木造宗教建築物の世界遺産！ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群

ポーランドの南西部ドルヌィ・シロンスク県には、ヨーロッパ最大の木造宗教建築物として有名な教会があります。それがヤヴォルとシフィドニツァという町にある教会で、2001年にはヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群として世界遺産にも登録されました。

厳しい条件下の中で建設されたこの二つの教会は、シンプルな外観と豪華絢爛な内装が魅力の観光スポット。今回はそんなポーランドの世界遺産、ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群についてご紹介します。

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群とは？

ポーランドにあるヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群は、ヨーロッパ最大の木造宗教建築物として2001年に世界遺産にも登録されました。元々ポーランド南西部にある、シレジア地方のグウォグフにも教会が建てられていましたが1758年に焼失。現在ではヤヴォル、シフィドニツァの二つの町にある教会しか見ることはできません。

この平和教会群は、17世紀半ばにヨーロッパ中を荒廃させてしまった、三十年戦争と呼ばれるキリスト教の宗教紛争の終わりと平和の象徴として建設。その際に厳しい条件が課せられ、外観こそ質素ですが内部は非常に豪華絢爛なバロック様式の内装であり、数千人を収容できるほど巨大な空間があります。

この二つの教会は人類の歴史上において重要な時代を例証するものとして評価され、2005年には建設してから350周年を迎えたことから、その祝いとしてドイツとポーランドが共同で修復を行いました。

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群へのアクセス

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群は、それぞれ別々の町にあるのでご注意ください。ポーランドの主要都市であるヴロツワフ駅からは、ヤヴォル、シフィドニツァともにバスが出ているので、そちらのご利用をおすすめします。

またヤヴォルからシフィドニツァ間もバスが運行していますので、どちらかの町に先に行った後にもう一方の町に向かうこともできて便利ですよ。なおどちらの町の教会も同日に見学したい場合は、最初はヤヴォル方面へ向かい、その後シフィドニツァへ向かった後にヴロツワフ駅まで戻ってくる方をおすすめ。ヴロツワフ駅からシフィドニツァまでの往復バスの方が本数が多いため、帰りに本数が多いバスに乗れる方が安心ですよ。

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群のおすすめポイント2

外観

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群は、大規模な破壊や荒廃をもたらした三十年戦争の終結と平和の象徴とならなければならなかった為、厳しい条件が課せられました。それは「耐久性のない建材の使用」「市壁の外側であり、大砲の射程圏内という立地」「伝統的な教会建築様式でなく、塔や鐘も備えてはいけない」「一年以内の建設期間」というものでした。

石やレンガを使わない木造であり、さらには釘などを使用していない教会はとてもシンプル。しかしながらこの教会が建設された歴史や、その際に課せられた厳しい条件を知っていれば、このシンプルな外観も魅力的に感じますよ。是非ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群に訪れた際は、建設期間や建材などを指定された厳しい条件下での建設であったという背景を考えながら見学してみてくださいね。

内装

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群の特徴としてシンプルな外観が挙げられますが、それとは対照的に内部はどちらの教会もとても豪華。バロック様式の煌びやかな内装だけでなく、シフィドニツァの平和教会は天井や壁に聖ヨハネが目次録の中に記した情景が主に描かれている絵画が飾られています。また、ヤヴォルの平和教会には旧約聖書や新約聖書の様々な場面や、家紋、ギルドの紋章が描かれた絵画が約180点飾られているなど芸術作品も見どころ。

さらには数千人を収容できるという空間の広さも、内部の豪華な雰囲気を強めている特徴の一つです。シンプルな外観とはあまりに対照的な内部の豪華な雰囲気や絵画の数々は、常に観光客を魅了。是非ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群を見学する際は、質素な外観と煌びやかな内装を比較してみてくださいね。

◎まとめ

ポーランドの世界遺産、ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群についてご紹介しました。一見すると世界遺産とは思えないようなシンプルな外観ですが、対照的に豪華な内装や芸術作品、数千人を収容するスケールの大きな空間など様々な魅力が詰まっていますよ。是非ポーランド観光の際には、ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群に足を運んでみてはいかがでしょうか。

木造宗教建築物の世界遺産！ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群