ベナンの世界遺産「アボメイの王宮群」!王国時代の歴史を感じる旅

画像出典:Joachim Huber

ベナンの世界遺産「アボメイの王宮群」!王国時代の歴史を感じる旅

トーゴとナイジェリアに挟まれたアフリカ西岸の細長い国ベナン。2017年現在、この国で唯一の世界遺産が「アボメイの王宮群」です。

現在のベナンの南部地域には、17~19世紀にかけて地元アフリカ人によるダホメ王国が存在していました。その都だったのが、ベナン内陸の町アボメイ。かつては長さ10kmほどにわたり、土製の壁と門が町の周囲を巡り、その内側には12の王宮があったとされています。

1985年に登録され、竜巻被害により危機遺産にも入れられていましたが、ベナン唯一の世界遺産として同国が修復を進め、現在では観光名所として復活しています。

目次

ベナンの世界遺産「アボメイの王宮群」!王国時代の歴史を感じる旅

アボメイの王宮群とは?

出典: Adam Jones

ベナン南部にダホメ王国が建設されたのは、17世紀なかごろといわれています。アボメイは建国当初からの首都で、歴代の王はそれぞれ自分の宮殿を新たに築いていったといわれています。1892年にフランスによって滅ぼされるまで、ダホメ王国には12人の王がいたため、アボメイにも12の王宮が建設されました。

ダホメ王国の主な収入源は、奴隷貿易にありました。乾季になると周辺に軍隊を送り込み、奴隷をさらって港のポルトガル商人に売っていたのです。ほかにも、アブラヤシを栽培してパーム油を輸出し、代わりに銃火器などを得ていました。

ちなみに、ベナンは1960年の独立時にはダホメ共和国と称していましたが、1975年に現在のベナンの呼称を用いるようになりました。

アボメイの王宮群へのアクセス

アボメイはかつての王都ですが、現在は鉄道が通っている7kmほど東のボヒコンの方がはるかに発展しています。したがって、世界遺産アボメイの王宮群を観光するなら、ボヒコンを拠点にすると良いでしょう。

ボヒコンへは、ベナンの事実上の首都コトヌーから鉄道で行くことができます。コトヌーにはカジェフォウン空港がありますが、日本からの直行便はないので、イスタンブールやパリなどを経由する必要があります。

ボヒコンからアボメイの王宮群までは一本道なので、タクシーを利用しましょう。

アボメイの王宮群のおすすめポイント①:王宮と城壁

世界遺産アボメイの王宮群の一番の特徴は建造物にあります。城壁や門をはじめ、王宮のほとんどが土で出来ているのです。ダークブラウンの色合いをした壁や柱は土ならではの重厚感があり、どっしりとした見た目が魅力的ですよ。

素朴な印象を受けますが、素朴さのなかにも王族の威厳が感じられるはずです。柱には動物をかたどったレリーフを見つけることができ、外壁にもさまざまな動物の絵が描かれています。これは、ダホメ王国の王権が動物の犠牲の上に成り立っているという崇拝儀礼に根ざしたものです。動物のレリーフには可愛いものも多いので、1つ1つ味わいながら見学してみると良いでしょう。

アボメイの王宮群のおすすめポイント②:歴史博物館

出典: Adam Jones

世界遺産アボメイの王宮群のなかで最も保存状態の良い宮殿は、歴史博物館として利用されています。館内には、現代アートのようにも思える動植物のレリーフや、王国時代に使われていた古い銃火器、伝統的な農具や生活用品などが展示されています。とくに国王のタペストリーなどは、ダホメ王国の繁栄をうかがい知るのにぴったりですよ。

博物館にはクラフトセンターも併設されていて、ベナンの手工芸品が数多く売られています。かつての王国の都の跡で、ベナンのお土産と購入するというのもおすすめです。

◎まとめ

ベナン唯一の世界遺産アボメイの王宮群についてご紹介しました。アフリカの王国というと、どれも大航海時代以降のヨーロッパによって無残な終わりを迎えているというイメージがあります。ですが、逆にヨーロッパとの結びつきによって王権を確立し、利益を上げ、勢力を保っていたダホメ王国のような存在もありました。

その都であるアボメイの王宮群は、アフリカのまた違った歴史の一面を語っているようで、興味深いといえるでしょう。

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