名称:Old Walled City of Shibam
住所:Shibam,Yemen
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/192/
「シバームの旧城壁都市」はイエメンの世界遺産です。紀元前から栄えていたといわれる都市で、町は城壁に囲まれ、泥のレンガで造られた高層建築が並んでいます。
シバームの旧城壁都市は、その独特の景観から「砂漠の摩天楼」や「砂漠のマンハッタン」などとも呼ばれています。現在残る建物の多くは16世紀に建てられたものとされていますが、5階建てや8階建ての高層建築がそんな昔にあったというのは驚きですね!
目次
イエメンの砂漠にそびえたつ高層建築の世界遺産!シバームの旧城壁都市
シバームの旧城壁都市とは?
シバームの歴史は、紀元前8世紀に成立したハドラマウト王国の都にまで遡ります。ハドラマウト王国は紀元後3世紀にヒムヤル王国に併合されて滅びますが、シバームはアラビア交易の拠点として存続しました。
世界遺産のシバームの高層建築は洪水や盗賊の襲撃から身を守るために作られたもの。5~9階建ての泥レンガ造のビルディングが今も500以上も残っています。現存する最古のものは10世紀頃の築といわれ、そのほかの多くは16世紀頃に建てられたとされています。
シバームの旧城壁都市は1982年にユネスコ世界遺産に登録されていますが、その後も洪水の被害などを受け、2015年には危機遺産リストに追加されています。
シバームの旧城壁都市へのアクセス
世界遺産の旧城壁都市シバームは、首都サナアの東約500kmに位置しています。最寄りの都市サユーンの空港へは、ヨルダンの首都アンマンかエジプトの首都カイロからの便が就航しているので、それらを利用します。
サユーンから世界遺産のシバームまではタクシーで30分ほどです。
シバームの旧城壁都市のおすすめスポット①:泥レンガの高層建築
イエメンの世界遺産シバームの旧城壁都市は、まずその特徴的な外観に驚かされます。砂漠のなかに泥煉瓦で造られた高層の建物が集まっているというだけでも驚きですが、高層建築は建物は上に行くほど細くなっています。その姿から「砂漠の摩天楼」や「砂漠のマンハッタン」、「最古の高層ビル群」などの異名をもっています。
世界遺産シバームの旧城壁都市には、現在も一般の人々が生活しています。外出する機会が少ない女性は上層部にいることが多いようで、男性と女性、そして子どもは生活する階が別々です。また、建物同士がとても密集していて道も狭いのも特徴的で、空の遠い城塞都市はまるで迷路!
また、1階や2階部分に窓がないのも大きな特徴。シバームは高価な乳香の交易で栄えていたこともあり、それらを外敵などから守るために、下層階にに窓を作らなかったといわれています。建物の間は連絡橋で結ばれ、洪水時や襲来時の避難路として利用していたそうです。
シバームの旧城壁都市のおすすめスポット②:サユーン
サユーンは、世界遺産のシバームの旧城壁都市を目指す人が必ずといっていいほど立ち寄る町。シバームから車で30分ほどのところにあり、世界遺産ではありませんが、ハドラマウト地方の現在の中心都市です。「100万のヤシの実に囲まれた町」とも呼ばれています。
標高800mに位置するサユーンの見どころは、旧市街の中心にある1873年に建てられたスルタン宮殿。15世紀からこの地方を支配してきたというカシーリー朝の宮殿で、スルタンの居城として造営されました。17世紀に改修され、現在は博物館となっています。白を基調とした美しい宮殿からは、エキゾチックなハドラマウト地方独特の街並みを眺めることができます。
世界遺産のシバームを訪れる際の拠点となるので、サユーンには宿泊施設もいくつかあります。なかにはプール付きのホテルもあるので、砂漠にいながらちょっとリゾートな気分にも浸れますよ。
◎まとめ
2018年現在、イエメンには外務省の海外危険情報レベル4(退避勧告)が出されています。イエメンは2015年に始まった内戦が泥沼化していて、政府機能がはたらいていない状態にあります。そのため、いかなる理由であれイエメンへの渡航はできません。
できるだけ早期に政情が安定し、貴重な世界遺産を再び観光できる日が来ることを願うばかりです。