コートジボワールの植民地時代の古都!世界遺産グラン・バッサム歴史都市

コートジボワールの植民地時代の古都!世界遺産グラン・バッサム歴史都市

かつては「象牙海岸」の意訳で呼ばれたアフリカ西岸の国コートジボワール。その名の通り西洋諸国が象牙や奴隷の売買を行っていた地域です。その際の交易拠点としてフランスが建設した植民市が、世界遺産にも登録されているグラン・バッサム。19世紀末にはフランス領コートジボワールの首都でもありました。

20世紀に入ると、新しく建設されたアビジャンに地位を奪われ、グラン・バッサムは地方都市の1つに甘んじることになりました。しかし逆に、そのことが歴史的な町並みを今日まで残すことに。2012年にコートジボワール唯一の世界文化遺産に登録されました。

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コートジボワールの植民地時代の古都!世界遺産グラン・バッサム歴史都市

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グラン・バッサム歴史都市とは?

出典: www.istockphoto.com

グラン・バッサムの歴史は、1843年にフランスが築いたヌムール要塞に始まります。1885年のベルリン条約でコートジボワールのフランス領有が確定すると、その首都として本格的な都市開発が行われました。

他の植民都市に比べてだいぶ時代が下ってから新たに建設されたため、その都市計画にはいくつかの特徴があります。時代遅れで無用の長物と化していた要塞は撤去し、ヨーロッパ人とアフリカ人それぞれの専門居住区を設けました。さらに行政地区や商業地区を分離し、細長い砂洲状の土地に整然とした計画都市が誕生したのです。

グラン・バッサムは1893年に正式に仏領コートジボワールの首都となりましたが、1899年の黄熱病の流行により人口が4分の1にまで激減。1900年にグラン・バッサム北西のバンジェルヴィルに首都が移転しました。その後アビジャンが建設されると、政治・経済の中心はそちらに移ります。現在は、世界遺産の歴史的町並みだけでなく、美しいビーチを楽しめるリゾート地としても開発が進んでいます。

グラン・バッサム歴史都市へのアクセス

グラン・バッサムとアビジャンの中間付近に、コートジボワールのハブ空港であるフェリックス・ウフェ=ボワニ国際空港があります。日本からの直行便はないので、イスタンブールやドバイ、アジスアベバなどを経由する必要があります。

空港からグラン・バッサムの旧市街までは、バスかタクシーを利用することになります。グラン・バッサムのバスターミナルは、旧市街の北の新市街にあります。ここから世界遺産の歴史地区までは、南のエブリエ潟の橋を渡っていくことになります。ただバスターミナルの東にも、世界遺産の構成資産の1つである灯台があるので要チェックですよ。

また、世界遺産の歴史地区沿岸のリゾートホテルに宿泊すれば、予約時に空港までの送迎を依頼することも可能です。

グラン・バッサム歴史都市のおすすめポイント①:ヨーロッパ人地区

出典: Mickaël T. (CC BY 2.0)

コモエ川の河口に砂嘴のように細く伸びた半島状のグラン・バッサムは、西からヨーロッパ人居住区、行政区、商業区、そして現地のンズィマ人地区の4つに分けられていました。このうちンズィマ人地区以外の3地区が、ヨーロッパ人の築いたコロニアル風の建物が見られるエリアです。居住区には今も130軒ほどの建物がありますが、その佇まいはどれも上流階級の邸宅といった感じです。その多くがコロニアル様式ないし新古典主義様式で、南国の樹々と良く調和した、明るく涼しげな家々が並んでいます。

行政区には、1893年に建てられた旧総督府を転用した服飾博物館や、その翌年に建てられた郵便局や税関といった歴史的建造物が点在しています。とくに旧郵便局はグラン・バッサム文化遺産センターとなっているので、世界遺産グラン・バッサム観光の際にはまずここを目指すと良いでしょう。

ヨーロッパ人地区の海側一帯は近年リゾート施設が増えているエリアで、浜辺に出ればバカンスを楽しんでいる外港人観光客の姿もたくさん目にすることができますよ。

グラン・バッサム歴史都市のおすすめポイント②:ンズィマ人地区

出典: Mickaël T. (CC BY 2.0)

半島の東端のンズィマ人地区は、もともとここに住んでいた先住民の集落でした。グラン・バッサムがコートジボワールの首都として整備・拡張されていく過程で、集落も都市の1地区として組み入れられ、碁盤の目状の街路が建設されました。

ンズィマ人は漁業を生業として生活をしてきた人たちで、グラン・バッサムの交易とは基本的に無関係でした。そのため、同じグラン・バッサムの町にあっても、ヨーロッパ人地区とンズィマ人地区では街の雰囲気がガラッと変わります。とくにこれといって観光名所があるわけではありませんが、ヨーロッパ人の営みとは切り離されたアフリカのローカルな生活を垣間見ることができることが、一番の見どころといえるでしょう。

ンズィマ人地区では、10月末から11月初旬の1週間にわたって、土地の伝統のお祭りが催されます。そのため、この時期を選んでグラン・バッサムを観光するのもおすすめです。

グラン・バッサム歴史都市のおすすめポイント③:灯台

グラン・バッサムの旧市街からエブリエ潟に架かる橋を渡り、バスターミナルのあるロータリを東に折れると、半島の外側にある唯一の構成資産の灯台が見えてきます。世界遺産の外といっても、今ではこちらのヌーヴォ・バッサム(新バッサム)の方が都市の中心。にぎやかな町を抜けると、砂地のなかにポツンと煤けた灯台の塔が現れます。

1914年に建てられた高さ17mの石造灯台で、グラン・バッサムの港に出入りする船の目印として働いてきました。しかし、アビジャンの前浜のポール=ブエが港湾として整備されると、グラン・バッサムの重要性はますます低下。1950年代には使用されなくなってしまいました。

◎まとめ

コートジボワール唯一の世界文化遺産グラン・バッサムの歴史都市についてご紹介しました。

旧首都にして最大都市のアビジャンからもそう遠くなく、リゾートとして再開発も進むグラン・バッサム。コートジボワールを訪れることがあれば、ぜひ世界遺産の観光都市グラン・バッサムにも足を延ばしてみてください。

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