現地のツアーに参加しましょう。
サルームでの宿泊付きツアーなどもあるので、お好みにあわせて選んでみてくださいね。

サルーム・デルタのおすすめポイント

◆サルーム・デルタの文化

世界遺産「サルーム・デルタ」の伝統的な巨大貝塚作りは、1600年頃まで続いたと考えられています。
沿岸部の集落で加工された干し貝は、内陸にある集落の人々から鉄や穀物などを獲得するための交易品だったのです。干し貝の原料となる貝は、マングローブの根に生息するヨホスやアカガイに似たパーニュ、大型巻貝のイェットなどなど。貝の採集や加工は、主に女性が行っていたそうです。

巻貝のイェットは、セネガルの国民的料理「チェブジェン」や「スープカンジャ」にも使用されているので、ぜひ一度食べてみてください。チェブジェンは魚と野菜で作った炊き込みごはんのようなもので、独特の香りと歯ごたえがクセになる一品です。スープカンジャはオクラベースのスープで、貝から出るダシと香りに病みつきになる人続出!どちらも日本人の口にも良く合いますよ。

◆渡り鳥や海鳥

「サルーム・デルタ」が世界遺産に登録された理由の一つとして、渡り鳥や海鳥がたくさん飛来することも挙げられます。アジサシ類の中で最大の種であるオニアジサシやハシボソカモメ、フラミンゴ類の中で最も小さいコフラミンゴや最も大きいオオフラミンゴなど、その種類はバラエティー豊かです。

越冬のために飛来する水鳥の種類は約95種。また、サルーム・デルタはアメリカオオアジサシの世界最大の繁殖地にもなっています。鳥類だけではなく爬虫類や哺乳類、魚介類なども実に豊富で、絶滅危惧種であるウミガメやナイルトカゲ、クジラが生息していることでも有名です。

◎まとめ

セネガルの世界遺産「サルーム・デルタ」は、とにかく見どころ満載!歴史的な貝塚群にセネガル国内最大のマングローブ林、そして、希少な渡り鳥に絶滅危惧種のウミガメたちなど、文化的にも生物学的にも興味深い要素がたっぷりと詰まっています。ダカール発の現地ツアーには、日帰りのものから宿泊付きのものまで色々ありますので、ぜひじっくり時間をかけて見学してみてくださいね。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

セネガルでおすすめの記事

セネガルのアクセスランキング