名称:Vallee de Mai Nature Reserve
住所:Praslin Island, Seychelles
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/261/
美しい海と希少な動植物が生息していることで知られる「インド洋の真珠」セーシェル共和国。
このセーシェル共和国を形成する115の島の中で、2番目の大きさを誇るプララン島(Praslin Island)の原生林中には、1983年に世界自然遺産に登録された「ヴァレ・ド・メ自然保護区(Vallée de Mai Nature Reserve)」があります。
島特有の鳥類や爬虫類が生息していることで有名なヴァレ・ド・メ自然保護区ですが、シンボルとも言われるほど広く知られているのが世界最大のヤシの実「ココ・ド・メール(Coco de Mer)」です。なんとこの自然保護区内には、世界に存在するココ・ド・メールの約4分の1を占める5000本が自生しているのだとか。今回は、そんなセーシェルの世界遺産「ヴァレ・ド・メ自然保護区」についてご紹介していきます。
目次
ここは「エデンの園」?セーシェルの世界遺産ヴァレ・ド・メ自然保護区
ヴァレ・ド・メ自然保護区とは?
セーシェル共和国の首都ヴィクトリアがあるマエ島に次いで、2番目の規模を誇るプララン島(Praslin Island)。その中にある東京ドーム4個分ほどの小さな原生林が、「ヴァレ・ド・メ自然保護区(Vallée de Mai Nature Reserve)」です。フランス語で「巨人の谷」を意味するヴァレ・ド・メ自然保護区は、別名「エデンの園」とも呼ばれています。
様々な伝説や言い伝えにより「エデンの園」と呼ばれるようになったヴァレ・ド・メ自然保護区ですが、そのきっかけとなったのがシンボルの「ココ・ド・メール(フタゴヤシ)」なのだとか。女性の下腹部のような独特の形をしたヤシの実は、大きなもので重さ20Kg以上にもなり、かつては金と同じくらい高価なものとして取引されていたそうです。これは見逃せませんね!
ほかにも自然保護区は、絶滅が危惧されているコクロインコやミミズのような両生類アシナシイモリ、体長9ミリほどの極小カエルなど、セーシェル固有の動物が数多く生息していることでも有名。人だけでなく動植物にとってもまさに「楽園」なのです。ちなみに自然保護区内は、特有の生態系を持つことから念入りな保護と厳しい規制が行われており、ヤシの実や昆虫などの採取は一切禁止されています。
ヴァレ・ド・メ自然保護区へのアクセス
世界遺産「ヴァレ・ド・メ自然保護区」があるプララン島は、マヘ島から飛行機またはフェリーでアクセス可能です。空路の場合は約20分。フェリーではおよそ1時間となります。
セーシェルは物価が高いので個人手配はせず、マヘ島発着の現地ツアーに参加するのがおすすめです。
日本からセーシェルまでは直行便がないので、ドバイやアブダビ、ドーハなど中東各都市を経由しましょう。所要時間は最短で約18時間30分。その他、アフリカ大陸やヨーロッパ方面からもアクセスできます。
ヴァレ・ド・メ自然保護区のおすすめポイント
◆ココ・ド・メール
出典: LRPhotographies/Shutterstock
世界遺産「ヴァレ・ド・メ自然保護区」といえばココ・ド・メール!ココ・ド・メールとは、地球上で最も大きな種をつけるといわれる「フタゴヤシ(オオミヤシ)」のことで、その高さはおよそ30m、葉の大きさは5mにも達します。約25年もの歳月をかけて実をつけると、そこからまた長い年月を経てその実を成熟させ、最終的に直径約40cm、重さ約30kgの巨大な実になるのだとか。
注目すべきはその中にある種で、その規模は植物界最大・最重量を誇ることで知られています。
形が女性の下腹部に似ていることから、キリスト教徒の間では「アダムとイブ」を連想させるといわれているココ・ド・メール。プララン島が「エデンの園」と呼ばれるのも、それにまつわる様々な伝説や言い伝えがあるからなのです。
ココ・ド・メールが自生しているのは、地球上でこのプララン島と隣のキュリーズ島(Curieuse Island)の2ヶ所のみ。なんと、他の場所へ移植しても枯れてしまうという不思議な特徴を持っているのです。
ココ・ド・メールにまつわる伝説や生態系について詳しく知りたい方は、ガイド付きのツアーに参加するとより一層楽しめますよ!
◆保護区の野鳥や爬虫類
ヴァレ・ド・メ自然保護区には多くの野鳥が生息しています。世界的にも大変珍しいブラック・パロット(Seychelles black parrot)やセイシェル・ルリバト(Seychelles blue pigeon)、セイシェル・キアシヒヨドリ(Seychelles hypsipetes amaurotis)が一度に見られるのもヴァレ・ド・メ自然保護区ならでは。
これらの鳥はプララン島固有の鳥で、絶滅危惧種にも指定されているんですよ。
ブラック・パロットと呼ばれる黒いオウムは、ココ・ド・メールの実のように黒々とした体が特徴。自力で見つけるのはなかなか難しいのですが、ガイドさんに頼めば上手に見つけてもらえるかもしれません。
他にもセーシェルの固有種やカラフルな鳥がたくさん生息していますので、じっくり野鳥観察を楽しんでみてくださいね。
鳥類よりも爬虫類や両生類が好きな方には、アシナシイモリがおすすめ。一見するとミミズやヘビの様なのですが、実は両生類に属するイモリなんです。「生きた化石」とも呼ばれるアシナシイモリを一目見てみたいと思いませんか?こちらもガイドさんに頼んでみると、上手に見つけてもらえますよ。
◆プララン島のビーチ
セーシェル共和国で2番目に大きいプララン島は、ビーチが美しいことでも有名です。中でも島の北西に位置するアンス・ラジオ(Anse Lazio)は、「世界で最も美しいビーチ」として知られています。
透き通るような青い海と真っ白な砂浜は、まるで絵画のようですよ!ここはパラソルもなくマリンスポーツも禁止されていますので、のんびり静かに海を満喫したい方には特におすすめです。
アンス・ラジオよりさらに美しいと評判なのが、アンス・ジョゼット(Anse Georgette)。アクセスが少し不便なのが難点ですが、それだけに人も少なく、どこまでも手つかずの自然が広がっています。
世界遺産「ヴァレ・ド・メ自然保護区」の観光も良いですが、せっかくなのでセーシェル自慢のビーチにもぜひ足を運んでみてくださいね。
◎まとめ
この世にある美しいものをすべて揃えたかのようなプララン島は、まさに「地上の楽園」です。
日本からのアクセスは少々不便ですが、時間をかけてでも訪れる価値がありますよ!
プララン島には洗練されたリゾートホテルや、隠れ家のようなプチホテルがたくさんありますので、日常を忘れて自然の中でのんびり過ごしてみましょう。