名称:sulaiman-too-sacred-mountain
住所:osh ,osh city kyrgyzstan
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/1230
中国やウズベキスタンなどに隣接するキルギス。ソビエト連邦から独立した独立国家ですが、多民族国家とも言われ多くの民族が移住している国です。
キルギス第2の都市・オシュの近くにある世界遺産「スライマン=ト-聖山」は、預言者のスライマーンから名付けられた山。モスクのある最高峰への階段が設置された場所から、遺跡が発見されました。ソ口モンと聖山の歴史がわかる重要な遺跡として注目されています。
目次
願掛けに効く聖なる地!キルギスの世界遺産スライマン=ト-聖山
スライマン=ト-聖山とは
「スライマン=ト-聖山」は2009年に世界文化遺産として登録されました。長い間シルク口ードの中間地として、東西を結ぶ重要な役割を果たした都市としても栄えていたのです。「スライマン=ト-聖山」は古代から祭礼が行われていた山でもあって、イスラーム教ができる前は聖なる山として崇拝されていました。
「スライマン=ト-聖山」の歴史信仰は古く、紀元前3000年頃に描かれた岩画のある洞窟や中世期に再建されたモスクなども残っています。特に洞窟の岩画などは100以上にもおよび、人間や動物などが描かれた繊細な絵となっていますよ。遺跡は6つの要素が貴重なものであることから高く評価されました。現在も中央アジアからイスラーム教の大切な巡礼地となっていますよ。
また、「スライマン=ト-聖山」には伝説があります。その伝説とは山の頂上にある社を登り、聖岩を横切っている広場で腹ばいになると健康な子供が授かるという伝説です。「スライマン=ト-聖山」の茂みや木には布切れがたくさん結ばれ、ここへ参拝する人たちの願掛けの場所となっています。
スライマン=ト-聖山へのアクセス
「スライマン=ト-聖山」へアクセスするには、まずオシュまで向かいます。日本から直行便が出ていないため、成田か羽田空港、関空からトルコのイスタンブール空港まで移動し、乗り継ぎをしてオシュに到着です。オシュの空港から「スライマン=ト-聖山」までは、車を利用すると約30分でアクセスすることができます。
周辺のおすすめスポット!各分野に特化した博物館施設
古い歴史をもつ「スライマン=ト-聖山」には人間や動物などが繊細に描かれた壁画が残った洞窟や、1510年に建設された美しいモスク、そして「スライマン=ト-聖山」について深く知ることができる博物館施設が充実しています。博物館にはそれぞれ特徴があるので、多くの観光客を楽しませているのも魅力的です。
キルギスやオシュについての歴史に触れられる文化史博物館や、壁画や考古学に関連した資料が見られる洞窟博物館、キルギス南部の民族衣装などが展示されている大シルクロード博物館など様々。充実した世界遺産観光を満喫することができますよ。登山して頂上から見下ろす景色も素晴らしいですが、各分野に特化した博物館でじっくり知識を深めるのもいいでしょう。
預言者ソ口モン
「スライマン=ト-聖山」の預言者ソ口モンは、旧約聖書の列王記に登場するイスラエル王国の第3代の王として活躍していました。父はダビデ、母はバド.シェバです。ダビデは不倫の関係にあったバドの夫ウリヤを殺害。のちに2人の最初の子供が生まれましたが、神の怒りに触れたと死んでしまい、次に生まれた2人目の子がソ口モンでした。
ソ口モンは夢枕に神からの言い伝えに知恵を求め、その言葉に従事。彼は知恵者として争う者などに素晴らしい判断を下したことで有名になりました。この説は世界にも広がり、日本では大岡越前の大岡裁きのシ-ンでソ口モンの例が挙げられたことがあります。
こうしたことからソ口モンは知恵文学の著者と言われるようになって、父親が亡くなった後も内政をまとめて外国との交易に積極的になり、建造物なども建設し発展させていきました。しかし彼の死後、息子のレハブアムが非妥協的だったことでソ口モン王国は大きく分裂。ソ口モンの知恵文学は世界中の人々の世界遺産となっています。
イスラム教の聖典コーラン
「スライマン=ト-聖山」は中央アジアの中でも最も優れた崇拝の対象とされています。スライマン=トはキルギス語。スライマンとはコーランに出てくる聖人を意味し、コーランとはイスラム教の根本の聖典です。別名クルアーンとも呼ばれています。
このコーランはイスラムの天地創造や終末をはじめとする世界観、倫理の規範や家の相続、刑罰などイスラム世界の法的な規定を全て書いたものです。このコ-ランは声に出して読むもので、彼らが礼拝する時のアラビア語独自の音質が美しいものだとされています。
◎まとめ
神を信じその言葉に従った一人の聖人ソ口モンが創建した「スライマン=ト-聖山」。現在はイスラム教の聖地でずか、5000年以上も長い年月人々に拝まれてきた聖地でもあります。「スライマン=ト-聖山」があるオシュ州は2024年現在、外務省の海外危険情報で「危険度レベル2」が発令されているため、不要不急の渡航はできません。周辺の地域でも緊張が高まっています。常に外務省の指示と新しい危険情報を確認するようにしてください。