名称:龍門石窟/Longmen Grottoes
住所:河南省洛陽市龍門文化旅游園区龍門村
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1003
世界遺産、「龍門石窟」についてご紹介します。
中国、河南省洛陽市の南を流れる黄河の支流、伊河(いが)。その畔に、2000年にユネスコの世界遺産に登録された「龍門石窟」があります。河の両岸に1kmにわたって掘られた龍門石窟は、それぞれが世界遺産にも登録されている山西省大同の「雲崗石窟」、甘粛省敦煌の「莫高窟」と並んで、中国三大石窟として知られています。
大きなものは高さ17m、小さなものはわずか2cmといわれる大小合わせて10万体に及ぶ仏像が400年以上にもわたって掘り続けられた、中国の石刻芸術の至宝です。そして龍門石窟のシンボルといわれる、17mの「廬舎那仏」も注目です。その引き込まれるような眼差しと向き合うと、心の闇も嘘も全部まるっと見透かされるような気持ちになりますね!
「龍門石窟」の魅力について、以下で詳細を見てきましょう。
目次
【世界遺産】龍門石窟とは?|中国一美しいお顔立ちの仏像!?
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龍門石窟とは?
洛陽は、春秋時代の東周から数えて九つもの王朝の都として栄えた「九朝古都」として知られています。495年に北魏の孝文帝が大同から洛陽へ遷都した際に、同じく世界遺産として登録されている大同の「雲崗石窟」を受け継ぐかたちで伊河のほとりの断崖に龍門石窟の造営を始めました。
雲崗石窟が削りやすい砂岩であるのに対し、龍門石窟は硬い橄欖(かんらん)岩でできた崖に掘られたため、雲崗のような巨大な石仏彫刻が難しく、シンボルともいえる奉先寺洞以外は小さな仏像なのが特徴です。しかし、収められた仏像の総数は10万体にも及び、長さ1kmにわたって続く長大な石窟群は中国最大級といえる造形芸術です!
世界遺産「龍門石窟」の全景を眺めるには、伊河の東側から望むのが良いでしょう。対岸からの方が崖一面に蜂の巣のような無数の石窟と、中心に据えられた巨大な奉先寺洞の廬舎那仏がよく見えます。
見学ルートは、伊河西岸の龍門山石窟最北部にある、世界遺産「龍門石窟」最古の石窟といわれる五世紀末に造られた「古陽洞」からスタートするのがオススメ。造られた年代に沿って北から南へと移っていくと古いものから順に見学することができます。
龍門石窟へのアクセス
成田空港から西安咸陽国際空港まで直行便で7時間30分。西安からは「洛陽龍門駅」まで新幹線で2時間かからずに到着します。駅前から「龍門石窟」が終点のバスに乗って10分ほどで到着です。
洛陽市内からは市バスで40分ほど。これも終点の「龍門石窟」が最寄りのバス停です。バス停を降りて遊歩道を15分ほど歩くとチケット売り場に到着します。
龍門石窟のおすすめポイント①:奉先寺洞
世界遺産「龍門石窟」のシンボルは、やはり巨大な廬舎那仏を収めた奉先寺洞でしょう!唐の皇帝、高宗の発願により造営が始まり、仏教信仰の厚かった皇后、則天武后による二万貫という大金の寄進によって675年に完成した龍門石窟で最大の龕です。左右に阿難と迦葉、菩薩、天王、金剛力士などが力強く並び、さすが世界遺産と納得の大迫力です!
世界遺産「龍門石窟」の廬舎那仏は、高さ17.14m、なんと耳だけで1.9mもあるのです。顔の表情も醸し出す雰囲気もとても高貴な印象のこちらの廬舎那仏は、中国で一番美しい仏像ともいわれています!この美しい仏像には、多額の寄進をして仏像の造営を進めた則天武后本人がモデルになっているという伝説が残されています。
この話にはさらに続きがあり、龍門石窟の廬舎那仏をモデルにして造られたといわれているのが、なんと奈良東大寺の大仏なのです!日本ともつながりがあるとは驚きですよね。
龍門石窟のおすすめポイント②:賓陽三洞
世界遺産「龍門石窟」に残る最古の石窟、古陽洞に次いで古いものは、6世紀北魏の時代に造営された「賓陽(ひんよう)三洞」です。賓陽北洞、賓陽中洞、賓陽南洞、横に並んだ三つの石窟はそれぞれ北魏の皇帝と皇后のために造られました。
賓陽中洞は、三つの中で唯一北魏の時代に完成した石窟で、第6代皇帝孝文帝のために造営されたものと伝えられています。高さ約9.3 mの洞の中央には8.3mの穏やかな面差しの釈迦牟尼仏が位置し、今でもわずかに彩色が残り、完成当時の鮮やかさが想像できます。
賓陽北洞、賓陽南洞は先に完成した中洞より100年ほど遅れて唐の時代に完成しました。賓陽北洞は孝文帝皇后高氏のために、賓陽南洞は宣武帝のために造営されました。それぞれ主尊には阿弥陀仏が彫られています。賓陽北洞の中央に位置する阿弥陀仏の手のポーズに心が和みます。
龍門石窟のおすすめポイント③:万仏洞
万仏洞は、680年に完成したと洞窟。深さ約7mの洞の中に、約15000体もの仏像があります。これは、高宗が則天武后の偉業を称えて、造ったもので、唐王朝の威厳を感じることができます。
たくさんの、仏像が整然と並んでいるようすが、見学してほしいポイントです。さらに、南側の壁にある観音菩薩にも見逃せません。ゆったりとした姿や装飾やポーズが、女性の美しさが表現しており、当時の美意識や文化について深く知ることができるでしょう。
龍門石窟についての注意事項
どの石窟を見学するにも、とにかくたくさんの階段を上らなければなりません。雨の日などは足元に注意してください。
@まとめ
ご紹介しました世界遺産「龍門石窟」。迫力がありますよね!
今から1500年前に造られた石仏の数々には、きっと圧倒されますよ。大きな廬舎那仏にまず目を引かれますが、小さな大仏の一体一体や装飾の繊細さに、当時の高度な彫刻技術が見てとれます。
伊河西岸の龍門山石窟を観た後は、漫水橋をわたって対岸の香山にも足を運んでみましょう。長恨歌で有名な唐の時代の詩人、白居易のお墓「白園」も注目すべきスポットですよ!