名称:ムスカウアー公園
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1127
ポーランドとドイツの国境をまたぐような形で広がり、中央ヨーロッパ最大のイギリス流の風景式庭園と呼ばれている公園があります。それは、ポーランドとドイツの世界遺産ムスカウアー公園で、東京ドームおよそ120個分の広大な敷地を誇ります。
美しくも雄大な自然と見事に調和した建物群は、様々な魅力が詰まっている世界遺産。さらにムスカウアー公園は、ポーランドとドイツの和解の象徴ともされており、とても重要な役割も担っています。今回はそんなドイツとポーランドを繋ぐ世界遺産、ムスカウアー公園についてご紹介します。
目次
ポーランドとドイツの架け橋となった世界遺産!ムスカウアー公園
ムスカウアー公園とは?
ムスカウアー公園とは、ドイツとポーランドの間を流れるナイセ川にまたがるイギリス流風景式庭園です。広大な敷地面積を有するムスカウアー公園は、中央ヨーロッパ最大のイギリス流風景式庭園であり、人々から愛されている観光スポット。
元々この土地を所有していたドイツのヘルマン・フォン・ピュックラー=ムスカウ侯爵がイギリスで流行していた風景式庭園の手法に基づいて1815年に造園を開始したことが始まりでした。この公園の特徴として、木や水流などの自然をあたかも風景画のように配置し、それと調和するように建物の建設や改築を行っています。30年間もの間この公園の整備を行った後、1845年に経済的な理由から手放すことになりました。
その後第二次世界大戦末期のベルリンの戦いにおいて、この地域も戦場となり公園内の城や橋などを破壊。さらにはナイセ川という新たな国境線のために公園はドイツとポーランドの二つの国に分割されます。その後1980年代からドイツとポーランドが協力して文化・景観の保護・保存を行うというヨーロッパで初の試みを実施し、城や橋の修復、さらには世界遺産への登録に繋がりました。
ムスカウアー公園へのアクセス
ポーランド側からムスカウアー公園へのアクセス方法として、バスや電車などの公共交通機関や車での移動が可能です。ドレスデンからは車で約1時間。またこの世界遺産はポーランドとドイツの国境をまたぐ形で広がっているので、ドイツ側からもアクセスができますよ。その際はベルリンからヴァイスヴァッサーまで電車で、そこからはバスでの移動がおすすめです。
イギリス流風景式庭園
ムスカウアー公園の最大の見所は、広大な敷地面積に広がる雄大な大自然を楽しめること。中央ヨーロッパ最大のイギリス流風景式庭園というだけあり、歩いて周るとかなり時間がかかります。
風景式庭園とはヨーロッパの作庭技法の一つで、土地のなだらかな起伏を利用してあたかも自然の景色であるかのように設計されている庭園のこと。造園したヘルマン・フォン・ピュックラー=ムスカウ侯爵が、こだわり続けた景色に最大限近づけたこのムスカウアー公園は、癒しの場として観光客だけでなく地元のポーランド国民の人々からも愛されている観光スポットです。
またその広大な面積と雄大な自然を利用して、馬車を使用した園内周遊ツアーもあるので、興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。
旧城と新城
ムスカウアー公園はその雄大な自然だけではなく、その自然と調和させるように建設、改築された建物群があり、それも特徴の一つ。その中でも最大の見所はムスカウアー公園内にある旧城と新城です。
どちらの城も第二次世界大戦のベルリンの戦いにおいて破壊されましたが、修復されているので是非見学してみてください。周囲の美しい自然と荘厳な雰囲気を醸し出す城の見事なコントラストに圧倒されます。また自然を引き立たせるためのデザインを施した橋や、ムスカウアー公園の中心的な建物である美術館もあるので、あわせて立ち寄ってみてくださいね。
◎まとめ
ドイツとポーランドをまたぐのように広がる世界遺産、ムスカウアー公園についてご紹介しました。ヘルマン・フォン・ピュクラー=ムスカウ侯爵のこだわりによって、風景画のような自然物の配置とそれに合わせた建物群、さらには起伏までも利用して自然の景色に近づけるという手法は圧巻。第二次世界大戦で建物群が破壊されても修復され続けているので、見どころ満載です。ドイツとポーランドの懸け橋になった世界遺産に、是非足を運んでみてくださいね。