名称:East Rennell(東レンネル)
住所: East Rennell Rennell island, Solomon
公式・関連サイトURL:https://worldheritagesite.xyz/east-rennell/
真っ青な空に白いビーチ、そしてまるでソーダゼリーの様な透き通った海。ソロモン諸島といえば美しいリゾート地としてイメージされる方も多いでしょう。そのソロモン諸島の最南端には今でも謎が解明されていない自然も多数あります。太平洋の秘境と呼ばれる世界遺産がここに存在します。
世界遺産の「東レンネル」はソロモン諸島の南に位置する、世界最大のサンゴでできた島、レンネル島の一部です。東レンネルは8割が湖でできていて、そこには信じがたい程、幻想的な景観が広がる水中洞窟が存在するのです。
研究者による調査がほとんど行われたことがないため謎も多く、ミステリアスな世界遺産となっています。では東レンネルをご紹介しましょう。
目次
太平洋の秘境にある世界最大のサンゴ礁の島。世界遺産、東レンネル
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東レンネルとは
東レンネルとはソロモン諸島の最南端、レンネルベロナ州に属するレンネル島の一部で、1998年に世界遺産に登録されました。特徴は海水と淡水の入り交じる、汽水湖を有るすこと。この世界遺産の8割がテガノ湖という汽水湖が占めているのです。
レンネル島は環状になったサンゴ礁が隆起してできた島です。なんとサンゴ礁でできた島としては世界最大!それだけでも東レンネルが世界遺産に登録されたという理由がうなずけます。
年間4000mmもの降水量があり、常に濃霧があって湿気がたっぷりのこの土地では熱帯雨林特有の爬虫類やコウモリ、蛇、そしてこの固有種のハーブなど珍しい植物が生息しています。
サンゴでできた島としての成り立ち、美しいサンゴ礁や汽水湖や東レンネル特有の生物や地形などその貴重な環境が評価されて世界遺産に登録されたのです。
しかしながら、とても残念なことに森林伐採などが行われたことを理由に東レンネルは2013年には危機遺産にも登録されています。この土地特有の植物が十分な研究もされないまま絶滅してしまうなんてとても悲しいことです。深刻な環境の保護が叫ばれている世界遺産でもあるのです。
東レンネルのアクセス
ソロモン航空が首都ホニアラ⇔レンネル間を週2便運行しています。スケジュールが安定しないため所要時間は半日〜1日。
空港からテガノ湖までは約50kmですが道は悪く、トラックも整備されていないため3時間〜半日を見ておきましょう。
また、船も運行していますがスケジュールが定まっていないため現地で要確認。所要時間は半日〜1日。
ちなみに島周辺はブナ科の木をくり抜いた簡素なカヌーが交通手段です。島内にはメインとなる道路が一本あるので乗り心地の悪いトラックで移動、もしくは道なき道を徒歩で行く必要があります。
東レンネルのおすすめポイント①テガノ湖
東レンネルの世界遺産の見どころと言えばその8割を占めるテガノ湖です。テガノ湖には200以上の小さい島々があるのですがどれもサンゴ礁であった石灰でできていて不思議な景観を生み出しているのです!
ここには石灰でできた水中洞窟もあり、とても神秘的な雰囲気を醸し出しています。東レンネルは調査が進んでない謎の多い世界遺産です。現地の人ですら洞窟の奥に行ったことがなく、この水中洞窟が海につながっているかどうかすらも分かっていないのだとか。うなぎが発見されていることからどこかでは繋がっているのでしょう。
うなぎ以外にもクロッカーウミヘビなど固有種もいます。この生物はもともと海に生息していましたが、サンゴが隆起した際に湖に閉じ込められ、この湖に適応するために進化したのだとか。この世界遺産では美しい湖の洞窟を探検できるだけでなく東レンネル固有の珍しい生物に出会うことができるのです。
東レンネルのおすすめポイント②陸上の動植物
東レンネルは湖だけでなく、その陸上の動植物にも特徴があります。サンゴ礁が隆起して作られ、島一帯がサンゴの壁で囲まれているという特殊な地形もさることながら、年間降水量が4000mmにも及ぶこの気候がこの世界遺産に豊かな動植物を生み出しました。
固有種を含んだ11種類存在するコウモリもいれば1mを超えるトカゲもいて、ジャングルを歩いている時に出くわしたら息を呑んでしまいますね。レンネル島固有のランやキノコなども生息します。
レンネルの植物は薬草として使われることも多く、その効用は世界の製薬会社や大学研究機関も注目しているそう。なんと癌の特効薬の開発まで進められているというから近い将来、この世界遺産がニュースを賑わすこともあるかもしれませんね?!
危機遺産リストに指定されているこの世界遺産。世界中の人々をすくう救世主になる可能性を秘めていることを考えるとなおさら環境保護の重要性が増します。
東レンネルの注意事項
テガノ湖ではダイビングやシュノーケリングをすることができますがショップなど一切ありません。機材は全てご自身で持ち込みましょう。
また、レンネル島には病院がありますが設備は充実していないため、ご自身で予防策をとることが大事になってきます。破傷風やマラリアなど万が一の事が起こった場合を想定して訪れましょう。
◎まとめ
ソロモン諸島に浮かぶ世界遺産、東レンネルをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。世界最大のサンゴ礁が隆起してできた島は川や水が澄んでいて、水中洞窟では信じがたい程の神秘的な景色を目の当たりにすることができます。アクセスもよくなく、観光地化されていないため便利とは言えない世界遺産ですがダイビング好き、洞窟好きの方には是非抑えて頂きたいスポットです!