名称:Lamu Old Town
住所:Lamu, Kenya
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1055/
ケニアといえば内陸サバンナのサファリが有名ですが、ケニア南東のインド洋沿岸部にも、3つの世界遺産があります。そのうちの1つラム旧市街は、現地のスワヒリ文化が色濃く残る地域として、2001年に世界遺産に登録されました。ラム島の片隅に位置するこの小さな町は、東アフリカとイスラムの文化が入り混じった独特の建造物群が残っていることで知られています。
かつてはヨーロッパ人に人気のリゾート地でもありましたが、近年は治安の悪化もあり、安易に旅行で訪れることはおすすめできません。ここでは世界遺産ラム旧市街の見どころをご紹介しますが、実際に訪ねてみるのは治安の回復を待ってからにしましょう。
目次
現存する最古のスワヒリ建造物群!ケニアの世界遺産ラム旧市街
目次を閉じる
ラム旧市街とは
ラム旧市街はケニアの南東、ソマリア国境に近いインド洋に浮かぶラム島の東岸にあります。14世紀にアラビア交易の拠点として建設されました。アラブ商人とのかかわりのなかで、東アフリカ沿岸部には現地のバントゥー諸語とアラビア語が混ざってできたスワヒリ語が広まり、ラムにはスワヒリ系の文化と建築が発展しました。
ラムは黄金や象牙のほか奴隷などの取引で栄え、19世紀には要塞やモスクも建造されました。とはいえイスラーム文化にも西洋文化にも染まることはなく、スワヒリ文化に基づく街並みや建物が数多く残っています。
ラム旧市街へのアクセス
世界遺産ラム旧市街のすぐ対岸にマンダ空港があり、空港とラムの間はフェリーで結ばれています。マンダ空港へは、ナイロビから国内線に乗って行きます。二本からナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港への直行便はないので、イスタンブールやドバイ、バンコク、香港、広州などで乗り継ぐ必要があります。
ラムの旧市街は道幅が狭く、自動車は通れません。自転車かロバが市内の主要な移動手段です。
ラム旧市街のおすすめポイント①:旧市街の町並み
世界遺産ラム旧市街は、東アフリカのスワヒリ圏では最も長い歴史をもっています。土着文化とイスラム文化が融合したスワヒリ系の家々が残り、とくにサンゴ石とマングローブの木材を巧みに組み合わせた住宅は必見ですよ!小さな博物館として公開されている古い邸宅もあるので、しっかり内部も見学しましょう。
旧市街地の道は車が通れないほど細く、ロバが重要な交通機関。あちらこちらで荷物や人を運んでいます。とはいえ小さな町なので、徒歩で回ることもできます。この街では、地図はあまり役には立ちません。旧市街を南北に縦断する2本の比較的大きな通りの位置を、しっかり頭に入れて散策しましょう。
ラム旧市街のおすすめポイント②:ラム要塞とリヤダ・モスク
世界遺産ラム旧市街で大きな歴史的建造物といえば、ラム要塞とリヤダ・モスクの2つです。前者は隣の隣のパテ島のスルタン(領主)フモ・マディ・イブン・アビ・バクルが造らせたもの。それほど規模の大きな要塞ではないのですが、彼が1809年に没したとき、まだ1階部分も完成していなかったといわれています。城壁に登ることもできるので、世界遺産の街並みを上から眺めてみるのも良いでしょう。
後者のリヤダ・モスクは、現在のイエメン出身のハビブ・サリーが1900年に建立したもの。ハビブ・サリーはラムで宗教指導者として信者を集め、この地の有力者となりました。モスクに付属するマドラサ(イスラームの学校)は、東アフリカで最も権威のある学林の1つといわれています。
ラム旧市街のおすすめポイント③:アイランド・サファリとマリンツアー
世界遺産の町ラムではアイランド・サファリも定番です。ラム島やパテ島周辺の小さな島々を、伝統的な小舟でゆったりと回ります。かつて海洋貿易で栄えたラムの前海を巡れば、気分は当時のアラブ商人!サファリでは島々の村を散策したり、村に残る遺跡などを訪ねたりします。
また、ラム島では半日~1日かけての釣りツアーも行われています。とくに「ビッグフィッシュ」と呼ばれる大きな魚を狙うツアーが人気。釣り好きにはたまらない、ダイナミックなフィッシングを楽しむことができます。また、シュノーケリングやダイビングツアーなどもあり、手つかずのサンゴ礁でマリンスポーツも満喫できますよ。
◎まとめ
2018年現在、ラム周辺には外務省の危険情報レベル3(渡航中止勧告)が発令されています。これは、隣国ソマリアを拠点とするイスラム過激派組織がケニアで外国人を狙った誘拐などの犯罪行為に及んでいることを受けてのものです。
したがって、ラムへの渡航は現状では絶対にしないでください。いつの日か、再び世界遺産の街並みを自由に観光できるようになることを期待しましょう。