名称:Maloti-Drakensberg Park
住所:Kingdom of Lesotho/Republic of South Africa
公式・関連サイトURL:http://www.malotidrakensbergroute.com/
レソト王国(通称レソト)は、アフリカ大陸南部に位置するとても小さな国です。およそ100年間続いたイギリス植民地から独立し、1966年に建国されました。緑豊かなレソトは、国全体の標高が約1500mもあることから別名「天空の王国」とも呼ばれています。
今回ご紹介する「マロティ=ドラケンスバーグ公園」は、なんとレソト初の世界遺産!南アフリカに周囲を囲まれているレソトらしく、両国にあるそれぞれの国立公園が世界複合遺産として拡大登録されたのです。
それでは、「マロティ=ドラケンスバーグ公園」の魅力についてご紹介していきましょう。
目次
天空の王国・レソトの世界遺産マロティ=ドラケンスバーグ公園
マロティ=ドラケンスバーグ公園とは?
「マロティ=ドラケンスバーグ公園(Maloti-Drakensberg Park)」は、南アフリカ共和国とレソト王国の両国にまたがる世界複合遺産です。2000年当初は南アフリカ共和国側の「ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園(uKhahlamba Drakensberg Park)」のみ世界遺産に登録されていたのですが、2013年にレソト王国側の「セサバテーベ国立公園(Sehlabathebe National Park)」が追加登録されました。
マロティ山脈(Maluti)とドラケンスバーグ山脈(Drakensberg)の風光明媚な自然景観はもちろんのこと、そこに生息する希少な動植物やサン人(ブッシュマン)たちが残してきた考古遺跡群がなど、とにかく見どころ満載!このように、豊かな自然遺産と先住民たちが残した数千年にも及ぶ文化遺産の両方の価値が評価され、世界複合遺産として登録されることとなったのです。
マロティ=ドラケンスバーグ公園へのアクセス
「マロティ=ドラケンスバーグ公園」へは、南アフリカとレソトのどちらからでも陸路でアクセスすることができます。観光拠点となる街は、南アフリカから行く場合はダーバン(Durban)、レソトから行く場合は首都のマセル(Maseru)です。
日本からダーバン及びマセルまでは直行便がないので、アジアや中東、ヨーロッパなどを経由しましょう。どちらも最短で約23時間。ダーバンまでは乗り継ぎ1回、マセルまでは乗り継ぎ2回で行くことができます。
ダーバンからマロティ=ドラケンスバーグ公園までは北西に約230km、車で約3時間です。マセルからは片道でも6時間程かかるので、途中宿泊をしながらゆっくり見学しましょう。現地発着のツアーもたくさん組まれていますので、ぜひ利用してみてくださいね。
マロティ=ドラケンスバーグ公園のおすすめポイント
◆サン人の岩絵遺跡
世界遺産「マロティ=ドラケンスバーグ公園」があるドラケンスバーグ山脈には、サン人の描いた岩絵が数多く存在しています。約8000年前にこの地に住み始めたといわれるサン人は、狩猟生活を送りながら20世紀初頭までにたくさんの岩絵を残しました。
最も古い岩絵はレソトのセサバテーベ国立公園にあるもので、およそ4000年前に描かれたと考えられています。主に狩猟生活の様子を描いたものが多く南アフリカのウクハランバ・ドラケンスバーグ公園にある岩絵と非常に似ているのですが、エランド(ウシ科の動物)がたくさん描かれているのが特徴です。
ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園では600ヶ所以上の遺跡が発見されており、全部で約3万5千ほどの岩絵が残されています。サン人の岩絵はボツワナやジンバブエでも発見されていますが、このように密集して描かれた大規模な岩絵は他になく、考古学的にも高く評価されているのです。
◆マロティ山脈を含むドラケンスバーグ山脈の美しい自然景観
マロティ=ドラケンスバーグ公園のうちレソト王国側にある「セサバテーベ国立公園」は、レソト国内初であり最大の国立公園です。マロティ山脈を含むドラケンスバーグ山脈の標高約2,400m付近に位置しており、公園内には多彩な草原地帯が広がっています
実はこのセサバテーベ国立公園には、絶滅危惧種や固有種を含む動植物が数多く生息しているんですよ!
500種以上もの植物と100種以上もの鳥類のほか、絶滅危惧種のプセウドバルブス・クアトランバエ(コイ科の魚)なども見ることができます。清涼な空気と豊かな緑、そして真っ青な空と水が織りなす大自然の美しい景観は、世界中の芸術家や写真家を魅惑してやみません。
また、レソトでは、マロティ山脈からくみ上げたミネラルウォーターが大変有名です。
硬水で美味しいと評価されているお水ですので、この機会にぜひ味わってみましょう。
◆セサバテーベ国立公園内のユニークな砂岩
出典: Hannes Thirion/Shutterstock
レソトのセサバテーベ国立公園には、変わった形の岩が多く存在します。これらの奇岩はサン人が描いた岩絵と共に観光の目玉となっており、この絶景を求めて世界中からたくさんの観光客が集まってくるのです。
特に夕暮れ時は必見!夕陽に染まったオレンジ色の奇岩と陰影とのコントラストは非常に美しく、壮観なレソトの日没に彩りを添えてくれます。大自然に囲まれながら奇岩のサンセットの両方を観察できるなんて、贅沢なひと時だと思いませんか?
◎まとめ
南アフリカ共和国にすっぽりと包まれるように位置する「レソト王国」。こんな国があること自体知らなかったという方も多いと思いますが、九州よりも小さな国の中にこのような美しい自然と、数千年にもわたって守られてきた遺跡があるなんて素敵だと思いませんか?
「マロティ=ドラケンスバーグ公園」は、レソト王国と南アフリカ共和国の両国にまたがる世界遺産です。どちらの国も魅力あふれる観光スポットがたくさんありますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。