エルサレムに見立てたポーランドの世界遺産、カルヴァリア・ゼブジドフスカ

エルサレムに見立てたポーランドの世界遺産、カルヴァリア・ゼブジドフスカ

ポーランドの南部にある小さな町、カルヴァリア・ゼブジドフスカヤはキリスト教とにとって重要な場所。約95%にものぼるカトリック教徒を有するポーランドには、数多くの教会があります。その中でもカルヴァリア・ゼブジドフスカヤはゴルゴダの丘に見立てた建造物群を造り、その建築技術の高さや景観は目を見張るものがあります。そして1999には「カルヴァリア・ゼブジドフスカ : マニエリスム建築と公園が織りなす景観及び巡礼公園」として世界遺産に登録されました。

現在では経験なカトリック信者の巡礼地ともなり、美しい自然とマニエリスム建築が織りなす風景は一見の価値がありますよ。今回はそんな世界遺産カルヴァリア・ゼブジドフスカヤを紹介します。

目次

エルサレムに見立てたポーランドの世界遺産、カルヴァリア・ゼブジドフスカ

カルヴァリア・ゼブジドフスカ: マニエリスム様式の建築と公園景観複合体と巡礼公園とは?

ポーランド南部、マウォポルスカ県にある世界遺産カルヴァリア・ゼブジドフスカ。この場所には、エルサレムに見立てて作られたキリスト教の巡礼公園があります。キリストが磔刑にかけられたゴルゴダの丘を見立てたツァー山を中心に44の聖堂が建ち並び、ポーランド各地より常に多くの巡礼者が訪れる観光スポットとなっています。

17世紀初頭、地元の有力者であったミコワイ・ゼブジドフスキがこの地に個人的な礼拝所として聖十字架礼拝堂を建てたことが始まり。その後、マニエリスム様式の影響を受けたベルギーの建築家、ポール・ボダールによって多くの礼拝堂が建てられました。完成した建築物は個人用の礼拝所の枠を超え、ポーランド中から巡礼者が訪れるほどの規模にまで発展します。それによって巡礼者のために礼拝堂を建てるなどして、現在では44の宗教建築物群とさらに周囲の自然の景観を楽しめる世界遺産となりました。現在は約6キロの巡礼路が整備されています。

カルヴァリア・ゼブジドフスカへのアクセス

カルヴァリア・ゼブジドフスカは、ポーランド第3の都市クラクフから南西に約30kmほどの場所に位置しています。アクセス方法としてはクラクフから公共交通機関を使用して向かうのがおすすめ。バスなら所要時間約50分、電車なら約1時間で到着しますが、バスや電車の本数は非常に少ないので帰り時間はしっかり調べておくようにしましょう。

カルヴァリア・ゼブジドフスカおすすめポイント①:巡礼路

世界遺産カルヴァリア・ゼブジドフスカには巡礼路が整備され、宗教的建築群や美しい自然の風景をみながら巡ることができます。巡礼路は2種類あり、主イエスの道と聖母マリアの道。どちらも起点は修道院から始まり、そこから各ルート反対回りに約6キロの道のりを巡礼します。その修道院の近くにはヨハネ・パウロ二世の銅像があり、こちらも観光スポットになっているんですよ。前教皇であるヨハネ・パウロ二世はポーランドの生まれであり、この世界遺産の町に何度も訪れたといいます。

巡礼路にはエルサレムに見立てたゴルゴダの丘やカルヴァリアの聖母という宗教画が見られる礼拝堂など、貴重な宗教建築を巡ることができます。所要時間は約4時間なので、歩きやすい靴はもちろん時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。

カルヴァリア・ゼブジドフスカおすすめポイント②:キリストの受難

キリスト教徒にとって最も重要な日でもあるイースター、または復活祭。この復活祭には世界遺産カルヴァリア・ゼブジドフスカで聖職者による盛大な劇が行われます。キリストがユダの裏切りによって磔刑を言い渡され、ゴルゴダの丘を自ら十字架を背負って登っていく様子を再現しています。

この時期にはカルヴァリア・ゼブジドフスカに10万人もの人々が集まると言われています。この盛大な再現劇は、キリストの受難を人々に目撃させる儀式でもあり、信者たちは拍手ではなく祈りをささげ、敬虔なクリスチャンへの生の道しるべとなります。世界遺産カルヴァリア・ゼブジドフスカの重要な祭りは、ぜひ一度は見てみたいものです。

◎まとめ

ポーランドの世界遺産「カルヴァリア・ゼブジドフスカ: マニエリスム様式の建築と公園景観複合体と巡礼公園」についてご紹介いたしました。個人が私財を使って建てた礼拝堂から始まった世界遺産。宗教的な文化や芸術、建物のデザインだけではなく、それを巡るコースと豊かな自然も楽しめ、観光スポットとしても人々を魅了しています。ぜひポーランド観光の際には、カルヴァリア・ゼブジドフスカまで足を運んでみてはいかがでしょうか?

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