名称:ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群(Discovery Coast Atlantic Forest Reserves)
住所:ブラジル バイーア州南部からエスピリト・サント州北部
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/892
ブラジル中部の大西洋岸には、「ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群」という世界遺産があります。国立公園を含む8か所の保護区で見られる樹木の種類は450を超え、単位面積あたりの多様性は世界屈指!そして、この森林保護区群の80%近くが原生林として保たれています。
この世界遺産で特に有名なのは、国名の由来となった「ブラジルボク」という希少な樹木と、ゴールデンライオンタマリンという固有種のサルです。そのほかにも、アマゾンに匹敵するといわれるほど動植物の多様性を誇るこれらの保護区。ここでは、世界遺産「ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群」の魅力の一端をお伝えします。
目次
世界遺産の熱帯雨林地帯ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群とは?
出典: Turismo Bahia (CC BY-SA 2.0)
「ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群」は、ブラジル東部のサルバドルとリオデジャネイロの間、バイーア州南部からエスピリト・サント州北部にかけた大西洋岸にあります。世界で最も密度が濃いとされる熱帯雨林の植物相と、豊かな生物多様性を保護するため、1999年にユネスコが世界自然遺産に認定しました。
世界遺産の対象は、熱帯雨林の原生林が残る5つの保護区と3つの国立公園。約1120平方キロメートルの森林保護区群です。
これらの森林保護区には膨大な種に及ぶ生き物が生息しています。その中で、希少な固有種として知られるゴールデンライオンタマリンやタテガミナマケモノをはじめ、約100の固有種を含む180種以上が絶滅危機種。貴重な森林生態系の保全が急務になっています。
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群へのアクセス
日本からブラジルへの直航便はありません。アメリカやヨーロッパ、中東などを経由してブラジルに入り、ポルト・セグロ(Porto Seguro)や、ビトリア(Vitória)へ向かいましょう。
バイーア州のポルト・セグロは、ポルトガル人のカブラルがブラジルを発見した場所として知られる港湾都市。スキューバー・ダイビングなどマリンスポーツも楽しめるビーチリゾートです。ビトリアは、エスピリト・サント州の州都です。森林保護区へはガイドと行くか、ツアーに参加しましょう。
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群のおすすめポイント
◆おすすめポイント①:国名の由来となった「ブラジルボク」
ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群で注目したいのは、絶滅危惧種に指定されている「ブラジルボク」です。
ブラジルボクは幹にトゲがあり、内側の赤い部分にはブラジリンという赤色の色素が含まれているのが特徴。ポルトガル語で赤い木を言葉する「パウ・ブラジル」とも呼ばれ、国名の由来になったことで知られています。染料として珍重され、16世紀ごろ大量に伐採して輸出されました。
また、ヴァイオリンの最高級弓材として有名な「ペルナンブーコ」というのは、ブラジルボクの赤い部分。振動減衰性の低さで珍重され、高級な弓のスティックに使用されているのです。これらのことから過度に伐採され続けたブラジルボクは、絶滅危惧種として登録されています。
◆おすすめポイント②:豊かな生態系
世界遺産として保全されている森林保護区群には、豊かな生態系が営まれています。
固有種のゴールデンライオンタマリンをはじめ、タテガミナマケモノ、ホソオヤマアラシ、ジャガーなどが生息。絶滅危惧種に指定されている希少な生き物たちが共存して生活をしています。
◆おすすめポイント③:熱帯雨林東側に広がる大海原
この世界遺産の東側には、まるでこれらの熱帯雨林地帯を保護するかのように大海原が広がっています。
熱帯雨林地帯を抜けると、目の前にはまるでブラジルのオアシスのような美しいビーチ。思わず飛び込んでしまいたくなるような抜群の透明度を誇る海。魅せられること間違いなしの素晴らしい景観です。
◎まとめ
ブラジルの世界遺産「ディスカヴァリー・コースト大西洋岸森林保護区群」に残る熱帯雨林の原生林は、多様な樹木や希少な生物が保全されている大切な場所。ブラジルの国名由来にもなったブラジルボクをはじめ、アッサイヤシや ブラジルゾウゲヤシなどの樹木を見ることもができます。さらに、原生林とともに見られる美しい大西洋のビーチも魅力。その景観は私たちに癒しの場を与えてくれることでしょう。